簡単にプロっぽい写真に!すぐに真似できる「子どもの撮り方」3Tips
公開日:2024年4月24日
我が子の日常や成長、宝物のような思い出を鮮やかに美しく写真に残しておきたいのは、ママたちの願い。でも動き回る小さな子どもを撮るのは大変!そこで今回は我が子と楽しみながら撮影する親子セルフィーで人気のママフォトグラファー、Makiさんに、手のひらサイズの本格ミラーレスカメラEOS R50を使って、子どもの自然な表情や姿を素敵な写真に残せる、おすすめの撮影方法を教えてもらいました。
PROFILE
Maki
大阪府出身、関東在住。カメラ歴4年。子どもの誕生をきっかけに一からカメラを始め、四季折々の身近にある自然を愛でながら親子の日常写真を撮っている。我が子を被写体に、旅行やホテル・観光施設などの撮影、機材レビュー記事などの企業案件にも多く携わっている。また、カメラが好きなママ・パパ向けに、もっと我が子と楽しみながら撮る方法を伝えるオンライン写真講座を定期的に開催。
1. 前ボケを入れて、奥行きのある写真を撮りたい!
前ボケで撮ると、ちょっとプロっぽい写真に仕上がるのがいいですね。そして前ボケがあるだけで、キラキラふわふわなかわいい世界を表現できるところが好きです。あとは写したくない不要なものを隠したり、目立たなくしたりすることもできる、それも大きなメリットだと思います。
ミモザの小さなもふもふのお花を「これはなんだろう」と不思議そうに優しく触っている様子を捉えたくて、静かに声も掛けず、そのままの自然な姿を収めました。全体的にミモザがもりもりとボリューム感がある角度で、お花に埋もれるような場所で、ボケのグラデーションが綺麗に出るように構図を決めています。さらにポンポンのようなミモザのかわいらしい先端のフォルムを影で表現したく、順光で顔に影が落ちるようなアングルで撮りました。
ボケ感をしっかり出したかったので単焦点レンズ、RF35mm F1.8 MACRO IS STMをセレクト。前ボケの位置調整や微妙なアングル調整など、細かな動きをしたいときでも、EOS R50はコンパクトで軽いので動かしやすく、とても扱いやすかったです。カメラママにとって「軽くてコンパクト」は何よりの正義だなと改めて実感しました。
撮影のHow to
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F値の小さい単焦点レンズをつける
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前ボケになりそうな光の当たっているお花や葉っぱ(薄いもの)を探す
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構図を固める
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子どもを配置する
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ボケの形が綺麗に出るように微調整しながら撮る
撮影Tips
奥行きのある写真にするポイントとしては、ボケのグラデーションを作ること。前ボケとピントが合っている被写体という二層を作るのではなく、被写体を中心にして、その前後にグラデーションのように層がいくつもできるような構図になるよう、意識します。同時に、被写体をどこに配置するかをしっかりと考えることも重要。被写体の周りにピントの合うものを多く入れると情報量が増えて、ボケ過ぎないようになるので、一枚の画の中の見応えも増すのではないかなと思います。
枝の存在感が強い花木(梅や桜など)は前ボケを入れてふわふわ感を出すと、黒くて硬い枝の存在感を中和できるので、おすすめ。その際、枝の間にレンズを突っ込むようにして撮れば、前ボケのフレームを作れるので、四隅の余白も減り、より幻想的な世界を表現できます。
前ボケでこんな撮り方も!
