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瀧本 幹也「FLAME / SURFACE」

本展は、写真家 瀧本 幹也氏による写真展です。
広告写真や映画など幅広い分野で独自の映像世界を作り出す瀧本氏が、『LAND SPACE』『GRAIN OF LIGHT』に続く新作として撮影した写真作品や映像作品を展示します。これらは、火山ガスが地表面で発光する現象をとらえた『FLAME』と、地球に存在する水である波をとらえた『SURFACE』から成る作品群です。
写真作品は、キヤノンのデジタルカメラ「EOS 5Ds R」で撮りおろし、キヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし、約30点の作品を展示します。また、映像作品は、デジタルシネマカメラ「EOS C300」で撮影した作品をキヤノンのプロジェクター「POWER PROJECTOR」で投影します。

会期 会場
2017年10月12日~2017年11月27日 キヤノンギャラリー S

作品・展示風景

作家メッセージ

2011年に発表した『LAND SPACE』は、生命が誕生する遙か以前に地球の大地はこうだったのかもしれないという「LAND」と、人類最先端文明の象徴として宇宙開発を捉えた「SPACE」という、ふたつの相対するシリーズからなる。
地球内部からのエネルギーの捌け口である火山の噴火口や原初の惑星の姿。対しては人工的に宇宙空間へ脱出を試みる際引き留めの力にあらがう噴射口、突入の際は抵抗する高温の力から守る耐熱パネル。それら両者の痕跡が偶然にも神秘的な相似形であることに気づいた。
その後の『GRAIN OF LIGHT』では地球表面を覆い包み込む海。堪えず揺らめく悠久な時間を夢見ることとなった。

今回の『FLAME / SURFACE』はその延長線上にあり発展形である。「FLAME」は天文的エネルギーの火山ガスが、赤道直下の地球内部から時間をかけ上昇してきて、地表面で着火し蒼く怪しげに発光する現象を捉えたものだ。その様子は遠く彼方の星雲にも見てとれた。「SURFACE」は惑星に存在する「水」という物質の現象として捉えてみた。視点を仮に地球の外に置き換え観察したら、先入観なしにどう見えるのだろうか。そう考えていくと海の写真の天地を限定することすら愚問に思えてきた。
地球の営みが繰り返される。そのリズムに合わせシャッターを切るうちに、喩えようもなくとても永い宇宙的な時間感覚を味わった。

作家プロフィール

瀧本 幹也(たきもと みきや)

写真家/1974年愛知県生まれ。94年より藤井保氏に師事。98年に写真家として独立し、瀧本幹也写真事務所を設立。広告写真をはじめ、グラフィック、エディトリアルワーク、自身の作品制作活動、コマーシャルフィルム、映画など幅広い分野の撮影を手がける。おもな作品集に『LAND SPACE』(13)『SIGHTSEEING』(07)『BAUHAUS DESSAU ∴ MIKIYA TAKIMOTO』(05)などがある。また13年からは映画の撮影にも取り組む。自身初となる『そして父になる』(是枝裕和監督作品)では第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞を受賞。15年『海街diary』で第39回日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞。17年『三度目の殺人』第74回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出された。東京ADC賞、ニューヨーク ADC賞 GOLD、カンヌライオンズ国際広告祭 GOLD、ACC グランプリ、日経広告賞グランプリ、ニューヨーク CLIO AWARDS GOLD、ロンドン D&AD YELLOW PENCILなど、国内外での受賞歴多数。

著作権について

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