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ショート動画に思い出を詰め込んで。オリジナルの旅動画を作る5つのポイント

公開日:2024年6月28日

旅に出かけたら、美しい景色や楽しい瞬間を写真で残すのはもちろんのこと、せっかくなら動画を撮って、旅先で目にした流れる風景や耳にした音など、思い出をまるごと残しておきたいもの。そこで今回は旅行写真家のYUUKIさんに、写真と動画の切り替えが簡単でどちらもハイクオリティなEOS R6 MarkIIを使って、旅動画の撮影のコツを教えてもらいました。まずは手軽でトライしやすい、ショート動画から始めてみませんか?

PROFILE

YUUKI

1984年生まれ、和歌山県出身。デザイナーとして勤務後、独立。NGOなどとコラボして物作りをするシーズンレスブランド「TADO」を運営するNALALA LLC.のfounder。また、ブランディングディレクターの他、観光PR、ホテルや広告の撮影など、写真家としても活動している。

1.YUUKIさんが北軽井沢旅行をおしゃれなショート動画に

“車で行く新緑の軽井沢”をテーマに、東京から新緑が溢れる山への旅の風景をぎゅっと詰め込みたいと思って撮影しました。都会から自然への景色の変化を意識しながら、季節が感じられるよう、緑を多く入れています。私は旅動画を作るとき、どう撮るかなど考えすぎずに、とにかく素敵だと思ったシーンを短くたくさん撮り溜めておくスタイル。今回も編集の際に、寄り引きや手前ボケ・背景ボケなど、撮っておいた様々なバリエーションの動画をつなぎながら、バランスよく構成しました。

2.これから旅が始まるワクワク感を演出

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

出発シーンですが、実は帰ってきてから近所で撮影したものです。旅先で撮り溜めた動画を見ていて、最初に車で出かけるシーンがあるといいなと思いつき、撮り足しました。ドアが閉まるところが可愛いかもと狙って撮ったのですが、音楽とかぶせたときにドアの音がいい感じにはまったので、それは残すことに。実はこのシーン、車に乗り込むところから発進するまでの一連の流れを1本で撮っておき、編集の際に使いたいシーンを切って、一部拡大しているんです。クロップすると画質が粗くなってしまって使えないという判断をすることもあるのですが、画質的にまったく問題がなく、違和感がないですよね。ほかのシーンと差が出ることなく、きれいに見えるのは、さすがです。

撮影Tips

編集するときにシーンを選べるよう、乗車から発進までの一連の動きを、広範囲にピントが当たるように撮影。三脚を立てて、構図がブレないようにするのがポイントです。人に撮ってもらうときには、バリアングルモニターを活用して高さを固定してもらい、アングルが変わらないように気を付けて。

3.移動シーンも旅の一部として、臨場感アップ

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

旅の始まりを演出するシーンとして、都会的な東京の街を撮ることで、この後に出てくる自然のある風景との対比を作りたいと思いました。東京をイメージさせる高速道路の橋を、さらに引き立つように煽って撮影。車内から撮っていることも伝わるよう、意識しています。

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

正午ごろ、北軽井沢に到着し、自然豊かな景色が広がる瞬間を捉えたいと思ったシーン。今回は浅間山が目的地だったので、目の前にドーンと山が現れる場面を狙いました。浅間山が見えてきたところで、ダイナミックさが伝わるように真っ直ぐ、そして車内から撮っていることがわかるように撮影。

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

北軽井沢をドライブ中に捉えた、美しい木漏れ日。影になっている場所と光が当たる場所の両方がきれいに映るよう、モニターを見ながらF値とシャッタースピード、ISOを調整しました。明るい部分が飛んだり、暗い部分はつぶれたりしがちですが、EOS R6 Mark IIで撮った素材は白飛びもなく、暗い部分もきちんとディテールまで映っていることに感動!

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

軽井沢から東京へ帰る車中、夕方、西陽が差してオレンジに染まった車内で、光がとてもきれいだなと思って撮影しました。作品では“行き”のシーンで使っていますが、実際は帰り道で撮ったものです。ハンドルを握る手に焦点を当て、手の向こうに移ろう景色を入れることを意識。ドライブシーンだと車窓風景を撮りがちですが、手元を撮って人の気配を入れることで旅動画のアクセントになります。

撮影Tips

車中での撮影は思っている以上にブレてしまうもの。手ブレ動画は、短尺といえど見る人が酔ってしまいがちなので、できるだけ避けたいところです。手ブレ補正機能のついているカメラなら、ぐっと脇を締めて腕を固定すれば、ある程度ブレを防ぐことができます。手ブレの度合いで動画のクオリティが変わるので、重要なポイント!意識してみてください。

4.ボケを効果的に取り入れてエモーショナルに

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

よく晴れた軽井沢で日中、季節感を演出するために、新緑が風に揺れるシーンを撮影。光と影の美しさを表現しました。一見スロー撮影のようですが、そよ風でゆっくりと葉が揺れているところです。背景のボケもきれいに映し出してくれただけでなく、グリーンの濃淡の描写力が素晴らしく、感動ものでした。

