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添畑 薫「セーリング ワールド」

30年以上にわたり、ヨットレースを撮影し続ける海洋写真家・ビデオ映像作家である添畑薫氏。
本展では、同氏が国際ヨットレースの最高峰である「アメリカズ・カップ」の公式フォトグラファーとして記録した作品約70点を展示。世界のトップ選手たちが繰り広げる激しいレース風景、緊張した選手達の表情。それら添畑氏がとらえた作品には、ヨットレースが持つ独特の醍醐味と、選手たちがレースにかける熱い情熱が写し出されている。

会期 会場
2010年8月11日~2010年9月18日 キヤノンギャラリー S

作品・展示風景

作家メッセージ

一枚の写真が、どんな言葉よりも多くのことを語れると信じている。ヨットレースの盛んな欧米に憧れをもったのは1975年の頃、その後、30歳でフリーになり独立すると、すぐにアメリカに飛び『建国200年の帆船レース』を夢中で取材した。それを機に世界中のヨットレースを追いかけていった。そして遂に、至高のヨットレース『アメリカズ・カップ』と出会う。やがて、初めて日本が挑戦した『ニッポンチャレンジ』の3回の参戦には一員として、どっぷりアメリカズ・カップに浸った20年余りだった。その間アメリカズ・カップ本体の公式カメラマンも務めた。

私がヨットレースにこだわるのはその独特の世界観である。アメリカズ・カップにはその粋たるものがぎっしり詰まっている。セイラーだけでなくカメラマンもトップクラスの面々が、世界中から集まってきた。その中で鎬を削りあうのは、何とも云えない緊張感があった。

見渡せばカメラはすべて日本製、フィルムも既に日本製品が席巻していたのだった。ここは日本人のカメラマンとして「負けられないぞ」という気持ちに突き動かされた。まさにこのとき「写真なら多くの言葉や文字でなくとも、強い想いを伝えられる、世界と互角に戦える」と実感したのだった。

今ある自分を形成してくれた基は、若い頃、撮影助手として、多くの著名な写真家の助手につく機会で得たさまざまな経験であり自信である。これは写真家として大きな財産であり、前へ進むエネルギーにもなっているのだ。ここ数年は動く映像にも意欲的に取り組んでいる。新しい映像の見せ方にも大いに挑戦していきたいと思っている。

作家プロフィール

添畑 薫(そえはた かおる)

海洋写真家&ビデオ映像作家
1948年 神奈川県生まれ。30年以上に亘って『アメリカズ・カップ』をはじめとする世界のビッグヨットレースや海洋シーンを撮り続けている。今現在も尚、世界中のヨットレースから公式カメラマンとしての招聘を受けている。ここ15年余ビデオ作品も数多く手掛け、水中から空まで、写真も動画もオールマイティにこなす、国際的海洋カメラマンである。1990年よリニュージーランドの魅力にひかれ拠点を置くことが多かったが、近年、世界的にも注目を浴びている瀬戸内海に惚れ込み、世界中から海洋ジャーナリストなどを受け入れ、積極的に案内している。今年から5年計画で、ボートを回航しながら、瀬戸内海をテーマにした作品集を制作中。ライフワークの一つとしている。

主な著作物

「ヨットレーシング」
「レーシング IN THE ウィンド OF パラダイス」
「セーラーオンザSEA」
「ニッポンチャレンジ アメリカズカップ'92 」
「国際版アメリカズカップ公式記録集 日本語版」
「国際版アメリカズカップ公式記録集 英語版」
「ラッセル・クーツが見た紀州・瀬戸の海」共著
他多数

所属

フォトウエーブ所属
日本写真家協会(JPS)会員
世界ヨットジヤーナリスト協会(SINS)日本支部会長

著作権について

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