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中村 征夫「Magic of the blue ~深遠なる海への旅路~」キヤノンギャラリー S 10周年記念展 第2部

「キヤノンギャラリー S 10周年記念展」の第2部、中村征夫氏の写真展。
陸上で暮らす人間にとって、未知なる領域である海の世界。中村氏は、その深遠なる海の世界に生きるさまざまな生物たちとの出会いを通じ、海の美しさや不思議さ、命の尊さを追い続けてきた。本展では、そうして中村氏が海の中で出合った、想像を絶する神秘的な光景や、海の生物たちが織り成す美しいドラマをとらえた作品の中から、新作を中心に約80点を展示。

会期 会場
2013年7月4日~2013年8月3日 キヤノンギャラリー S

作品・展示風景

作家メッセージ

この地球上のおよそ7割を占める海。その海を、私たち人間が解明できたのは5%ほどにすぎず、海やそこに暮らす生きものについてはほとんど知られていないのが現状です。それほど謎を秘めた海に潜り続ける中で、私は、さまざまな出会いを通じて多くのことを学んできました。
海の中に広がる美しく雄大な眺め。
何十億年という時をかけて進化してきた海中生物たちが見せる、生きるための英知。そして、人がいくら文明を駆使しようとしても、決してすべてを明かさない未知なる世界。

今回の写真展『Magic of the blue~ 深遠なる海への旅路~』 での撮影中にも、初めて目にする風景や生きものたちの不思議な生態を目にしました。
自然がつくり出した想像を絶する光景、魚たちが見せる愛らしい表情、モノクロで描き出す神秘の世界、厳しい海に生きるものたちの生命の輝き、それらすべて、海が私に与えてくれた奇跡の瞬間です。
海の中に広がる世界は、誰でも近づける場所ではありません。私は、その中で写真を撮ることに歓びを感じながら、そこで繰り広げられるドラマを探し続けます。

作家プロフィール

中村 征夫(なかむら いくお)

1945年秋田県昭和町(現・潟上市)生まれ。19歳のとき神奈川県真鶴岬で水中写真を撮るダイバーに出会い、独学で水中写真をはじめ、31歳でフリーランスとなる。1977年東京湾にはじめて潜り、ヘドロの海で逞しく生きる生きものに感動、以降ライフワークとして取り組む。沖縄の開発によるサンゴ礁の滅亡や白化問題、諫早湾の干拓はじめ、海の環境問題に対して映像と文章で訴え、報道番組で生中継を担当するなど、「海の報道写真家」として活躍。出版物、テレビ、ラジオ、講演会とさまざまなメディアを通して海の魅力、海をめぐる人々の営みを伝えている。
1988年木村伊兵衛写真賞、2007年土門拳賞ほか受賞多数。2006年個展「海中2万7000時間の旅」(東京都写真美術館)、2008年「命めぐる海 都会の海から聖地の海へ」(日本橋・三越本店)を開催、全国に巡回する。2009年秋田県潟上市にフォトギャラリーブルーホールを開設。

著作権について

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