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榎並 悦子「おわら風の盆 - 宙(そら)ヲ舞う 風の旋律 -」

五穀豊穣を願うための行事として、300年もの間受け継がれてきた「おわら風の盆」。
本展は、長年にわたってこの行事を取材してきた榎並悦子氏の作品約80点を展示。数千ものぼんぼりが立ち並ぶ坂の町を舞台に繰り広げられる、編み笠を被った男女の踊りと悲しげな調べを奏でる唄やお囃子。石灯籠をイメージした行灯を配置し、夜の街角を再現したギャラリーで、榎並氏が切り撮る「おわら風の盆」の世界が堪能できる。

会期 会場
2007年8月23日~2007年9月25日 キヤノンギャラリー S

作品・展示風景

作家メッセージ

毎年9月1日から3日にかけて越中八尾町(富山県)で行われる「おわら風の盆」は、叙情あふれる踊りと独特の哀調を帯びたおわら節で昔も今も多くの人々を魅了し続けています。
立春から数えて二百十日にあたる日は昔から台風の厄日とされてきました。おわら風の盆はこの時期に風災害が起こらないように祈り、五穀豊穣を願うための行事として300年ものあいだ受け継がれてきました。

山あいの小さな町並みに数千のぼんぼりが立ち並び、坂の町を舞台に、目深に編み笠を被った男女の踊りと三味線、胡弓、太鼓の音色に合わせた唄や囃しが繰り拡げられます。
八尾町の雰囲気を味わっていただけるよう展示にも趣向を凝らしました。榎並悦子が写真で奏でる「おわら風の盆」の世界をお楽しみいただければ幸いです。

作家プロフィール

榎並 悦子(えなみ えつこ)

京都市生まれ。学生の頃より写真家・岩宮武二、髙田誠三両氏に師事。
大学卒業後、岩宮武二写真事務所を経てフリーに。国内外を問わず旅することが大好きで「一期一会」の出会いを大切に、人物や自然、風習、高齢化問題など幅広いフィールドをしなやかな視線でとらえ続けている。写真展に盲老人ホームの日常をとらえた「都わすれ」や東京の下町を撮った「裏から廻って三軒目」、高齢化率日本一の町を取材した「日本一の長寿郷」、パリの街角をモノクロでとらえた「Paris-刻の面影-」など多数開催。アメリカに暮らす小人症の人々を取材した写真集「Little People」で第37回講談社出版文化賞受賞。(社)日本写真家協会会員、(社)日本写真協会会員。

著作権について

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