晴れた日の午前中、半逆光で前ボケに光が当たってキラキラする角度で構図を定め、桜の花のディテールもしっかり残せるよう、子どもの顔に近い位置にお花が来るように、枝の隙間に立ってもらいました。子どもの楽しそうな表情をメインで撮りたかったので、しっかりと寄りに。桜のボケ感も捉えたいと思い、ボケのフレームになるように、枝の隙間から撮影しました。どんな話をしていたかも忘れてしまったくらい何でもない話をしつつ、2人で大きな声でゲラゲラ笑いながら撮った、思い出の一枚です。
撮影Tips
構図がぶれないようにタッチ操作でピントをど真ん中にあらかじめ決めておいて、そこに子どもの顔がちょうどその位置に来るように合わせながら、ボケのバランスを微調整して撮影。
ボケ感を強く出しつつ、お話ししている楽しい表情を捉えたかったので、短めの単焦点をと考え、RF35mm F1.8 MACRO IS STMを選びました。簡単にボケてくれるので、「お花と子ども」というシーンではとても使いやすい組み合わせだと思います。しかもボケるだけではなく、子どもの髪の毛の一本一本まで、繊細なディテールを写す解像度は素晴らしく、ボケ味と解像度のバランスに感動しました。
2.親子セルフィーに挑戦してみたい!
子どものうれしそうな表情を捉えられること、そして親子の間に流れる目に見えない感情や空気を写すことができるのが、親子セルフィーの最大の魅力。そこには、第三者が撮る場合にはない、自分たちだけの世界で撮るセルフィーだからこそ残せる何かが存在していると感じています。
子どもと遊びながらいつの間にかセルフィーしていた、普通に遊んでいたら親子の写真が撮れていた、という状況を作り出すことで、ママとセルフィーすること自体が楽しい時間だと子どもが感じてくれるとうれしいですよね。4歳の息子は最近「まま、だっこしておしゃしんとろう」と自分から誘ってくれるようになってきて、セルフィーの時間が好きなんだな〜と幸せな気持ちになります。スマホの待ち受けにしている親子写真を自慢げにいろいろな人に見せていますし、セルフィーした写真を飾るとすごくうれしそうにいつも眺めている姿も愛おしくて。こうして目に見える形で、親子の愛や絆を残すことの価値や意味を日々、強く実感しますね。好きな場所で好きなタイミングに、自分の好きなように写真を残せるのもセルフィーのメリットなので、今!と思う瞬間に、親子セルフィーしてみてほしいです。
桜の前ボケを入れながら、花に囲まれているような構図で撮影。子どもがカメラを意識しないように、10秒セルフタイマーを押したあと、普通におしゃべりしながら、頭の中ではこっそりカウントしつつ、撮りました。この写真は前ボケをしっかり出したかったのと、近距離でリモート撮影したかったので、レンズはRF35mm F1.8 MACRO IS STMを使用。
EOS R50はカメラとスマホをwifiで繋いで、専用アプリ「Canon Camera Connect」と連携しながら撮れるので、前ボケの位置と被写体が被らないようにスマホ画面で構図のバランスを確認しながら撮影するのがポイントです。
撮影のHow to
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撮りたい構図を決める
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三脚をセットする
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誰かにピントを合わせて撮る場合
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子供もしくはパパなど大人に立ち位置に立ってもらって、その人にピントを合わせる
- セルフタイマー10秒設定にする(連写がおすすめ)
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シャッターボタンを押して、立ち位置に走る
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子供もしくはパパなど大人に立ち位置に立ってもらって、その人にピントを合わせる
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立ち位置に誰もいない無人状態の場合
- セルフタイマー10秒設定にする(連写がおすすめ)
- スマホアプリとカメラを繋げる
- スマホの画面で構図を確認しながら、立ち位置や体の角度などを微調整
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画面をタッチして子供にピントを合わせる
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画面のシャッターボタンを押して、カウントしながら撮影する
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撮影Tips
親子セルフィーのコツはとにかく撮影時間を短く、数回で終わらせること。何度も焦りながらトライしていると親も子も疲れて、だんだん表情が曇っていってしまうので、最初の数回で撮り切れるように。しっかりと撮りたい絵のイメージを固めてからチャレンジするのがおすすめです。そして私は、撮っている間は楽しい時間にしたいので、お話ししたり歌ったり踊ったり、本気で笑って、子どもが喜んでくれるようなひとときにすることを大事にしています。
