2025年キヤノンカレンダー 竹沢うるま写真展「World Heritage Journey 世界遺産を訪ねて」
公開日:2024年11月14日
本展は、写真家 竹沢うるま氏による写真展です。
氏が撮影を担当した2025 年キヤノンマーケティングジャパン・カレンダー「World Heritage Journey 世界遺産を訪ねて」を飾る作品12 点を含む、計42 点を展示します。
キヤノンマーケティングジャパン・カレンダーは2018 年より世界遺産をテーマに制作しており、今回で8 回目となります。昨年に引き続き撮影を担当した氏は、新型コロナウイルスが収束したことで、3 年ぶりに海外に赴き、1 年かけてオーストラリアやアイスランド、マレーシア、ナミビアなど各地の世界遺産で息を飲むような自然を撮影しました。
旅先ではオーバーツーリズムや地球規模での気候変動、紛争などの問題で思うように撮影できないこともありながら、たどり着いた地で出会った壮大な光景を捉えた一つひとつの作品からは、世界の美しさを実感することができます。
作品はすべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」を使用してプリントし、展示します。
開催日程 | 会場 |
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2024年12月18日(水)~2025年1月29日(水) 10時~17時30分
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キヤノンオープンギャラリー1 |
作家メッセージ
世界遺産の撮影のために、この一年、世界各地を旅した。コロナ禍によるパンデミックが明け、世界への扉が再び開いたわけだが、旅先で直面したのは各地で顕在化する世界規模の問題たちであった。オーバーツーリズムや地球規模の気候変動。それに加えて紛争。
雨が全く降らない乾季に大雨が降って氾濫する川や、季節外れの濃い霧によって閉ざされる山々。一連の撮影は不安定な気候に左右され、予定通りに進んだものは少ない。なんとかシャッターを切るに値する瞬間が巡ってきたかと思えば、オーバーツーリズムによって引き起こされる渋滞に巻き込まれ、撮影のタイミングを逃すこともあった。また紛争によってこの数年間は国際線の飛行ルートも大きく変わり、目的地にたどり着くのに時間を要することも多い。
それでも諦めずに歩みを続け、ひとつひとつ拾い集めていった光景で構成されたのが、このカレンダーである。様々な問題があるにしても、旅路の果てにたどり着いた世界遺産は壮大で、我々に自然の豊かさや厳しさを提示し、改めて世界は美しいのだと認識することができた。
世界遺産は、人類が共有すべき顕著な普遍的価値を有する文化遺産や自然遺産の保全を目的としている。世界遺産に限らず、地球上の美しい自然を未来へと残すことができるのかどうか。いま、ひとりひとりにその在り方が問われている。現在、我々が置かれている状況について改めて考えるきっかけになればと思い、本カレンダーを構成した。
ひとつだけ、印象に残っている瞬間を挙げるとすれば、ナビブ砂漠で迎えた夜明けだろう。太陽が砂漠の向こう側から昇ると、砂漠は淡い桃色から輝かしい黄金色、そして燃えるような赤へと移り変わる。そのとき、波打つ赤い砂漠に立つ私の足元に小さな植物が芽吹くのを目にした。私はその小さな緑に自然の息吹を感じ、光を見たような気がした。
いつまでも変わらず、この美しい光景がそこにあり続けることを願う。
作家プロフィール
竹沢 うるま(たけざわ うるま)
1977年生まれ。写真家。同志社大学法学部法律学科卒業。在学中、アメリカ一年滞在し、モノクロの現像所でアルバイトをしながら独学で写真を学ぶ。帰国後、ダイビング雑誌のスタッフフォトグラファーとして水中撮影を専門とし、2004年よりフリーランスとなり、写真家としての活動を本格的に開始。
2010年~2012年にかけて、1021日103カ国を巡る旅を敢行し、写真集「Walkabout」と対になる旅行記「The Songlines」を発表。2014年には第三回日経ナショナルジオグラフィック写真賞受賞。2015年に開催されたニューヨークでの個展は多くのメディアに取り上げられ現地で評価されるなど、国内外で写真集や写真展を通じて精力的に作品発表をしている。主なテーマは「大地」。そこには大地の一部として存在する「人間」も含まれる。近著にチベット文化圏をテーマとした写真集「Kor La」(小学館)や「旅情熱帯夜」(実業之日本社)がある。大阪芸術大学客員教授。
「うるま」とは沖縄の言葉でサンゴの島を意味し、写真をはじめたきっかけが沖縄の海との出会いだったことに由来する。
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