沖縄写真タイフーン<北から南から>連動 山口郁子写真展「やわらかい日々」
公開日:2024年6月21日
本展は、毎年沖縄で開催される写真プロジェクト「沖縄写真タイフーン<北から南から>」の連動写真展で、沖縄県在住の写真家・山口郁子氏による写真展です。
関東から沖縄に移住した氏は、コロナ禍をきっかけに沖縄の歴史や文化について興味を持ち始め、自身が働いている都市部と、琉球(りゅうきゅう)王国の跡地を行き来して撮影を行いました。現在の沖縄は、かつて独自の文化や政治体制を築いた琉球王国の自然信仰が継承されているほか、それ以外の多様な文化や歴史も入り組んでいます。せわしない都市部から抜け出した先に広がる海や自然の寛大さを捉えた氏の作品は、焦りやいら立ちなどとがった感情を丸くさせて、柔軟な気持ちで日々を過ごすきっかけを与えます。本展では、琉球王国の信仰対象であった聖地の風景とともに、氏が生活する都市部の風景を捉えた作品30~40点を展示します。
作品はすべてキヤノンのプリンター「PRO-G1」で作家自らプリントし、展示します。
開催日程 | 会場 |
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2024年7月24日(水)~9月3日(火) 10時~17時30分(日曜日・祝日・8/11~8/18 休館) |
キヤノンオープンギャラリー1(品川) |
作家メッセージ
カーテンを開けると太平洋が見える。裏には琉球を統一した尚巴志王が拠点としていた大きな城があり、その辺り一帯が亜熱帯林で覆われた高台がある。
私の住む周りには、琉球開びゃくの祖アマミキヨにまつわる場所を、琉球王国によって祈りの場として定めた聖域が多く存在する。そこには祖先崇拝と自然の中に神を見出すアニミズム信仰が根底にあると言われている。
関東の小さな街から沖縄にやってきて18年目に入る。一時的に沖縄から離れたり、それまでも沖縄の神話とは異なる軸で生活をしていたが、コロナ禍をきっかけに、自分の生活圏にはどんな歴史や文化を持つのかを知りたくなった。それを知ることで地に足をつけて「沖縄で暮らす」ことができるのではないかと考えている。
しかし実際は、交通渋滞に痺れを切らしながら、声高な意見に少しだけ耳を塞ぎながら都市へと働きに出る。今の私の生活はこれである。
琉球が育んできた文化、沖縄がたどってきた歴史を知り、自然の息吹を感じ、海の鼓動を身に染み込ませる、やわらかでしなやかな日々への希望を探しながら、今日も写真を撮り続ける。
作家プロフィール
山口 郁子|やまぐち いくこ
山梨県甲府市生まれ
2007年 沖縄に移住 複数のグループ写真展や写真に関するイベントを企画運営
2018年 写真を学ぶため京都へ
2022年 沖縄へ戻る 現在那覇市にてフォトギャラリーを運営中
2023年5月 個展「残滓」 那覇ブロードウェイ
2024年2月 個展「瞬きを綯う」Kimama
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