初心者から上級者まで あなたの写真が変わるプリント講座 解説:岡嶋和幸
公開日:2023年10月20日
Professional Print &
Layoutとは
Professional Print & Layoutは、デジタルカメラで撮影、スキャナーでスキャン、RAW現像ソフトで現像、フォトレタッチソフトで調整した画像を簡単、便利に印刷できるアプリケーションソフトです。プリンタードライバーを開くなど複数の画面にまたがって作業することがないため、印刷のための各種設定を効率良く行えます。ひと目で分かる一覧表示なので、設定を確認しやすくミスが発生しづらいです。複数の画像に対してまとめて設定できるほか、余白や位置などレイアウトのきめ細かい調整も可能です。モノクロ印刷やパターン印刷、明るさやコントラスト、カラーバランスの調整など、イメージ通りのプリントに仕上げるための便利な機能が充実しています。
Professional Print & Layoutは単独でも使えるほか、Digital Photo Professional、Adobe PhotoshopやAdobe Photoshop Lightroom Classicからプラグインソフトとして起動できます。設定したい項目をすぐに見つけられるなど印刷作業の効率アップが可能です。それらの画像処理ソフトと連携したカラーマネジメントにも対応し、取り扱う色を統一することができます。
ソフトの起動と
画像の読み込み
Professional Print & Layoutを起動し、印刷する画像をプレビューエリアにドラッグ&ドロップします。[ファイル]メニューの[開く]から画像を選ぶこともできます。印刷できる画像のファイル形式はJPEGとTIFFです。16bitのTIFFにも対応しています。サムネイルエリアに100枚まで画像を表示できます。
画像処理ソフトから印刷を行う場合、Digital Photo Professionalは画像を選択、Adobe PhotoshopやAdobe Photoshop Lightroom Classicは画像を開いてからProfessional Print & Layoutを起動します。選択または開いている全ての画像がプレビューエリアに表示されます。
Professional Print &
Layoutを起動する
Windows
Mac
Digital Photo Professional
Adobe Photoshop
Adobe Photoshop Lightroom Classic
Professional Print & Layoutのメイン画面
Professional Print & Layoutに画像を読み込む
Digital Photo Professional、Adobe Photoshop、Adobe Photoshop Lightroom Classicから起動した場合、ドラッグ&ドロップで後から画像を追加することはできません。
ツールエリアの操作
-
1
- ページの追加
- 選んだページの後ろに新しいページを追加します。
-
2
- ページの削除
- 選んだページを削除します。
-
3
- スロットの自動配列
- [よく使う設定]エリアの[レイアウトモード]で[割り付け(多面)]を選んだときに表示されます。画像が重なり合わないように自動で配列されます。
-
4
- 縮小/拡大
- プレビューの表示サイズを縮小/拡大します。
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5
- 倍率
- プレビューの縮小/拡大率を設定します。[幅に合わせる]で用紙幅いっぱいに、[全体表示]で画像全体を表示します。
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6
- 用紙の向き
- 用紙の向きを横、または縦に表示します。
-
7
- 前ページ/次ページを表示
- ページが複数あるときに表示するページを切り替えられます。
-
8
- ソフトプルーフ
- 印刷結果に近い色あいでパソコンのモニターに表示されます。[カラーモード]で[ICCプロファイルを使う]を選んだときに設定できますが、用紙の種類によっては使用できません。
サムネイルエリアの操作
プリンターや
レイアウトの設定
[よく使う設定]エリアの[プリンター]で使用するプリンターを選びます。表示されない場合は[プリンターの追加]で追加します。設定エリアで設定した内容を[よく使う設定]で登録したり呼び出したりすることができます。
用紙や印刷品質の
設定
設定エリアの[基本設定]シートの[印刷設定]で、使用する用紙や印刷品質などの設定を行います。いずれもプリントの仕上がりに関係するため正しく設定、確認しましょう。[用紙の種 類]はキヤノン純正紙は用紙名を選びますが、他社製用紙はパッケージやメーカーのウェブサイトに記載されている推奨設定を適用します。PRO-S1は[アート紙(厚口)][アート紙(特厚)] [和紙]など、PRO-G1はそれらに加え[バライタ紙][ファインアート(高濃度)]など、それぞれの用紙の特性を最大限に引き出すプリントモードが搭載されています。[給紙方法]については初級編の「給紙と排紙」のレッスンで詳しく解説します。
- 1用紙の種類
- 使用する用紙の種類を選びます。[情報の取得]をクリックして、プリンターにセットされている用紙の種類を選ぶこともできます。
- 2用紙サイズ
- 使用する用紙のサイズを選びます。[ユーザー定義サイズの指定]で好みの用紙サイズを追加でき、登録した用紙名が[用紙サイズ]に表示されます。[フチなし印刷]にチェックマークを付けるとフチなしで印刷できます。
- 3給紙方法
- [上トレイ][手差しトレイ]から給紙方法を選びます。用紙の種類によってはどちらかに自動設定されることもあります。
- 4印刷品質
- [最高][きれい][標準][速い]から印刷品質を選びます。使用するプリンターや用紙の種類によって設定できる印刷品質のレベルは異なります。
- 5クリアコート
- PRO-G1のみ表示される設定です。クロマオプティマイザー(CO)インクを塗布して印刷面の光沢感を調整できます。[自動]はクリアコートする領域やクリアコートするかを自動設定します。クロマオプティマイザーインクの消費を抑えたり、印刷時間を短縮できたりする場合があります。[全体]は印刷範囲全体をクリアコートします。[自動]での効果に違和感を覚えたときに改善できる場合があります。
- 6コントラスリプロダクションを使用する
- 印刷時に起こる細部の鮮明さの低下を防ぐ機能です。用紙の種類によって使用できない場合があります。[奥行き情報を使用する]にチェックマークを付けると、奥行き情報に基づいて鮮鋭度の低下をより最適に抑えて印刷できます。被写体によって効果が分かりにくい場合があります。[設定]でコントラストリプロダクションを画像ごとに設定できます。
カラーモードの
設定
設定エリアの[基本設定]シートの[カラーマネジメント]で、カラーモードやプリンタープロファイルなどの設定を行います。[カラーモード]で[ICCプロファイルを使う]を選んだ場合のみ、[プリンタープロファイル][マッチング方法][黒点の補正を使用]の設定ができます。これらの設定については初級編の「カラーマネジメントシステム」のレッスンで詳しく解説します。
ICCプロファイルを使う | 使用する用紙に合わせた印刷、画像の色空間を生かした印刷ができます |
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ドライバー補正 | パソコンのモニターに表示されている画像データの特性を正しく反映し、その印象に近い印刷ができます |
色補正なし | 色補正をしないで印刷します |
モノクロ写真 | 画像をモノクロで印刷します。プレビューエリアの画像もモノクロ表示になります |