長倉 洋海『キヤノンフォトコレクション展「シルクロード - 人間の貌」』
アフガニスタンやエル・サルバドルなど、世界の紛争地を中心に精力的に撮影を続けている長倉洋海氏。
本展では、2004年より約5年間、シルクロードの国々11カ国、のべ6万キロ以上にもわたる取材で出会った人々の様子を記録した作品50点を展示。時には厳しく、そして豊かな自然の中で生活し、生き生きとした表情を見せる人々。それらの長倉氏の作品は、見る者に、清々しさや懐かしさ、そして人間に対する素朴な信頼感を呼び起こさせる。
会期 | 会場 |
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2009年11月2日~2009年12月19日 | キヤノンギャラリー S |
作品・展示風景
作家メッセージ
出会ったさまざまな光景と、そこに生きる人々の姿に心がざわめいた。
自分の中に同じシルクロードの血を感じた。
シルクロードには昔から変わらぬ人の生活の有り様があった。
子どもたちの瞳に、時代を超えて受け継がれてきたものが映っていた。
国境を越えて吹き抜ける風があった。
それは古(いにしえ)の人が感じた風、私のカメラに写った風だ。
作家プロフィール
長倉 洋海(ながくら ひろみ)
1973年 北海道釧路市生まれ。
以降 大学生時代は探検部に所属し、手製イカダによる日本海漂流やアフガン遊牧民調査行をする。通信社勤務を経て、1980年よりフリーの写真家となる。
以降、世界の紛争地を精力的に取材。中でもアフガニスタン抵抗運動の指導者マスードやエル・サルバドルの難民キャンプの少女へスースを長いスパンで取材し続ける。
戦争の表層ではなく、そこに生きる人間そのものを捉えようとするカメラ・アイは写真集「マスード 愛しの大地アフガン」「獅子よ瞑れ」「サルバドル 救世主の国」「ヘスースとフランシスコ エル・サルバドル内戦を生き抜いて」などに結実し、第12回土門拳賞、日本写真協会年度賞、さがみはら写真賞、講談社出版文化賞などを受賞した。
2006年には、フランス・ペルピニャンの国際フォト・ジャーナリズム祭に日本人初の写真家として招かれ、「マスード敗れざる魂」を開催、大きな反響を呼んだ。
シルクロードは2004年から撮影を開始。足掛け五年の取材で走破した距離は六万キロ、訪れた国は11ケ国に及んだ。その成果は「人間交路-シルクロード」「子どもたちのシルクロード」(いずれも毎日新聞社)にまとめられた。最新作には写真家30周年を記念した写真集「地を駆ける」(平凡社)
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