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広川 泰士「BABEL Ordinary landscapes」

本展は、写真家、広川泰士氏による写真展です。「BABEL Ordinary landscapes」のタイトルのもと、有史以来、創造と破壊を繰り返してきた人類の営みと自然の関係を、現代の「ごく普通の風景」としてとらえた作品27点を展示します。
社会の動脈として新しく建設される道路や橋、老朽化や時代の流れの中で不要になり取り壊されるビル、地震や風雨など自然の力で破壊された家などを写した作品は、圧倒的な存在感を放ち不変の存在として屹立する"建造物"に生まれながらに内在する脆弱性を想起させます。
作品は、すべてキヤノンの大判プリンターimagePROGRAFでプリントし展示します。また、キヤノンのプロジェクターを使用した作品のスライドショーも行います。

会期 会場
2015年2月13日~2015年3月24日 キヤノンギャラリー S

作品・展示風景

作家メッセージ

人は有史以来、創造し、自ら破壊し、また自然によって破壊される事を繰り返し生きて来ました。そんな現代の見慣れた営みの「ごく普通の風景」を展示します。200万年前ヒト属に属する猿人ホモ・ハビリスが石器を使い始め、石の道具が人工の歯、牙、角として機能する事により格段の破壊、殺傷力を得る事になり、さらに原人ホモ・エレクトスが50万年前の氷河期に火を手に入れ、人類は急速に他の動物達に差をつけ発達しました、以来近代の産業革命により機械を手に急加速で発展して来た事は言うまでもない事実です。しかし地球環境の大きな流れの内で見た時、もしや人類はいつの間にか道に迷ってしまったのではないかと思う事があります。

地球の歴史を1年の出来事に換算した「地球カレンダー」によると、46億年前に太陽系が形成され、原始地球が誕生した頃を1月1日、1億8千600万年生息していた恐竜の登場が12月13日、20万年前の新人類ホモ・サピエンス誕生が12月31日23時37分、地球の新参者はどの位「創造し、破壊し、破壊される」ことを繰り返すのでしょうか。手に負えないもの迄手にして急いで何処へ向かおうとしているのでしょうか。「地球カレンダー」の続きには翌年1月1日10時0分30秒(数千年後)環境破壊と氷河期の到来により人類滅亡とありますが、果たして。未来は創る事が出来ると私は信じています。 ※ 人類の歴史には諸説あり、猿人から進化していない説もある事を、念のため記しておきます。

作家プロフィール

広川 泰士(ひろかわ たいし)

1950年神奈川県生まれ。広告写真、TVコマーシャルなどで活躍する一方、ザルツブルグ、パリ、ミラノ、アムステルダム、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ヒューストン、シドニー、東京他、世界各都市での個展、美術展への招待出展多数。講談社出版文化賞、ニューヨークADC賞、文部科学大臣賞、経済産業大臣賞、日本写真協会賞、日本映画テレビ技術協会撮影技術賞、A.C.C.ゴールド賞、A.C.C.ベスト撮影賞、他受賞。プリンストン大学美術館、ロサンゼルスカウンティ美術館、サンフランシスコ近代美術館、フランス国立図書館、ミュンヘンレンバッハハウス美術館、神戸ファッション美術館、東京都写真美術館、他に作品がコレクションされている。現在東京工芸大学芸術学部写真学科教授。

著作権について

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