埴 沙萠「草と木のエコロジー」
10代のころよりサボテンの研究をはじめた埴沙萠氏。
砂漠という過酷な環境でも生きる植物から生きることの仕組みや知恵を学び、現在では、サボテンに限らず身近に生きる植物の生態を撮影し続けている。本展では、春を迎えて芽生えるブナの瑞々しい姿やキノコの胞子の舞いなど、独特の視点でとらえた植物の世界を展示。また、会場にはフルハイビジョン映像コーナーも設置し、キノコの胞子が舞う光景などの映像作品も上映。
会期 | 会場 |
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2009年6月18日~2009年7月27日 | キヤノンギャラリー S |
作品・展示風景
作家メッセージ
道ばたの、いっぽんの草が芽生えて、花を咲かせて、
そして、果実をつくって、種子を旅だたせる。
そのことのために、どれほどの大きな英知と愛が、
「自然」からそそがれていることか。
草や木と、いっしょにくらしているうちに、
気がついたことでした。
展示する植物の生態写真は、
生命を創造して、育てあげてきた、
すばらしい「自然」の英知を、そして愛を、
植物をとおして撮影した作品です。
作家プロフィール
埴 沙萠(はに しゃぼう)
- 1931年
- 大分県生まれ
- 1949年
-
作家でシャボテン研究家の故龍膽寺雄氏に師事。
このころから植物写真を撮りはじめて、龍膽寺のシャボテン関係の著書に掲載。 - 1951年
- 東京農業大学に招かれて入学。遺伝育種学研究所内に沙漠植物研究室を創設。
- 1960年
-
静岡県伊東市大室山シャボテン公園の企画設計を担当。
完成後農大を辞して無霜地帯の山口県屋代島(周防大島)に移住。
沙漠植物の生態研究のかたわら、月刊「Shaboten」、「沙漠の花」を発行して、国内外のシャボテン愛好家の指導にあたる。 - 1968年
- 郷里の大分県で、シャボテンから学んだ植物の知識を活かして、山野の植物生態の撮影をはじめる。
- 1994年
- 雪のなかの植物の生態を見たくて、群馬県みなかみ町に移り住み、撮影をつづけている。
主な著書および写真集
- 1975年
- 「光の五線譜1」(共著・ネイチャーブックス)
- 1982年
- 「萌」(新峰社)
- 1985年
- 「野の花山の花大図鑑」(講談社)
- 1993年
- 「植物記」(福音館書店)
- 2010年
- 「植物のくらし」(偕成社)
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