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竹内 敏信『デジスケープ 「日本列島」』

デジタルカメラの登場とともに、風景写真にデジタル表現をいち早く取り入れた竹内敏信氏。
本展では、日本の四季をテーマに、デジタルカメラで撮影した作品「デジスケープ」約120点を展示。春の精彩に富んだ桜花、夏の透き通るような清流、秋の情緒的な紅葉、冬のきめ細やかな白雪など、季節の移ろいとともに表情や色彩を変える自然風景。デジタル独特のシャープな描写で写したそれらの作品から、竹内氏の新たな表現が垣間見える。

会期 会場
2007年1月5日~2007年2月19日 キヤノンギャラリー S

作品・展示風景

作家メッセージ

21世紀を迎えて早くも6年が経過しました。新世紀に生まれた新しい映像表現=デジタル表現は、限りない可能性を内包しながら発展しています。このデジタル表現を、私の作品の場合「デジスケープ」と命名しました。新年度のキヤノンギャラリー S で、デジタルで撮った日本列島の風景を観て頂きたく思います。
デジタルと銀塩。それぞれの特色を生かして、これからの映像表現に限りない可能性を追求していく。これは私達現代に生きる写真家に託された課題でしょう。
今回の写真展では、キヤノンの高画質カメラで大型カメラ並みの高い画質を追求します。細やかな日本列島の四季を「デジタル」で捉えたら、どう感じてもらえるか。デジタル独特のシャープでクリエイティブな表現を追求し、

コントラストを少々高めてプリント、銀塩とは異なった日本列島の自然の姿を表したいと考えています。
例えば、春の桜。ロングの風景でも、花びらの一輪一輪が確認でき、しかも桜の全体像に立体感と存在感をも持たせることが可能です。初夏の水や滝の透明感をより際立たせて、水の国のイメージを固める。秋の紅葉風景も、個々の彩りの鮮やかさをより鮮明に引き出していく。冬の氷と雪の質感描写を生かして水が変容していった様を見せ、寒気の風景を創出していく。
私が今までの写真家生活で得た経験、体験を生かし捉えた日本列島の風景をより新鮮な映像表現で試みたのが今回の写真展です。どうぞご覧ください。

作家プロフィール

竹内 敏信(たけうち としのぶ)

1943年、愛知県生まれ。名城大学理工学部卒業後、愛知県庁に入庁。27歳でフリーになり、ルポルタージュを中心に活動。1978年(35歳)頃、風景写真の分野に進出。日本だけではなく海外の風景にも果敢に挑戦し続け、その結果数々の個展を開催するとともに、雑誌、PR誌などにも作品を発表。数多くの写真コンテストの審査委員を務め、講演会や撮影会の指導などを通じてアマチュアカメラマンの指導にも熱心である。
著書に『花祭』(誠文堂新光社 1983年)、『天地聲聞』(出版芸術社 1995年)、『天地風韻』(日本芸術出版社 1998年)、『天地』(出版芸術社 2003年)、『一本櫻百本』(出版芸術社 2006年)など多数。
現在、社団法人日本写真家協会副会長、日本写真芸術専門学校副校長、東京工芸大学講師、現代写真研究所講師を兼務する。

著作権について

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