セルフィー初心者におすすめなのは、お家の中でセルフィーしてみること。例えば絵本の読み聞かせをしているときやキッチンでお手伝いしている様子など、あとで見返したときに、撮っておいて良かったな〜と思う写真の多くがそういう当たり前の瞬間、いつもの親子時間だからです。そもそもお家の中でのセルフィーは外よりも落ち着いてトライできますし、お家という決まった枠の中だと子どものサイズの変化がわかりやすいという利点も。成長ぶりを思い出として残すという意味でも、すごくおすすめしたいシチュエーションです。
シーンを変えた親子セルフィー
千葉にミモザの大きな木を見に行った日に、その日の思い出になるようなセルフィーをと思い、撮影。晴れてはいましたが、太陽が雲に隠れたり、顔を出したりしていたので、逆光で光が差し込んでくるタイミングを狙いました。子どもにステップツールの上に先に立ってもらい、顔にピントを合わせてから、10秒セルフタイマーのシャッターボタンを押して走り、その場で抱っこして撮っています。
撮影Tips
少し暗い通路だったので明るいレンズ、かつ全体が収まるよう広めのレンズでと考え、RF35mm F1.8 MACRO IS STMを使用。35mmレンズだと三脚からの距離が近いので、セルフタイマーのシャッターを押した後、そこまで急がなくても余裕を持ってタイミングを待てるのもすごく楽です。カメラがコンパクトで軽量なので、三脚にセットするのも簡単。いつでもさっと気軽にセルフィーしようと思えるサイズ感だなと改めて感じました。
3.光を取り入れたドラマティックな写真が撮りたい!
なんでもない日常の一コマでも、光を上手く捉えて、主役を引き立てたり、見せたいものを際立たせたりすることで、わぁ〜!と感動するようなドラマティックな瞬間に変身します。
親は子どもがいろいろな感情を見せたときはもちろん、「無邪気に楽しそうでかわいいな〜」、「こんなこともできるようになったのか〜」と自分の感情が動いたときにシャッターを切りたい!と思うものです。そこに光をプラスすることで、その感情をより一層強く、感動的に表現できます。光を味方につけて、なんでもない日常の中にハッと息を呑むようなドラマティックなシーンを見つけることは、カメラとの日頃のお付き合いでの大きな楽しみの一つです。晴れの日はもちろん、いつでもどこでも光があるだけで格段に素敵に撮れます!
ものすごく風の強い日。大きな夕日が沈んでいくのを眺めながら、力強くどっしりと立っている様子が、小さいながらに逞しく勇ましく見えたので、「あぁ〜大きくなったな〜」と成長を感じながらシャッターを切りました。子どものシルエットの周りに光のふちができることで、より一層そのフォルムが際立つように、太陽を子どもにきっちりと重ね、なおかつ光源の中心に来るようにして、子どもの周りから光が放たれているように撮っています。大きな長い影も春ならではだと思い、影までしっかり入れて左右対称のシンメトリー構図を意識しました。
太陽の光がかなり強かったので、F値を大きくして広角で撮りたいと考え、キットレンズのRF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STMをセレクト。太陽をそのまま写してもこんなにも綺麗に色が出て、光の線まではっきりと美しく写し出されるなんて、キットレンズのレベルの高さに正直びっくりしました。明暗差が大きく、コントラストの強弱もあるこういう写真は、一眼レフカメラにしか撮れないものだなと強く感じます。
撮影のHow to
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逆光、半逆光、サイド光の中で、好きな光を探す
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その中で明暗差のある場所を探す
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構図を決める
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基本的に子どもを明るい場所に誘導する
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明暗差が一番綺麗に出る暗さに調整しながら撮る
撮影Tips
私は明暗差がしっかりある光のシーンが特にお気に入りなので、そういう場所をいつも探すようにしています。子どもを撮影する場合は、光の当たっている場所より、日陰の方が撮りやすいと言われますが、私はいつも明暗差がある場所で、明るい部分に被写体を配置するように意識しています。全体的に暗い中で、光がパッと当たっている場所に子どもを誘導し、存在感を強調すれば、スポットライトが当たっているみたいに、子どもを主役として際立たせることができます。
ほかに光を生かして撮影するシーンとしては、逆光のふんわりとした光が充満しているような感じも好きです。特におすすめなのは、晴れの日の夕方。太陽が下がってきて光を捉えやすいので、いろいろな光のバリエーションを楽しめます。
こんな光の取り入れ方も!
