美味しいハンバーガーの存在を世界中に伝えたい、食べ尽くしたい。
公開日:2022年5月25日
最終更新日:2022年5月25日
グルメハンバーガーブーム以前よりハンバーガーを愛し、一般人ながら今では店舗視察のアテンドやコーディネート(!)まで頼まれるハンバーガー女子のエリさん。業界でその名を知らない人はいないほど広く認知されているにも関わらず、彼女の姿勢は謙虚かつ献身的。「自分の好き嫌いではなく、地道な努力を応援したい」「3kg太ったら活動を卒業する」など、世界中のハンバーガーをストイックに愛情深く見守っています。そんな彼女にとってのハンバーガーとはどんな存在なのか? お話をお聞きしました。
PROFILE
歴16年のハンバーガーマニア。今までに食したハンバーガーは6000種以上。「ハンバーガー界の伊能忠敬」を目指し、国内外のハンバーガーを食べ歩く。
ハンバーガー女子のはじまり
高校時代、本格ダイナーを彷彿させる代官山のハンバーガー屋「ONE’S DINER(現在は閉店)」を訪れた時のこと。
自分の顔と同じぐらいの大きさのアメリカンなハンバーガーとシェイクを、日本では見たことのない、これまたアメリカンなかわいいコスチュームを着た店員さんが運んでくださるのを見て「映画のなかの世界は実在するんだ!」と感動し、ハンバーガーにかぶりついてはその美味しさにあらためて衝撃を受けたものです。
それは今まで見てきたハリウッド映画に登場するロードサイドのハンバーガー屋をまさしく感じさせるもの。この体験が、もともと興味を抱いていたアメリカやハンバーガー文化への興味をさらに深めるきっかけとなりました。
それからは「ハンバーガー留学」を銘打ち欧米へ留学し、ファーストフードを3食30日間食べるドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』を真似て自分でも実験するなど、海外でもハンバーガーの豊かな食文化に触れる日々。帰国後は歯科衛生士のかたわら北千住にあるハンバーガー屋「サニーダイナー」で働きはじめます。
そこで新たに芽生えたのが「ハンバーガーで稼いだお金は業界内で循環させたい」という気持ち。そして働いて稼いだ「ハンバーガー資金」でハンバーガーを食べ続けるうちに「美味しいハンバーガーをもっとたくさんの人に食べて欲しい!」と魅力を伝えたくなるのです。
それと前後して、勤め先だった「サニーダイナー」の店長からも「グルメバーガーを1年で400個以上食べた君がレコメンドするお店は美味しいだろうから、たくさんの人に知ってもらったらどうか」との後押しを受けたことが追い風になり、「エリのハンバーガー女子ブログ」を立ち上げ、ハンバーガー女子としての活動がはじまります。
ブログやSNSなどのメディアで取り上げるハンバーガーは、当時から一貫して私が実際に食べて本当に美味しいと感じたものだけ。
美味しさを視覚的に伝える写真では「ハンバーガーの正面の顔」を意識します。基本的にはお店が提供する通りの向きですが、お皿に彫られた店名やロゴも「正面」の目印。
バンズが上にのっているものであれば斜め上から撮ることもありますが、いずれにせよ、そのお店のハンバーガーがどこから撮ればいちばんわかりやすいかを意識しています。
ハンバーガー界の伊能忠敬になりたい
ハンバーガーはカレーやラーメンと同じように海外から日本に輸入された食文化ですが、いまでは日本独自の進化を遂げて日本人ならではの味に変化しました。「バランス系」と呼ばれる食材の一体感を重視したハンバーガーはその代表格です。
こうして独自の進化を遂げるハンバーガーの存在は、気候風土のバラエティに富んだ日本の各地で発見されます。ご当地グルメのように、地域の特産物や魅力、食文化を活かした美味しいハンバーガー屋がたくさんあるのです。
そのことをその土地の人に伝えたい。日本中の人にも伝えていきたい。そのために地図を作りたい。どこにどんなハンバーガーがあるのかをつぶさに記録して、私自身もそれらを全部食べ歩きたい。そうしていつしか「ハンバーガー界の伊能忠敬になりたい」と考えるようになりました。
専門店だけでなく道の駅やサービスエリアも漏らさないとなれば生涯をかけてもこの地図は完成しないかもしれません。それでも自分のペースでできる範囲で、おばあちゃんになっても作り続けていきたいと強く思います。
いつかこの地図を握りしめた、私の知らないだれかと美味しいハンバーガーを結びつけることになれば。私の願いはそこにあります。
美味しいハンバーガーを求めて西へ東へ国外へ
多ければ10個以上のハンバーガーを食べる遠征では、シビアな体調管理と体力づくりが求められます。