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

北軽井沢でふと見つけたワンシーン。揺れている被写体+手ブレがあると、ドライブシーンと同様に映像酔いしやすい動画になりますが、本来なら三脚を立てたほうが良いようなシーンも、カメラの手ブレ補正のおかげで手持ち撮影できます。手前の黄色の花プラス、背景のビビッドな赤い花をボカして入れたかったので、F値開放で。手前の花のディテールをしっかりと描写しながら、鮮やかなカラーが美しく、動画全体の差し色にもなったと思います。

撮影Tips

被写体が風にそよいでいることが伝わるよう、手持ちであれば、しっかりと脇を締めて、揺れないように気を付けながら撮影。時間や場所に余裕があるときには、三脚を使うなどして、1点から動かないようにしたほうが、手ブレを気にする必要がなく、より撮りやすいです。

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

浅間山で、自分が着用していたワンピースの裾が風で靡くシーンを撮影。動画に違うニュアンスを入れるため、少しアングルを変えてアクセントをつけました。シルク素材に光が当たって、輝いているところを映せたと思います。旅動画は、洋服や小物などで“自分”要素を加えて、オリジナリティをアップさせるのもポイントです。

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

浅間山で正午ごろ、花にも、背景の岩場にもきれいに光が当たっている絶好のスポットを発見。今回、ショート動画に入れるシーンは最終的に前ボケを選びましたが、前ボケ、後ろボケの両方を撮っておきました。

撮影Tips

1つのシーンで、前ボケ後ろボケの両方を撮っておくと、他のシーンとのバランスでどちらかを採用するか選べるので、おすすめです。ボケが手前か背景かで見え方が大きく変わるので、良いシーンを逃さないためにも両方撮ってみてください。動画を編集するときに変化をつけやすく、表現の幅が広がります。

5.旅先で耳にした音をBGMのアクセントにする

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

自然を感じるシーンの1つとして、浅間山で水が滴るシーンを撮影。動画電子ISをONにし、シャッタースピードを調整して、水滴一つ一つまで、はっきりときれいに映すことができました。水が流れる音もクリアに録れていたので、編集はそれを生かすことに。

撮影Tips

旅先で耳にした音をBGMの中に取り入れることで臨場感がアップし、動画全体に奥行きが出ます。普段から水の音はそのまま残すことが多いので、話し声や周りの音が入らないように気を付けています。ぜひ旅先でしか聞けない音を動画に取り入れてみてください。オリジナリティが加わって、動画のクオリティがアップします。

6.自分を被写体にしたシーンを散りばめて、個性を発揮

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

浅間山の岩の大きさやディテールがわかるように、横切る自分を手前ボケで撮影しました。フォーカスを背景に当て、手前を歩いていく自分がボケることによって、自分が主役にならず、その場所の雰囲気が伝わるシーンになったと思います。旅先ではいつも、行った所のイメージが伝わりやすい全景をおさえておくようにしていますが、今回は、自然溢れる光景と自分があいまって、新しい雰囲気になりました。

レンズ:RF50mm F1.2 L USM

浅間山のダイナミックな風景と、それを見ながら歩く私。散策を楽しんでいるシーンを盛り込んで、旅先の魅力を伝えたいと思いました。目の前に広がる大自然の風景を損なわないよう、全体にフォーカスを当てて撮影しています。

撮影Tips

旅先の印象的なシーンと自分を一緒に映しておくと、旅動画のオリジナル要素になります。自分を入れてどんなシーンを撮ればいいか悩んでしまう人も、まずはこんな風に旅先を象徴するような景色を背景に、自分が歩く様子を撮影してみてください。手前から歩いてみたり、横切ってみたり、ただ歩くだけでもいろんなパターンを撮ることが可能です。自分撮りはあえて主役にならず、後ろ姿や手元など、旅先に溶け込む自分の姿を部分的に切り取っておくのも、おすすめ。主張しすぎることなく、動画に個性を発揮できます。

7.簡単に本格的な動画が撮れるCanon EOS R6 Mark IIで、旅の思い出を美しく

まず驚いたのは「ボディー内手ブレ補正」と「動画電子IS」による手ブレ補正効果です。今回すべて手持ちで撮ったにもかかわらず、ほぼブレがない状態で撮れていました。あえて揺れたり動いたりするシーンを撮ってみたのですが、強力なパワーを発揮してくれたと思います。また、ミラーレスなのでボディ-自体も軽く、手持ち撮影も楽に感じました。さらにこのカメラが素晴らしいのは、写真と動画、どちらもしっかり撮れるところ。例えば動画推しの機材だと、写真のための機能が削ぎ落とされすぎる懸念もありますが、EOS R6 Mark IIは両方高いクオリティを叶えてくれます。しかも、写真と動画の切り替えがすごく簡単で、ボディ左側の「写真/動画」のダイヤルをくるっと回すだけ。このシーンいいなと思ったときにまず写真を撮ってから、同じアングルで動画もおさえておくことができ、表現の幅も広がります。

そして色味に関しても、リアルに映し出してくれて、旅先の素晴らしい光景をそのまま伝えられると思いました。撮って出しでいけるのは編集の時短にもなって、嬉しいポイント。私の好きな影の表現も、暗い部分がつぶれず、繊細なディテールが出ていたことに感動。描写の美しさやレンズのボケ味など、段違いのクオリティで、動画レベルをぐんと引き上げてくれるカメラだと思います。

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