晴れの日の午前中、ポッと1箇所だけに光が集まっているスポットを発見したのですが、そこに息子が立つとまるでステージにいるかのようなドラマティックな光景に!息子は「ひこうきぐもだー」とうれしそうに叫んでいました。
撮影Tips
この明暗差を最大限に表現するため、左右に余計なものが写りこまない範囲でシンプルに切り取れるよう、広角で撮れるRF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STMをセレクトして、MAXに広角の画角で撮影。こんなに明暗差の激しいシーンで、かつ引きの絵でも美しく残せる描写力はやはりすごいですね。子どもの小さな指先までもが、しっかりくっきりと写っていて感動しました。
4.「軽くてコンパクト」はママの正義!EOS R50の魅力
軽くてコンパクト、AFが早くて正確、バリアングルモニター、タッチ操作の使いやすさ、メニュー項目のわかりやすさは、どれもママにとってはとても助かるポイントだなと思いました。特にAF精度の高さは驚きのレベル。ある程度、距離のある場合でも、子どもの瞳に反応してピントを合わせてくれるので、ピントを外す、甘くなるというストレスから解放されることは何よりもありがたいことです。あとはセルフィーするときのスマホ連携に感動。接続の安定感が圧倒的で、アプリを使ったリモート撮影は本当に優秀だと思います!10秒セルフタイマーも大活躍でしたが、連写もとても便利。好きな枚数を選択できるので、5枚で設定して、その中から一番良い表情をセレクトできるのもうれしいポイントです。
今回カメラとレンズ3本を常に持ち歩いていましたが、全部合わせても軽くて、まったく重さを感じさせないレベルでした。どんなときも荷物が多く、いつでも子どもに何かあれば咄嗟に追いかけないといけないママにとって、何よりも小型軽量は正義であり、最強の味方だと思います。
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EOS R50・RF-S18-45 IS STM レンズキット
光の強いときや広角で景色と一緒に子どもを捉えたいというシーンにおすすめです。子どもと一緒に見て感動した景色や、一緒にお出かけした場所の思い出など、あとで撮っておいて良かったなと思うようなシーンこそ、情報量の多い広角で是非とも残してほしいと思います。
またズームレンズならではの距離感の調整ができるので、そばにいないと心配な小さいお子さんで、あまり距離がとれないときや、咄嗟に動けないという場合でも、このレンズ一本である程度の距離を網羅できてしまうので、使いやすいズームレンズだと思います。
単焦点レンズ:RF35mm F1.8 MACRO IS STM
明るいレンズなので、お家の中など室内撮影が多い方にはピッタリ。簡単にボケを作ることができるのも楽しいです。さらにはお家の中でマクロ撮影もできますし、もちろん屋外でどんな距離でも使いこなしやすい焦点距離なので、一本持っておいて損はないはず。キットレンズの次に買うなら、絶対にこれがおすすめです!
単焦点レンズ:RF50mm F1.8 STM
圧縮効果を出してお花をもりもりに撮りたい、被写体が浮き出るような立体感のある画を撮りたい、と思う方におすすめ。いつもより一段レベルアップして、プロが撮ったような写真が撮れます。自分が上手くなったような気分になれる魔法のレンズです。