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2021年キヤノンカレンダー 野町 和嘉写真展:World Heritage Journey 世界遺産を訪ねて

公開日:2020年12月25日

最終更新日:2023年10月17日

本展は、写真家 野町和嘉氏による写真展です。
2021年版のキヤノンマーケティングジャパン・カレンダー「World Heritage Journey 世界遺産を訪ねて」を飾る作品13点を含む、計24点を展示します。
第4回目となる今年は、2019年世界遺産に加わったばかりのアイスランド、ヴァトナヨークトル国立公園や、2019年10月をもって立ち入りが禁止されたオーストラリアのエアーズロック、またこのシリーズでは初となる日本国内の世界遺産として白川郷などを撮影しました。ヨーロッパ、アジア、オセアニア、北米と幅広く世界を飛び回り、地球上の自然の神秘、文化と歴史を探求した作品の数々を鑑賞することができます。

開催日程 会場
2020年12月25日(金)~2021年2月2日(火)
※ 来場される際はご来場のお客さまへのお願いをご確認ください。

10時~17時30分(最終日16時30分まで)
※ 日曜日・祝日
  年末年始 2020年12月29日(火)~2021年1月3日(日)休館
キヤノンオープンギャラリー1(品川)
スクロールできます

作家メッセージ

成田空港を夜の8時過ぎに発ち、オーストラリア北部のケアンズで乗り継いでエアーズロック空港に降り立ったのは翌朝9時だった。小さな空港建物の隅にあるレンタカー窓口でキーを受け取り外に出た途端、降り注ぐ日差しの鋭さに思わず怯んだ。日本との時差+1時間、季節は乾期で一片の雲すらない透明な空。赤い砂と灌木の地平に伸びる道路を走りながら、一夜明けただけでこれほどの異次元空間に踏み込んだのは初めての体験だった。やがて地平線上にウルル(エアーズロック)が現れ、近づくにつれその偉容が迫ってきた。写真では飽きるほど眺めてきたが、実物は圧倒的な存在感だった。
高さ348m、周囲が9.4kmもある赤い一枚岩は、オーストラリア先住民にとってはかけがえのない聖地なのである。あちこちに見られる風食による巨大な窪みや穴などには精霊が宿ると信じられており、近づいてみると撮影禁止の看板が立っていた。そして観光客に許されていた登山は、先住民の信仰を尊重して、2019年10月25日をもって恒久的に禁止されたのである。
2019年に新たに登録された世界遺産の一つが、北極圏に近いアイスランドのヴァトナヨークトル国立公園である。ヨーロッパ最大のヴァトナヨークトル氷河ならではの特徴は、氷河真下で、しばしば火山噴火が起こり、そのたびに氷河爆発と呼ばれる大規模な洪水を引き起こしてきた。そして氷河湖に押し出された氷塊は、引き潮とともに大西洋に大量に流出する。何万年もかけて圧縮された氷塊がクリスタルの輝きを放ちながら波に洗われ徐々に溶けてゆく様は、他では見ることのできない絶景である。
世界遺産カレンダーの撮影は今年で4回目であるが、今回初めて日本の代表的世界遺産である白川郷を加えることにした。豪雪地帯にあって、極めて特徴的な木造建築である合掌造りはやはり雪景色で撮りたいと考えた。ただ予想外の暖冬のために苦労させられたが、2月後半になってようやく雪の降りしきる夕景に出会うことができたのであった。ダイナミックな地球の営みと、文化の多様性を象徴する世界遺産の素晴らしさを堪能していただければ幸いです。

作家プロフィール

野町 和嘉(のまち かずよし)

1946年高知県生まれ。
杵島隆に師事した後、1971年にフリーの写真家となる。1972年のサハラ砂漠への旅をきっかけとして、ナイル川、エチオピアなど、アフリカを広く取材する。1980年代後半からは、過酷な風土を生き抜く人々の営みと信仰をテーマとして舞台を中近東、アジアに移し、長期の取材を続ける。2000年代以降は、アンデス、インドなどを中心に取材を続ける。
『サハラ』『ナイル』『チベット』『メッカ巡礼』『地球巡礼』など多くの写真集が国際共同出版される。ローマ、ミラノ、台北、東京ほかで『聖地巡礼』展を開催。土門拳賞、芸術選奨文部大臣新人賞、日本写真協会国際賞など受賞多数。2009年、紫綬褒章受章。日本写真家協会会長。

著作権について

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