信頼性・作画機能 EOS 5D Mark IV
高耐久性
さらなる高剛性、高放熱性を実現する、進化したボディー構造。
上・前・後カバーに加え、新たにボトムカバーをマグネシウム合金製にすることで、高剛性、高放熱性を実現。本体は、アルミ製シャーシと一体成型した高強度エンジニアリングプラスチックで軽量化を図りました。機能や信頼性を高めながらも、EOS 5D Mark IIIから約60gの軽量化を達成。さらに、ミラーボックスも高強度エンジニアリングプラスチック製で、本体同様に高いボディー剛性を実現しています。外装カバーは、新しい高耐久性塗装を施すことで、耐摩耗性を向上。長期間の使用に耐えうるボディーに仕上がっています。
耐久性を高める、防塵・防滴構造。
さらに防塵・防滴性能を高めるため、外装カバーの合わせ部、電池室ふた、カードスロットカバー開閉部、シャッターボタンなどにシーリング部材を組み込んでいます。また、ダイヤル回転軸などシーリング部材を組み込んでいない場所には、部品間の隙間を極力小さくするよう部品を高精度化。これにより不用意に降りかかる砂塵や水滴などのカメラ内部への侵入を抑えています。
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扉部、端子カバーなどの開閉部は防塵・防滴性能を発揮させるためにしっかり閉じてください。
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カメラは防塵・防滴に配慮した構造になっていますが、砂塵や水滴などの侵入を完全に防ぐものではありません。
[防塵・防滴部材を新たに配置]
秒間最高7コマ/秒の連写で、約3040万画素の解像性能を引き出す。新ミラー振動制御システム。
高画素機の解像力を妨げるカメラブレは、ミラーショックが主な原因です。カメラの構造上、避けて通れないこの動作を制御することに成功。それは、モーターによるミラーアップと衝突エネルギー減衰機構を実用化したキヤノンの発想でした。ミラーのアップ/ダウンともに、モーターとカムギアによって駆動と速度制御を行う、独自のミラー振動制御システムです。そしてEOS 5D Mark IVは、約7コマ/秒という激しいミラー駆動でも、振動を制御できる新規の駆動系を開発。コマ速アップとミラーショックの低減を両立しました。
15万回の作動テストをクリアした、高耐久シャッターユニット
シャッターユニットは、ロータリーマグネット式の縦走りフォーカルプレーンシャッターを採用。標準的な撮影を想定した自社試験において、15万回の作動テストをクリアしています。
総合的なセンサーダスト対策、EOS Integrated Cleaning System。
画像に写り込んでしまうホコリなどのダストを、総合的な対策で防ぐEOS独自のシステムです。シャッターユニットやボディーキャップは、ダストの発生を抑制する部材に。ローパスフィルターに付着したダストは超音波振動でふるい落として除去します。それでもダストが残った場合、その位置情報を取得し、撮影データに付加。付属ソフトウエア「Digital Photo Professional」で一括消去することが可能です。また、手作業によるクリーニングにも考慮し、ローパスフィルター表面をフッ化マグネシウムコーティングで保護しています。
タイマー撮影機能
刻々と移り変わる光景を、定点撮影するインターバルタイマー。
花の開花や昆虫の羽化、日の出/日の入りなど、時間をかけて変化する被写体の様子を定点撮影できます。設定可能な撮影間隔(1秒~99時間59分59秒)と撮影回数(無制限または1回~99回)が幅広いため、被写体ごとに異なる変化の速度や時間に、柔軟に対応できます。
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インターバルタイマー機能を使用してのライブビュー撮影、動画撮影、バルブ撮影、ミラーアップ撮影はできません。
カメラ単体で長時間露光撮影を行うバルブタイマー機能。
タイマー付きのリモートコントローラーを使わずに、カメラ単体で長時間露光撮影を実現。バルブ撮影時の露光時間を1秒~99時間59分59秒で設定できます。星や車のライトの軌跡、花火などの撮影に有効です。
