奥山 由之 写真展:白い光
公開日:2019年3月7日
最終更新日:2023年10月8日
本展は写真家・映像作家、奥山 由之氏による写真展です。多くの写真集出版や展覧会での作品発表に加え、映像作家としても活躍している奥山氏が、独自の感性でとらえた作品を展示します。 かつてない新たな試みによる展示会場内は「写真を見る」という行為について再認識できる空間構成になっています。 作品は、すべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし展示します。
開催日程 | 会場 |
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2019年3月7日(木)~2019年4月15日(月) | キヤノンギャラリー S(品川)
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トークイベント開催のご案内
ゲストにメディアアーティスト落合 陽一氏を迎え、写真を“視ること”と“見ること”について語ります。
日時 | 2019年4月6日(土)10時30分~11時30分 |
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会場 | キヤノンホール S |
定員 | 100名 |
ゲスト | 落合 陽一(メディアアーティスト) |
申込方法 | 事前申し込み(先着申込順、参加無料) |
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イベントは終了しました。
作家ステートメント
白い光
どこまでも深い海の水面を撫でるようにして、漆黒の闇を進む。
聞こえるのは、波の呼吸と、エンジン音。
夜の茂みに目が慣れるころ、遠くにちらほらと見える、白い光。
そろそろだろうか。揺られ続けて小一時間。
目を凝らして探したあの景色と肌寒さを、よく思い出す。
白い光は、夜明けを待たずして、1隻、また1隻と集まる。
やがて聞こえる演歌の合図と共に、網を投げ入れ、仕事が始まる。
時折視界を晴らすカメラの閃光…。
ふと、目を凝らして認識しようとする行為に、懐かしさを感じた。
僕らはいま、空間のみならず自己を取りまく全ての情報や環境を照らし出し、にも関わらず、受け身の姿勢で、時折現れる「分からない」という感情から目を背けている。やがて加速する周辺視野への散漫とした意識は、局所への注力を緩ませ、深度の浅いカラフルな大地を眼下に広げるのだろう。
未だ視覚や知覚は、“視ること”と“見ること”の境界を認識出来ているだろうか。
詩的に言えば、視えることで見えなくなったものがあるのではないか。
果たして、写真はいま、認識の対象にあるのか。
目を凝らし、光を照らす。
その光の先には、何がある。
作家プロフィール
奥山 由之(おくやま よしゆき)
1991年東京生まれ。2011年「Girl」で第34回写真新世紀優秀賞受賞。
2016年には「BACON ICE CREAM」で第47回講談社出版文化賞写真賞受賞。
著作は他に「As the Call, So the Echo」「君の住む街」「POCARI SWEAT」「Los Angeles / San Francisco」「THE NEW STORY」「march」などがある。
主な個展は、「Girl」Raum1F(12年)「BACON ICE CREAM」パルコミュージアム(16年)、「THE NEW STORY」POST(16年)、「Your Choice Knows Your Right」REDOKURO(17年)、「君の住む街」表参道ヒルズ スペースオー(17年)、「As the Call, So the Echo」Gallery 916(17年)など。
著作権について
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