このページの本文へ

田中 光常「動物たち」

半世紀以上にわたって、世界中のさまざまな動物の姿をカメラに収めてきた田中光常氏。
本展では、膨大に撮りためた作品の中から、ベンガル虎やアフリカ象など、自然の中で暮らす動物をありのままに写した「野生の動物」、動物の親仔が見せる情感やしぐさをとらえた「動物の親仔」、身近な動物たちの表情にフォーカスした「可愛いペット」など、約170点を展示。どの作品にも、田中氏が動物たちと交わした心の交流が写り込んでいる。

会期

会場

2006年3月2日~2006年4月4日 キヤノンギャラリー S

作品・展示風景

作家メッセージ

幼い頃、わが家の隣の神社で夜な夜な飛び交うムササビの叫び声の恐ろしさに、けものを忌み嫌っていた私が、動物写真を撮りはじめて約六〇年、北極圏から南極まで約五五カ国以上、野に、山に、海へと歩き回り、楽しく元気に過してこられたことに先ず感謝したいと思います。暑さ、寒さの厳しさや辛さ、困難も少しはありましたけれど、動物たちとの数々の出会いの楽しさは計り知れないものがありました。
潜んでいた私のあぐらの上をうっかり歩き、はっと気付いてあわてて逃げた時のアナグマの滑稽な姿や、真夜中の山中のお寺で、灯篭の陰で待機していた私と鉢合わせしてお互い驚いた時のキツネの顔、たまたま通りかかった車道でみつけた

ハリモグラが、慌てて一生懸命に地面を掘って逃げようとしたのに、地面が固くて掘るのを諦め私の顔をそっと覗き見た時の顔等々、野生にしろ、動物園、ペットなど動物たちは皆、それぞれ私に気持ちを話しかけてくれました。
そんな動物たちとのコミュニケーションを皆さまにお伝えできればと存じます。動物たちにいやされた喜びのお返しに、優しい気持ちで動物たちに応えて頂けたら幸いに思います。

作家プロフィール

田中 光常(たなか こうじょう)

1924年
静岡県生まれ
1944年
北海道大学水産学部卒業
1953年
フリーランスカメラマンとして活動を開始
1958年
動物写真家として活動を開始

現在 (財)世界自然保護基金(WWF)日本委員会評議委員、(財)自然公園財団理事、
日本写真家協会名誉会員、日本旅行作家協会顧問理事、エコツーリズム協会理事、
日本パンダ保護協会会長、日本サバンナクラブ会長(東アフリカ友の会)

主な受賞

1964年
日本写真協会新人奨励賞、日本写真批評家協会特別賞受賞
1971年
日本写真協会年度賞受賞
1989年
紫綬褒章受章
1995年
日本写真協会功労賞受賞
2000年
勲四等旭日小綬章受章

写真集・著書

「動物カメラ絵本」/フレーベルー 世界15カ国600万冊、
「日本野生動物記」「世界野生動物記」(全5巻)/朝日新聞社、
「野生の世界」/ぎょうせい、「狼-シベリアの牙王」/潮出版、
「愛しの動物たち」/日本芸術出版社、「動物ランド」「動物ワールド」/クレオ、
「世界どうぶつ家族」(全10巻)/ 岩崎書店、「夢見る動物たち」/講談社、
「失敗、しっぱい、また失敗」山と渓谷社、「ペアパンダ」/小学館、
「世界の野生動物」(全18巻)/小峰書店など 約150冊

CD-ROM

「動物への愛限りなく」/ イメージライブラリー、
「マルチメディア哺乳類図鑑」「哺乳類」/ アスキー、
「楽園讃歌」/ メディアファイブ

作品収蔵先

東京都写真美術館、静岡県庵原郡蒲原町立図書館、神奈川県川崎市市民ミュージアム
高知県佐川町立図書館、北海道東川町文化ギャラリー

著作権について

当写真展関連ページに掲載されている写真の著作権は作者に帰属します。
これらのコンテンツについて、権利者の許可なく複製、転用などする事は法律で禁止されています。

写真展の情報・作家メッセージなどは、開催当時の内容を記載しております。予めご了承ください。