HDR(ハイダイナミックレンジ)モード
明暗差の大きなシーンも3枚の画像を合成し、広階調な一枚に。
白トビや黒つぶれが気になるシーンで有効な作画機能。露出アンダー/標準/オーバーの3画像を連続で撮影。標準露出に近い部分を合成し、階調が豊かな1枚の画像を生成します。露出の振り幅は「自動」のほか、「±1/±2/±3」から選択可能。仕上がりの効果は[ナチュラル]に加えて、アート感覚の[絵画調標準][グラフィック調][油彩調][ビンテージ調]から選べます。
[高精度なHDRを実現する画像位置自動調整]
カメラブレなどによる微妙な画像のズレをカメラが検知し、自動的に補正。鮮鋭感の高い画像が得られます。
多重露出撮影
複数の画像を重ね合わせて独特の作品をつくり出せる多重露出撮影
2~9枚の画像(任意設定)を重ね合わせ、一枚の作品にする多重露出撮影。撮影モードは[ 機能・操作優先モード][ 連続撮影優先モード ]の2種を搭載。撮影済みの画像からでも重ね合わせを開始できるため※、同じ素材に異なる画像を重ねたい場合や10枚以上の多重露出にも対応できます。
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選択できる画像はEOS 5D Mark IVで撮影したアスペクト比3:2のRAWに限ります(S-RAW/M-RAWとJPEGは選択できません)。
[機能・操作優先モード]
撮影途中にAFモード、ドライブモードなどの撮影機能の切り換えが可能。また多重画像に加え、撮影した全画像を保存することができます。シャッターを切るごとに、または再生操作によっても重ね合わせの結果を液晶モニターで確認可能。撮影中にファインダー撮影とライブビュー撮影を切り換えることもできます。ライブビュー撮影では、液晶モニターで重なり具合を確認しながら、次の1枚を撮影できます。意図しない結果になった場合、画像合成を1枚前の状態に戻して撮影し直すことも可能です。
[連続撮影優先モード※1]
速い動きを高速連続撮影し、その軌跡を1枚の画像で表現できます。スポーツや疾走する動物などの連続的な動きの撮影に有効です。撮影途中のライブビュー映像※2を表示でき、軌跡の写り具合を直感的にイメージすることが可能です。
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※1
「連続撮影優先」モードでは、撮影途中の「メニュー画面の表示」「ライブビュー表示」「撮影直後の画像確認」「画像再生」「撮影のやり直し」「全画像の保存」はできません。
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※2
撮影した画像をほぼリアルタイムで表示します。多重合成した結果ではありません。
[多彩な表現を生み出す、4つの多重露出方式]
撮影シーンや表現意図に合わせ、露出方式を「加算」「加算平均」「比較(明)」「比較(暗)」から選択可能。
- ●加算
- フィルムカメラと同様に、設定した露光量をそのまま加算。画像ごとに露出を変えると、その明るさの変化を多重画像に反映できます。標準露出の画像を加算した場合、重なった部分は露出オーバーとなります。
- ●加算平均
- 多重露出の回数に応じてカメラが自動でマイナス補正。最終的に標準露出になるよう自動調整するため、AEでも手軽に多重露出が可能です。露出を変えて撮影しても、各画像の明るさは重ね合わせる際に平均化されます。
- ●比較(明)
- 画像の明るい部分を重視して重ね合わせるデジタルならではの露出制御方式。背景と被写体の明暗差を利用し、切り抜き合成のような効果を得ることも可能です。明るい画像を優先するため露出オーバーの心配もありません。
- ●比較(暗)
- ベースの画像と重ね合わせる画像を比較して、暗い部分を優先して合成。黒い被写体やシルエットに明るい画像が重ならず、引き締まったシャドーが得られます。
作画機能へダイレクトにアクセス。[クリエイティブフォト]ボタン。
多重露出撮影をはじめ、ハイダイナミックレンジ(HDR)撮影、ピクチャースタイルに、ダイレクトにアクセスできるボタン。再生時は、2画面比較再生機能を表示できます。