蜷川 実花写真展「Eternity in a Moment」
本展は、写真家・映画監督 蜷川実花氏の写真展です。キヤノンギャラリーが2023年2月に開設50周年を迎えたことを記念して開催する「キヤノンギャラリー50周年企画展」のオープニングとして、キヤノンギャラリー S (品川)、キヤノンギャラリー銀座、キヤノンギャラリー大阪の3拠点で順次実施します。
拠点ごとに異なるテーマで開催し、銀座では「生物」をテーマに金魚や花の作品を展示します。なお、品川では「花」をテーマとした作品、大阪では「いのちの息づかい」をテーマに都市やそこで暮らす人々の感情などを写し取った作品を展示します。いずれも日常の中に現れる一瞬の美しさを氏独自の視点で切り取っています。
開催日程 | 会場 |
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2023年5月23日(火)~6月3日(土) ※ 来場される際はご来場のお客さまへのお願いをご確認ください。 10時30分~18時30分(日曜・月曜・祝日休館) |
キヤノンギャラリー銀座 |
写真展紹介動画
蜷川実花氏による写真展を紹介する動画です。
ぜひご覧ください。
展示コンセプト
コロナ禍からの再生、混迷の中であっても道を紡ぐこと、2023年はそうした歩みが始まっている。蜷川も、そのような再生の文脈の中で、表現者としての新しい挑戦を行なっている。1人だけではなく、人々と心を重ねて世界を感じ、その先の光を探すこと。響き合う中で現れる感情は全てがポジティブなものばかりではない。悲哀や不安、そういった心の動きとも向き合う中で、世界の中に現れる一瞬の中に、永遠につながるような景色を映しとってきた。本展示は、日常の中に現れ、そして過ぎ去る一瞬にある美しさを、人々とともに発見し、再び歩き出す体験である。
人工的に品種改良されてきた生物には、人々の欲望を満たす手段としての側面がある。特に袋あたりいくらで売られる金魚街や縁日の金魚は、鯉のように個体として認識され大切にされるわけではなく、売られた後のいのちは儚い。蜷川が作品のモチーフにしてきた金魚は、かつては水槽の中に囚われた一部の犠牲者としての側面があった。しかし、コロナ禍を経て、人々は互いを制約する社会というある種の水槽の中で生きていることを実感しただろう。
現代社会の仕組みの中で生きる我々は、少なからず金魚に通じる側面を持つのかもしれない。
テキスト:宮田裕章(本展監修・映像作品プロデューサー/慶應義塾大学教授)
作家プロフィール
蜷川 実花(にながわ みか)
写真家、映画監督
写真を中心として、映画、映像、空間インスタレーションも多く手掛ける。
木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。2010年Rizzoli N.Y.から写真集を出版。
『ヘルタースケルター』(2012)、『Diner ダイナー』(2019)はじめ長編映画を5作、Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』を監督。最新写真集に『花、瞬く光』。
主な個展
「蜷川実花展」台北現代美術館(MOCA Taipei)2016年
「蜷川実花展—虚構と現実の間に—」2018年-2021年(日本の美術館を巡回)
「MIKA NINAGAWA INTO FICTION / REALITY」北京時代美術館2022年
「蜷川実花 瞬く光の庭」東京都庭園美術館2022年
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