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魅惑的なポートレート写真を撮ってみたい!すぐ真似できる4つのエレメント

写真家でありポートレートモデルでもある山中夏歩さんに、手のひらサイズの本格ミラーレスカメラEOS R50を使って、一味違うポートレート写真の撮影方法を教えてもらいました。バリエーション豊かに、より魅力的で、魅惑的に。ポートレート撮影の幅が広がるテクニックをご紹介します。

PROFILE

山中夏歩

写真家・ポートレートモデル・株式会社munimu代表取締役。2014年よりポートレートモデルとして1000名以上のカメラマンと撮影を行ってきた一方で、2015年、所属モデルの宣材写真撮影のために写真を始め、写真家としても活動。2022年、渋谷ヒカリエにて写真展を開催、約3000人を動員した。現在はカメラマンの支援活動にも尽力している。

1.「影」を使って撮影する

EOS R50・RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM・F4.5・1/125秒・ISO3200

ポートレート撮影において、場所を問わず自分でデザインすることができるのが、「影」を使った撮影です。背景が何の変哲もない1枚の壁であっても、モデルの配置を工夫して影を巧みに使うことで、顔や表情をさまざまな雰囲気で見せることができます。

影を取り入れた撮影は、全体イメージだけでなく、モデルの顔に余計な影が入らないように意識することも大切です。余計な影とは、本来目立っていない顔のしわなど、“意図していないもの”を際立たせてしまうような影のこと。例えば、まつ毛の影がアイキャッチを入らなくしてしまうなどです。でもそれを理解していれば、あえてまつ毛の影にフォーカスして撮影しても、美しいポートレートが撮れます。どこにどんな光と影があるのか意識しながら、自分のしたい表現を追求しましょう。

EOS R50・RF28-70mm F2 L USM・F2・0.7秒・ISO6400

もしいいなと思う影がなくても、例えば屋内だったら、ドアやカーテンの開閉で影をつくりだすことができます。屋外は、自分で光と影をコントロールすることは難しいですが、木や葉の影や建物の影など、バリエーション豊富に、さまざまな影が存在するので、探してみてください。

良い影を見つけたら、陰影がはっきりと出る順光で、影の位置を調整しながら撮影します。順光以外でも、例えばトップライトの場合は、モデルに上を向いてもらったり横顔になってもらったりします。また、しゃがんでもらって上から撮影したり、自分の手で影をつくってもらったりすることで、画角全体の影だけではなく、モデルの顔に落ちる影も意識した撮影が可能です。

EOS R50・RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM・F4.5・1/125秒・ISO3200

ちなみに曇りの日で影が少ない場合も、トンネルの入り口やビルとビルのすき間、木の下など、周囲よりも少し暗い場所を探すことで影を使った撮影が可能です。暗い場所とすき間に差し込む光はセットになっており、曇りの日ならではの柔らかな陰影を使った写真を撮ることができます。

撮影の手順

  • 特徴的な影をさがす
  • モデルを配置する
  • 露出を決める
  • 撮影する

撮影Tips

特徴的な光がない場合には、ドアの隙間光やカーテン、自分自身などで影をつくります。モデルを配置するときは、影にモデルをかぶせるのか、光があたる位置に配置するのかなど、構図全体の空間やバランスを意識するのがポイントです。露出はモデル自体に陰影をつけるのか、壁や床の影の模様などで表現するのかで決めていきます。撮影に入ったら、光と影の位置を微調整しながら、余計な影に気を付けつつ、何パターンか撮影するのがおすすめです。

2.「ガラス」や「鏡」を用いる

EOS R50・RF35mm F1.8 MACRO IS STM・F5.6・1/80秒・ISO3200

「ガラス」や「鏡」に注目したポートレート撮影も面白いです。ガラスに反射して光っている部分や写り込みを意識しながら、モデルを配置して撮影します。レンズを絞って写り込みもはっきりと撮影するか、ぼかしてふんわりとさせるかでも、写真のイメージをガラリと変えることができます。

ガラス越しに撮影するだけでも普通に撮影するのとは一味違った写真を撮ることができますが、霧吹きで水滴をつけてみたり、息を吹きかけることで曇らせたりと、さまざまな工夫をすることができるのも魅力です。

EOS R50・RF35mm F1.8 MACRO IS STM・F5.6・1/80秒・ISO3200

また、透明なガラス以外にも、曇りガラスや鏡など、ガラスの種類によってもイメージの異なる写真が撮れます。

曇りガラスは少し抽象的な写真になるため、衣装の色やポージングのシルエットなどで、さまざまな表現が可能です。

ガラスに代わって鏡を用いると、鏡に映った側にフォーカスした写真など、鏡特有の表現ができます。もちろん、ガラスと同様に、霧吹きで水をかけたり、大きめに水滴をつくったりするのもおすすめです。

