このページの本文へ

2022年キヤノンカレンダー 野町 和嘉写真展:World Heritage Journey 世界遺産を訪ねて

公開日:2021年12月11日

最終更新日:2023年10月17日


本展は、写真家 野町和嘉氏による写真展です。
2022年版のキヤノンマーケティングジャパン・カレンダー「World Heritage Journey 世界遺産を訪ねて」を飾る作品13点を含む、計25点を展示します。
第5回目となる今年は、野町和嘉氏の過去4年に渡る撮影取材の中から未発表の作品で綴りました。ヨーロッパ、北米、南米、中東、アジア、オセアニアと、世界を股にかけ、大自然の輝き、そして人類の歴史と文化の足跡を追ってきた企画の集大成となっています。
野町氏の情熱と拘りが詰まった作品の数々をお楽しみください。
作品はすべてキヤノンのプリンター「imagePROGRAF」でプリントし、展示します。

開催日程  会場
2021年12月11日(土)~2022年1月21日(金)
※ 来場される際はご来場のお客さまへのお願いをご確認ください。
10時~17時30分
  • 日曜・祝日休館
    年末年始 2021年12月29日(水)~2022年1月4日(火)休館
キヤノンオープンギャラリー1(品川)
スクロールできます

作家メッセージ

新型コロナウイルスの蔓延により世界は一変した。海外への自由な渡航はほぼできなくなり、日本国内の移動ですら、しばしば制約される厳しい状況のまま現在(2021年5月)に至っている。
当然のことながら、世界遺産を求めて世界を広く旅してきたこのカレンダーのための撮影旅行も、2020年1月にミャンマーを訪れたのが最後になった。そのため2022年版カレンダーは、これまでの4年間に撮影してきた中から未使用作品により構成することになった。
これまでの半世紀近い写真家人生を、毎年何回かの海外取材を繰り返すことで続けてきた私にとっても、先の見えないこの状態はなかなか辛いものがある。それだけに、こうしてセレクトを終えた12の世界遺産を眺めながら、旅の想いを追体験するのもこれまでとは違った趣がある。
なかでも印象深いのが2017年に訪れたイグアスの滝だ。私にとって十数年ぶり、2度目のイグアスだったが、前回は曇りの日が多かったのに対し連日抜けるような青空に恵まれた。凄まじい水量の瀑布が地響きのような轟音とともになだれ落ちてゆくその至近距離に立ち、風向きによりびしょ濡れになりながら大自然の猛威に酔いしれスリリングな撮影を続けたことだった。午後3時を過ぎる頃に数羽の黒コンドルがテリトリーを見回るかのように滝壺を悠然と飛行する事を知って、虹が写り込む絶好のアングルで待ち続けた。
ギリシャ北部にあるメテオラも印象的だった。ひとりアテネからレンタカーを走らせ丸一日がかりの旅だった。天を衝く巨岩の突端に設けられた庵に籠もり、神の声を聴くために瞑想に勤しむ修道士の気配に触れ、信仰の凄みを実感できた旅だった。
世界からコロナ禍の暗雲が晴れぬなかにあって、地球の鼓動を伝える多彩でスケールの大きな世界遺産の魅力を堪能していただければ幸いです。

作家プロフィール

野町 和嘉(のまち かずよし)

1946年高知県生まれ。
写真家・杵島隆氏に師事した後、1971年にフリーの写真家となる。
1972年のサハラ砂漠への旅をきっかけとして、ナイル川、エチオピアなど、アフリカを広く取材する。1980年代後半からは、過酷な風土を生き抜く人々の営みと信仰をテーマとして舞台を中近東、アジアに移し、長期の取材を続ける。
2000年代以降は、アンデス、インド等を中心に取材を続ける。『サハラ』『ナイル』『チベット』『メッカ巡礼』『地球巡礼』など多くの写真集が国際共同出版される。
ローマ、ミラノ、台北、東京ほかで『聖地巡礼』展を開催。
土門拳賞、芸術選奨文部大臣新人賞、日本写真協会国際賞など受賞多数。
2009年、紫綬褒章受章。
日本写真家協会会長。

著作権について

当写真展関連ページに掲載されている写真の著作権は作者に帰属します。
これらのコンテンツについて、権利者の許可なく複製、転用などする事は法律で禁止されています。