梶原 淳治 写真展「Magical Moment」

リフレクションを効果的に用い、都市と人間の関係性を描写した有野永霧氏の写真集「虚実空間都市」にインスパイアされ、地元大阪、神戸と京都で作品を撮り始めた。

その写真集掲載作品は、1980年前後に大阪、神戸他世界の大都市で撮影されたモノクロスナップ写真であるが、当時の景観に対し現在の大阪や神戸の繁華街には全面アクリルガラス張りの高層建物やカラフルな大型広告物や看板がいたる所にあり、40年の歳月の違いがわかる。

今回の作品は、上記現代都市景観の特徴を意識し、主としてアクリルガラスや広告物への映り込みや影などの虚像と広告物・看板や人物などの実像が重なる一瞬の時空間を切りとることで、日常のありふれた都市空間が非現実的な空間に置き換わり、新たな物語が創造されることを主眼として撮影した。