吉村 和敏「MAGIC HOUR」

日が沈んでから一番星が輝くまでの時間を意味する「MAGIC HOUR(マジックアワー)」。
本展は、同タイトルのもと、吉村和敏氏が北米、ヨーロッパ、日本など世界各地で撮影した作品約60点を展示。日没後のわずかな時間、空は淡いピンクやパープルに彩られ、光が均一に回ることによって地上にあるすべての風景が存在感を増す。「MAGIC HOUR」がつくり出す静かで穏やかな風景は、見る者の心を落ち着かせ、安らぎの世界へと誘ってくれる。
会期 | 会場 |
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2010年12月22日~2011年2月12日 | キヤノンギャラリー S |
作品・展示風景
作家メッセージ
夕陽が沈んだ直後から、空に一番星が現れるまでのわずかな時間を、MAGIC HOUR(マジックアワー)と呼ぶ。空は淡いピンクやパープルに彩られ、光が均一に回ることによって地上にあるすべての風景が存在感を増し、いつしか最も美しい姿に生まれ変わっている。昔から映画関係者の間で特別視されてきたこの時間帯、私も取りつかれていた一人だった。日中、射るようなまぶしい光に翻弄されていた自分が、マジックアワーになるとフッと心にゆとりが生まれ、
いつしか目の前にある静かな風景と対話しながらシャッターを切りはじめる。すると、懐かしさと切なさがとけ込んだ詩的な作品が生まれていくのだ。
アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、ベルギー、スウェーデン、フィンランド、ニュージーランド……そして日本。世界各国のマジックアワーで捉えた作品を並べ、この地球(ほし)に隠されたまた一つ別の美しさを表現してみようと思った。
作家プロフィール

吉村 和敏(よしむら かずとし)
1967年長野県松本市生まれ。
2000年のデビュー作『プリンス・エドワード島』(講談社)で注目を集める。アトランティック・カナダの魅力を紹介した『光ふる郷』(幻冬舎)、世界一美しいといわれるケベックの紅葉を追いかけた『ローレンシャンの秋』(アップフロントブックス)など作品集を次々と発表。詩人・谷川俊太郎との共著『あさ/朝』『ゆう/夕』(アリス館)は異例のベストセラーとなった。世界各国の風景を青い時間帯に撮影した『BLUE MOMENT』(小学館)、牧歌的な生活風景をまとめた『PASTORAL』(日本カメラ社)、認定されたフランスの美しい村150をすべて撮影した『「フランスの美しい村」全踏破の旅』(講談社)はロングセラーに。2009年に発表した『Sense of Japan』(ノストロ・ボスコ)は、今までにない日本風景の作品集として注目を集めている。
2003年カナダメディア賞大賞受賞 2007年日本写真協会賞新人賞受賞。
著作権について
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