撮影の手順

  • ガラスを探す
  • ガラス越しにモデルを配置する
  • 絞りを決める

撮影Tips

窓ガラス、ガラスドア、鏡など、写真に撮り込めそうなものを探します。撮影場所が決まったら、撮影者のガラスへの映り込みに注意しながら、ガラスに寄る・ガラスから離れるなど、距離感を調整しながら構図を決めていきます。同時に、ガラスを前ボケさせるのか、背景はぼかすのか・くっきりと写すのかなど、ガラスの効果をどう取り入れるか、写真全体のバランスを見ながら絞りを決めて撮影します。

3.「浴槽」で撮影する

EOS R50・RF35mm F1.8 MACRO IS STM・F1.8・1/125秒・ISO5000

雰囲気のあるポートレート写真を撮るのにおすすめしたいのが、「浴槽」を使った撮影です。水の中が透けにくい、濁り湯系の入浴剤を用いるとより美しい写真が撮れます。白以外にも黒っぽいものや、ラメが入った入浴剤などもあり、それぞれイメージが変わって面白いです。

EOS R50・RF35mm F1.8 MACRO IS STM・F1.8・1/125秒・ISO5000

ちなみに水が透明だと、水に浸かっている部分がゆがみ、写真に表現されます。あえてゆがませた写真も面白く、またモデルにレース系の衣装を着てもらったり、水中にレースの布などを入れたりすると、それらが水中をゆらめく様子も写った美しいポートレート写真を撮ることができます。花などの小物はアクセントや雰囲気をプラスするのにおすすめです。

EOS R50・RF35mm F1.8 MACRO IS STM・F1.8・1/50秒・ISO5000

撮影の手順

  • 水中への沈み具合を調整する
  • フォーカスするポイントを決める
  • 全体の構図を調整する

撮影Tips

撮影は、顔や身体の沈み具合を調整しながら行います。その際、水中と水面の境にフォーカスして撮影すると、人物が液体に溶け込むような不思議な写真を撮ることができます。身体まで写すのか、顔のみか、浴槽の縁は入れるのか入れないのかなど、細部まで追い込みながら、さまざまに撮影してみましょう。

4.「アングル」を駆使する

EOS R50・RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM・F6.3・1/80秒・ISO800

 ポートレート撮影におけるポイントは「アングル」にあります。撮影アングルは意識して変えないと、とくに限られたシチュエーションや場所では写真がワンパターンになりがちです。それを防ぐには、めいっぱい腕を伸ばして横から撮影したり、カメラを地面まで近づけて下からあおったり、とにかく大袈裟に思い切り動くことです。そうすることで、さまざまなバリエーションをつけることができます。

EOS R50・RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM・F4.6・1/4000秒・ISO6400

撮影の手順

  • モデルを好きな場所に配置する
  • 光のあたりかたを見ながら、顔や身体の角度を調整する
  • さまざまなアングルから撮影してみる
  • 写真を再生してみて、とくに良かったアングルでもう一度調整しながら撮影する

撮影Tips

撮影するときには、しっかりとモニターを見て構図や人物が美しく見える角度を探します。モデルが普段とは異なる慣れない位置からの撮影になる際は、モニターを見せながら撮影するのもおすすめです。自分がどう撮られているかを理解してもらうことで、きれいに見える角度などをより的確に調整してもらえます。また、髪や衣装などが風などで乱れてしまうこともありますが、そうした点にも気づくことができ、整えてもらいやすくなります。

5.使って実感したEOS R50の魅力

初めて使うカメラでしたが、とにかく軽いことに驚きました。グリップも手にしっくりきて持ちやすく、片手でも撮影ができます。それに加えて、バリアングル液晶モニターが素晴らしい。私は身長があまり高くはないし、力もあまり強くはありませんが、腕を伸ばして片手で高い位置からなど、楽々とさまざまなアングルで撮影することができました。無理な姿勢をすることなく、限られたシチュエーションでもバリエーションをつけることができ、本当に助けられました。タッチパネルで直接操作ができるのも良かったです。インターフェースもわかりやすく、操作に途惑うことがなかったのもうれしい点です。また、今回お借りしたホワイトのボディーは、軽やかな雰囲気で可愛らしい見た目なので、普段首から下げていてもお洒落でいいなと感じました。

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2024-09-17