POINT
- 料理写真を効果的に使い、一目で選びやすいメニュー・POPを制作。
- ラミネート加工で、メニューの耐久性と料理写真の見栄えをアップ。
- 手書き原稿をスキャンプリントし、お店らしい温もりのある印刷物に。
おいしい食事を囲んで笑い合う時間。季節の花に心が和らぐ瞬間。そんなひとときは、何気ない毎日を少し豊かにしてくれるものです。花屋レストラン「チャビーチキン/はなつみ」の店長・林宏美さんは、一人ひとりの日常に笑顔になれる時間を届けたいと考えています。料理人として、フローリストとして、その想いを形にする日々を伺いました。
花も料理も、笑顔を届ける仕事だった
ーーお仕事について教えていただけますか?
ひとつの空間にレストラン「チャビーチキン」とフラワーショップ「はなつみ」が併設された、花屋レストランを営んでいます。仕事内容は、調理・接客から、花の仕入れやお手入れ、アレンジメント、販売まですべてを行っています。ご注文や混雑具合にあわせて、厨房とフラワーコーナーを行ったり来たりしながら一日じゅうパタパタと過ごしています。
ーーどういった経緯で花屋レストランを始められたのですか?
きっかけはコロナ禍でした。もともとはブライダル装花の仕事をしていて、結婚式という“特別な一日”を花で彩ることに大きなやりがいを感じていました。でも、コロナ禍で結婚式が激減してしまって……。「もう幸せな笑顔を届けられないかもしれない」と、先の見えない不安を抱えていたんです。そんな時に声をかけてくれたのが、このお店のオーナーでした。以前から「一緒に仕事をしないか」と誘ってくださっていたのですが、その時まではお断りをしていたんです。でも、「花屋をやればいいよ。お互いやりたいことを一緒にやろう」と言ってくれて。その言葉に背中を押されて、このお店を始めることになりました。
ーー最初から厨房にも立たれていたのですか?
いえいえ。当初はオーナーがレストラン、私が花屋を担当していました。オープンから3年が過ぎた頃、オーナーが別のお店に専念することになって。それで飲食の経験がない私が、料理も担当することになったんです。
最初はもちろん戸惑いました。「あれ、私はお花担当だったはずだよね?」と(笑)。でも厨房に立ち、試行錯誤を重ねるうちに飲食の仕事もどんどん楽しくなっていったんです。「お花の仕事と一緒だ!」って。素材を選び、自分の手でより良い形にして、お客様に笑顔を届ける。根っこの部分はどちらも同じ仕事なんですよね。だから今は、忙しいけれど、とても充実しています。
特別な一日は、みんなの毎日の中にある
ーー花屋×レストランへのお客様の反応はいかがですか?
オープンから5年経った今でも、「レストランだと思ったら花屋だった!」「花屋だと思ったらレストランだった!」と驚かれることがあります(笑)。でも、その意外性がきっかけになって、お花に興味を持ってくださる方も多いんですよね。特に花屋は入りづらいと感じる男性でも、食事のついでに自然と花を見てくださったり、そのまま買って帰ってくださったり。花と食が一緒にあることで、新しい出会いが生まれていると感じています。
ーー花屋レストランを始めて、以前とはなにか変わりました?
ブライダル装花をしていた頃は「その日がお客様の人生の特別な一日」でしたが、今は「二度と同じ日はないから、毎日がその人にとっての特別な一日」。そう考えるようになりました。お店に来てくださるお客様も、一緒に働くスタッフも、みんなそれぞれの大切な一日を過ごしているんですよね。だから、おいしい食事を楽しんだり、花や緑にふれてほっとしたり。そんな時間を過ごしていただけたらうれしいですね。毎日を少しでも豊かにできる場所でありたい、そう思っています。
届けたい気持ちがあるから、自分で作る
ーーメニューやPOPなどがお店に彩りを添えていますね。
全体メニューや季節の限定メニュー、POP、花屋のメッセージカードなど色々ありますが、すべて自分たちで作っています。大切にしているのは、やはり「わかりやすさ」ですね。書体選びやデザインのメリハリの工夫はもちろん、料理の写真もたくさん入れて、一目で伝わるようにしています。どんなお料理かわかればお客様が選びやすくなりますし、海外からのお客様も指を差すだけでオーダーOKですからね。
印刷した後は、仕上げにラミネート加工をしています。メニューの耐久性が上がることに加えて、ラミネートすると色がより濃く鮮やかになり、料理の写真がおいしく見えるところもお気に入りです。
ーー手書き文字がプリントされたものもたくさんありますね。
はい、POP類は紙に手書きした原稿をスキャンしてプリントをすることが多いです。紙とペンがあればいつでもパッと作れますから、テーブルに置く季節のメニューなどにぴったり。自分の字に自信はないんですけどね。でも、書いていると自然と気持ちが入るんですよね。お客様も手書きのメニューに目が留まるのか、手に取っていただきやすいように感じています。
ーーやっぱり手書きには、手書きならではの良さがあるんですね。
そうかもしれませんね。お花に添えるメッセージカードもプリントして作るのですが、手書きじゃないと嫌だというお客様もいらっしゃるので、手書きしてスキャンプリントすることも多いです。たまに誤字脱字をしてしまうんですけど(笑)。みんなで笑ったりするのも、ちょっと楽しい時間だったりします。
笑顔になれる時間を、もっと多くの人に
ーーお仕事をしていてうれしい瞬間ってどんな時ですか?
お客様の言葉や様子からお店を気に入ってくださっていることが伝わった時ですね。わざわざ他県から毎週来てくださるご夫婦、料理に感動してレシピまで聞いてくださるお客様、「ママがこのお店のお花を好きだから!」とお母様へのプレゼントを一人で買いにみえた小さなお子さん……。そんな数え切れないうれしい瞬間に支えてもらっているなといつも思っています。「毎日はこんなにもたくさんの喜びであふれているんだ」って、そう気づけるようになったことが、このお店を始めて私自身が一番変わった部分かもしれません。
ーーこれからの目標はありますか?
少しでも多くのお客様に、笑顔になれる時間を届けられるお店でありたいです。コーヒーをひと口飲んでホッとする、季節の花に心が和らぐ、そんな何気ない時間がお客様にとっての大切な一日につながっていったらうれしいです。
それに、もっともっとこのお店を知っていただきたいという想いもありますね。今でも「花屋さんだったんですね」「レストランだったんですね」と驚かれることが多いので、どちらかをきっかけに気軽に足を運んでいただけたらうれしいですね。料理を食べるためでも、お花を買うためでも構いません。まずはこの場所に来て、このお店の空気を感じてもらえたら。葉山の心地よさも含めて、「また来たいな」と思っていただける場所であり続けたいと思っています。