Lord K2 写真展「FIGHTING for HOPE～ムエタイの世界へのインサイト～」

ピックアップトラックの荷台にぎゅうぎゅう詰めになって、仲間のファイターを応援するために6時間の移動をする。真夜中の2時、肌寒い屋外で対戦相手について何も知らないまま、土壇場で交代選手として戦うことに同意する。翌日の夜、怪我をしながら文句も言わず戦う。これらすべては、何百回も戦った後にいつか引退できるだけのお金を稼げるというかすかな希望と糧のためだ。

これがタイのファイターの生活だ。私が10年かけてタイの4つの地域すべてで記録してきた生活だ。

ムエタイはタイの国技だ。テレビのある社交的な場所に座れば、ギャンブラーたちが謎めいた手振りを振り回すスタジアムの試合を必ず目にするだろう。一般に「8肢の芸術」と呼ばれ、すね、肘、膝を使った打撃が許されている。このスポーツは残酷であると同時に優雅でもある。西洋のボクシングと比較されることも多いが、創造性が求められるこのスポーツは、古代の伝統に根ざし、仏教の信仰が織り込まれている。

私は完全なアクセス権を与えられ、業界の内部事情を知り、賭け、根性、儀式の世界を深く掘り下げることができた。ファイターたちの日々の生活を記録してきた私は、彼らの謙虚さ、勇気、そして貧困に立ち向かう気楽な態度に感銘を受けた。結局のところ、ムエタイは、このスポーツを支えるギャンブル業界のおかげで、貧困から抜け出す方法と見なされているのだ。