大竹 英洋 写真展「ALASKA -星野道夫の足跡を辿って-」
公開日:2023年10月20日
最終更新日:2023年10月27日
本展は、写真家・大竹英洋氏による写真展です。
学生時代に故・星野道夫氏のアラスカの写真に出会い、写真家を志すようになった大竹氏。自分にしかできないテーマをと、北米大陸中央北部のノースウッズを撮影のフィールドとして活動してきた氏がアラスカに行くことが決まったのは、撮影を始めてからちょうど20年経ったとき、集大成の写真集を出版したころでした。コーディネーターとして出演した星野氏の作品と生涯をテーマにした自然番組のプロジェクトで2022年に初めてアラスカに渡った氏は、星野氏がかつて出会ったアラスカの人々や、様々な生きものたちを写し撮りました。
大竹氏が写真家になるきっかけとなった星野氏。その足跡を辿る作品29点を展示します。
展示作品は、すべてキヤノンのプリンター「PRO-4000」でプリントし展示します
開催日程 | 会場 |
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2023年10月20日(金)~11月22日(水) ※会期を延長しました 10時~17時30分
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キヤノンオープンギャラリー1(品川) |
関連イベント
①トークイベント
開催日程 | 2023年10月21日(土)13:30~ |
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会場 | キヤノン S タワー3階 キヤノンホール S(住所:東京都港区港南2-16-6) |
内容 | 大竹氏が初めてアラスカを旅した印象や野生動物との出会い、星野氏と親交のあった友人たちとのエピソード、30年間で起きた自然の変化について語ります。 |
申込 | 受付終了 |
定員 | 150名(先着申込順、参加無料) |
②ギャラリートーク:2023年11月15日(水)
開催日程 | 2023年11月15日(水)17:40~ |
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会場 | キヤノン S タワー2階 キヤノンオープンギャラリー1(住所:東京都港区港南2-16-6) |
内容 | 大竹氏が写真展会場にて作品の解説や撮影秘話を語ります。 |
申込 | 受付終了 |
定員 | 20名(先着申込順、参加無料) |
③ギャラリートーク:2023年11月16日(木)
開催日程 | 2023年11月16日(木)17:40~ |
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会場 | キヤノン S タワー2階 キヤノンオープンギャラリー1(住所:東京都港区港南2-16-6) |
内容 | 大竹氏が写真展会場にて作品の解説や撮影秘話を語ります。 |
申込 | 受付終了 |
定員 | 20名(先着申込順、参加無料) |
④ギャラリートーク:2023年11月17日(金)
開催日程 | 2023年11月17日(金)17:40~ |
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会場 | キヤノン S タワー2階 キヤノンオープンギャラリー1(住所:東京都港区港南2-16-6) |
内容 | 大竹氏が写真展会場にて作品の解説や撮影秘話を語ります。 |
申込 | 受付終了 |
定員 | 20名(先着申込順、参加無料) |
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内容が変更になる場合がございます。最新の情報はホームページにてご確認ください。
作家メッセージ
昨年4月末から10月までの約5ヶ月間、初めてアラスカを旅した。この地で長年撮影を続けた写真家、故・星野道夫さんの足跡を辿る旅だった。2022年は星野さんの生誕70年という節目の年。そこに向けて、星野さんの作品と生涯をテーマにした自然番組の制作が進んでいた。そしてぼくは、星野さんに影響を受けて写真家になった人物としてコーディネーター兼出演者という役割を任され、数年前からそのプロジェクトに参加していたのである。
そもそもぼくが星野さんの存在を知ったのは1996年の夏、大学2年の時だった。所属していたワンダーフォーゲル部の部室で、著名な日本人写真家がロシアのカムチャツカ半島でヒグマに襲われて亡くなったという新聞記事を目にしたのだ。どんな人物だったのだろうとすぐに書店に駆けこみ、写真集『アラスカ 極北・生命の地図』を手に取った。その時の衝撃を今も鮮明に覚えている。ページをめくるたびに、遠いアラスカから吹いてくる冷たい風を感じた。野生の息づく世界がこの地球上に確かに存在する。この写真家は、そこに身を置き、これらの光景を自分の目で目撃したのだ。圧倒的な臨場感と説得力…写真の持つ力をはっきりと意識した最初の瞬間だった。その後、自然を伝える仕事をしたいと願うようになった自分にとって、具体的に写真家になるという夢を抱くきっかけとなった。
アラスカへの憧れはあったが、大学卒業後は自分にしかできないテーマを追い求め、北米大陸中央北部の「ノースウッズ」と呼ばれる森と湖の世界を撮影のフィールドに定めた。これが自分の仕事だと胸を張れる写真集を出すまでは、アラスカには足を踏み入れたくないとさえ思っていた。しかし、人生の巡り合わせとは不思議なもので、今回の番組へのオファーを受けたのは、撮影20年の集大成となる写真集を出版するほんの数ヶ月前だったのである。アラスカへ行く準備はできていた。
星野さんが20年かけて旅をしたアラスカを、たった5ヶ月で辿るには限界がある。しかも、コーディネーターを任されたとはいえ、まったく未知の土地。星野さんと生前交流のあった人々にひとつひとつ連絡を取ることから始めると、ミチオのためならと皆が喜んで協力を申し出てくれた。コロナ禍で2年延期になったものの、いざ撮影がスタートすると奇跡ともいうべき出来事の連続だった。短い滞在期間でポイントホープのクジラ漁を記録し、北極圏では伝説の光景とされるカリブー大集結も目撃した。夏の南東アラスカでは星野さんが30年前に撮影したザトウクジラと同じ個体と出会い、秋のツンドラでは燃えるような紅葉のピークに間に合った。さらに、北米最高峰デナリの麓に広がるルース氷河では、激しい吹雪の合間を縫って見事な星空が現れた。
残念ながら生前にお会いする事は叶わなかったが、この旅で出会ったアラスカの大地や友人たちの中に、情熱に満ちた星野さんの確かな気配を感じることができた。星野さんの親友、ブッシュパイロットのドン・ロスが言ってくれた。「ラッキーなんてものは存在しない。全ては目に見えないところで繋がっているんだよ。ミチオもこうなることを知っていたはずだ…」。
星野さんの言葉を借りるなら、その魂は今も「終わりのない旅」を続けている。これらの写真を通してそのことを感じてもらえたら、みなさんと同じ一人の星野道夫ファンとして、とても嬉しく思う。
大竹英洋
作家プロフィール
大竹 英洋(おおたけ ひでひろ)
写真家。1975年、京都府舞鶴市に生まれ、幼少期より東京都世田谷区で育つ。一橋大学社会学部卒業。1999年より北米の湖水地方「ノースウッズ」をフィールドに野生動物、旅、人々の暮らしを撮影。主な写真絵本に『ノースウッズの森で』、『春をさがして カヌーの旅』、『もりはみている』などがある(以上全て福音館書店)。2018年、写真家を目指した経緯とノースウッズへの初めての旅を綴った『そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森 ノースウッズ』(あすなろ書房、文春文庫)で「第7回梅棹忠夫・山と探検文学賞」受賞。「日経ナショナル ジオグラフィック写真賞」ではカラフトフクロウの営巣を捉えた写真で 「第7回ネイチャー部門最優秀賞」、先住民アニシナベのムース狩りを捉えた写真で「第9回ピープル部門最優秀賞」受賞。2021年、撮影20年の集大成となる初の写真集『ノースウッズ 生命を与える大地』(クレヴィス)で「第40回土門拳賞」受賞。2022年、星野道夫の足跡を辿って、初めてアラスカを旅した。
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