日頃から自宅と職場間10キロをウォーキングして体型や体調などの健康維持に励んでいますが、その上で、遠征のおよそ2週間前からはよりタイトな食事制限、筋トレ、体幹トレーニングを加えて仕上げていきます。最終的に平時よりもすこし体が軽くなった状態でいざ遠征へ。
(それ以外にも、24時間のリミットをロスなく活用するべく交通網やアクセスなど入念にリサーチ、遠征前日には綿密なイメージトレーニングも行います)
遠征中はとにかく忙しないもの。朝、始発で出発し、早朝から深夜までバスや電車を乗り継ぎ移動。その間はつねに駆け足。分刻みのスケジュールで中長距離を移動しては合間にハンバーガーに食らいつく。
必然的に体力が必要になります。体力がないと、ハンバーガーを食べ続けられなくなってくる上に、時間が経過するほど身体にも疲労が感じられるため消化も燃焼もできなくなりますから。体力と、筋肉量をつける遠征前のトレーニングがここで大きく影響してきます。
遠征から戻った後にはファスティング(断食)を。ここまで徹底的に体重を管理する理由は、ハンバーガー女子として人前に出ることで「年間500も600もハンバーガーを食べていれば当たり前に太るものだろう」とネガティブキャンペーンになることを避けたいからにほかありません。
私がハンバーガーを食べ続けても太らないと証明できれば、健康や体型維持を意識する女性たちから嫌厭されることもなくなるはずです。ライフスタイルや健康に配慮しながら美味しく食べられると知っていただくことが「ハンバーガー女子」として活動する大きな理由でもあります。
実際、最近はさまざまな志向に合わせたハンバーガーが増えています。バンズを低糖質なものやレタスに変えて低カロリーにするアレンジや、完全食とされるベースブレッドに変更して必要な栄養素を補えるほか、肉で野菜を挟むスタイルのハンバーガーも考案されました。
ともすると「ハンバーガーが太る」という概念はいまや時代遅れかもしれません。脂身のない100%ビーフのステーキ肉を挟んだそれは、本当にジャンクフードなのでしょうか?
ライフスタイルの数だけ、それに応えるハンバーガーがある。それが現代日本のハンバーガー事情なのです。
ハンバーガーを解剖する? エリさん流の食べ方
ハンバーガーの食べ方についていろいろと言われていますが、食べ手にとって食べやすいように食べるのがよいかと思います。
私自身も、少しずつ食べやすいところから食べて口内調理しています。それはパーツそれぞれのコンディションを知るため。ハンドチョップなど手切りのお肉は肉質や食肉加工の細かさ、ソースの微妙な風味の違い、作り手の個性や新たなアレンジなどを細分化して、発見し、自分の記憶に留めておきたいのです。
それは自分の好みかどうかは関係なく頑張っている人を応援したいから。お店の方の努力や工夫や意図に気付いて、その想いを受け取りたいと思うのです。
ささやかなマイナーチェンジだったとしても、そこに行き着くまでの試行錯誤は地道で、果てしなかったはずです。積み重ねの上にたどり着いた今の最高傑作への道筋を私は全力で受け止めたいのです。
それがもし作り手の励みになるようでしたら本当に嬉しいことです。そうしてさらに美味しいハンバーガーが生まれ、さらにたくさんの人に愛されるようになる。そうして生まれる循環こそ、私にとっての最大の幸福です。
ハンバーガーは全世界の共通言語
「こんにちは」の一言を異国の言葉で伝えることができなくて、「ハンバーガー」という言葉ならば世界中どこでも理解していただける。そんな気さえするのは、宗教や人種や国境を越えて、ハンバーガーは最も世界中で愛されている食べ物だからではないでしょうか。
みんなから愛されるハンバーガーは、当然のように私の生活のなかにもとけこんでいます。まるで家族のように。死ぬまできれない縁で結ばれた家族を応援するのは当然のこと。
だから私はハンバーガーの成功を応援します。サポーターとして、私自身の人生をかけて。
ハンバーガーのおいしさをシェアしよう
好きなものを飾ったり、写真に残したり、アルバムにしたり。あなたの「好き」をかたちにするアイデアをご紹介します。
お店でハンバーガーをおしゃれに撮る
運ばれてきたハンバーガーをおいしくいただくためにも、スピードは大切。カフェでの写真の撮り方を参考に、雰囲気のあるおしゃれなハンバーガーフォトにチャレンジしてみてくださいね。
手作りアイテムでハンバーガーをもっと特別に
手作りでも、そうじゃなくても。プリンターがあれば簡単に作れる自作のペーパーアイテムで、何でもピクニックアイテムに変身!お店で買ったハンバーガーにピックを立てるだけで、ぐっとワクワクしませんか?
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