岩木 登 写真展「南八甲田」
公開日:2025年12月23日
南八甲田は、四季折々の豊かな自然と、そこに息づく生命の営みが織りなす、東北屈指の美しい山岳地帯です。
本展では、写真家 岩木登氏が長年にわたり撮影を続けてきた南八甲田の原生林や渓谷、そしてその奥深くに潜む小さな生命――粘菌の一生に至るまで、自然界の多様な表情を捉えた作品をご紹介します。
岩木氏は、単なる風景写真にとどまらず、森に宿る生命の循環や、目に見えない時間の流れを写しとめていきました。雄大な山並みから、顕微鏡でしか見えないほどの微細な存在まで、同じ自然の一部として描き出すことで、私たちが普段見過ごしている「命のつながり」を感じていただけることでしょう。
本展を通じて、自然の奥深さと生命の神秘に触れ、私たちが生きる世界の豊かさを再認識する機会となれば幸いです。ぜひ会場に足をお運びいただき、岩木登が見つめ続けた南八甲田の森羅万象をご体感ください。
展示作品は、すべてキヤノンのプリンターimagePROGRAF PROシリーズでプリントし展示します。
| 開催日程 | 会場 |
|---|---|
| 2026年2月6日(金)~3月23日(月) 10時~17時30分(日曜・祝日休館) |
キヤノンギャラリー S(品川) |
作家メッセージ
僕の自然写真家としてのデビューは2009年のキヤノンカレンダーからです。それまでは、コマーシャルフォトをメインに六本木に自社スタジオを構えて活動していました。
自然写真家としてスタートしたキヤノンカレンダーのタイトルは「原生の鼓動」。原生の自然が色濃く残されている南八甲田の森と源流部に立ち入って、まだ他の写真家たちが撮っていない風景を撮ろうというのが僕のスタートのスタンスでした。山岳風景の北八甲田ではなくて、保水力の極めて高いブナの森、その保水力が作り出す数多くの深い源流と湖沼、そこに息づく多様な生態系そのものが被写体でした。
それから二十数年。
東京から青森の山あいへ移住して15年。過去のデータを見直してみると記憶が曖昧なものがいくつも出てくる。小さな沢のカットを見て、当時はあまり気にも止めなかったけど、「このカットいいな、現像し直してみよう。」と思うのに、その沢はどこの沢なのかよくわからない。そんな作品がいくつも出てくる。「これはよくない、過去のデータを丁寧にまとめてみよう。」と思ったわけです。ただしそれをおこなうには高いモチベーションが必要。そんな時、ちょうど良いタイミングで新しい挑戦の場が訪れました。それが今回の試みです。
気候変動の危機が激しく進行し、ここ八甲田山麓でも自然環境が大きく変わっています。二十数年の移り変わりもご覧いただき南八甲田に残る稀有な自然をお楽しみいただければ幸いです。
作家プロフィール
岩木 登(いわき のぼる)
青森県十和田市生まれ。
1979年~ 2012年 六本木ー恵比寿の自社スタジオでコマーシャルフォトグラファーとして活躍。
2009年 キヤノンカレンダーの撮影を担当。
2010年 BS ジャパン「写真家たちの日本紀行」に出演。
2012年 東京より十和田市焼山に移住。
展示予定作品





ギャラリートークのご案内
写真家 岩木 登氏による作品解説や撮影エピソードなどをお話しいただきます。
- 日時
- 2026年2月7日(土) 14時~15時
- 会場
- キヤノンギャラリー S (住所:東京都港区港2-16-6 キヤノン S タワー 1F)
- 定員
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無し(事前予約不要)
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座席の用意はございません。ご希望の方が多い場合は入場を規制する場合がございますので、予めご了承ください。
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著作権について
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