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初心者から上級者まで あなたの写真が変わるプリント講座 解説:岡嶋和幸

初心者から上級者まで あなたの写真が変わるプリント講座 解説:岡嶋和幸

Lesson 17 EOS連携機能の活用 カメラとプリンターのポテンシャルを引き出す

EOS連携機能とは

EOSのRAW画像編集ソフトウェア「Digital Photo Professional」とプリントソフトウェア「Professional Print & Layout」を連携することで、対応のカメラとプリンターのポテンシャルに最適化した高品位な写真プリントを実現します。

RAWデータが持つ広いダイナミックレンジや奥行き情報をプリントに活かすために、Digital Photo Professionalは機能を向上しています。そしてProfessional Print & LayoutはDigital Photo Professionalとの連携を強化し、HDR効果による印刷を実現する「HDRプリント」、照明環境の明るさを考慮してプリントを仕上げる「展示照明最適化」、印刷時の鮮鋭性を回復させて質感と奥行きを再現する「DPRAWプリント」など、キヤノンのカメラとプリンターの組み合わせでしか得られない色や階調の再現性、鮮鋭性などをさらに高めています。

HDRプリント

EOSで撮影したHDR PQ対応のRAWデータを、使用する用紙に最適化して印刷する機能が「HDRプリント」です。RAWで撮影したデータの広いダイナミックレンジを利用し、ハイライトからシャドウまで階調を維持したまま最適なマッピングを行い、Digital Photo ProfessionalでHDRモニターに表示されている見え方に近づくようにプリントします。広い色域を持つPRO LINE PRINTERと連携することで、RAWデータが本来持っている色をより忠実に再現します。

RAWデータを選択
①Digital Photo Professionalで、印刷するRAWデータを選択します。
[Professional Print & Layoutで印刷]を選択
②[ファイル]メニューの[プラグイン印刷]から[Professional Print & Layoutで印刷]を選びます。
[プリンター][レイアウトモード]の設定
③Professional Print & Layoutが起動します。[よく使う設定]エリアで[プリンター]と[レイアウトモード]の設定を行います。
[印刷設定][レイアウト]などの設定
④[設定]エリアの[基本設定]シートで[印刷設定]や[レイアウト]などの設定を行います。
カラーモード]から[ICCプロファイルを使う]を選択
⑤[基本設定]シートの[カラーマネジメント]で、[カラーモード]から[ICCプロファイルを使う]を選びます。
[HDRプリント]にチェック
⑥[HDRプリント]にチェックマークを付けて[設定]をクリックします。
[OK]をクリック
⑦[HDRプリント]ウィンドウが表示されます。HDRプリントに対応した画像の一覧が[対象画像リスト]に表示されます。HDRプリントを行いたい画像にチェックマークを付けて[OK]をクリックします。

をプレビュー画像で確認

[HDRプリント]ウィンドウの[対象画像リスト]の画像をダブルクリックすると[プレビュー]ウィンドウが表示されます。Digital Photo Professionalから画像を取り込むため少し時間がかかりますが、[HDRプリント]のオンとオフをプレビュー画像で確認できます。

印刷を実行
⑧[印刷]をクリックして印刷を実行します。
オフ オン
  • オフ
  • オン

ハイライトの色や階調を忠実に再現し、シャドウの明るさやコントラストも最適化されたプリントに仕上がりました。ハイライトの階調性だけでなく、被写体の色再現性も良くなっています。

展示照明最適化

HDRプリントは写真展の展示作品としても魅力的です。展示するときの照明を工夫することで、より鮮烈な印象で見せることができます。高輝度LEDのスポットライトなど強い照明をプリントに照射し、背景を暗くするなどの展示方法により、HDR表示対応モニターで鑑賞しているような高いダイナミックレンジを実現できます。

照明環境の明るさを考慮して印刷し、プリントのダイナミックレンジを拡張する機能が「展示照明最適化」です。従来の展示照明よりも強い光を当てると、ハイライトの色が飛んだり、シャドウが引き締まらないなどプリントの見え方が変化します。Professional Print & Layoutでは高輝度照明によるプリントへの影響を補正し、自然な見え方になるように印刷することが可能です。

[展示照明を最適化する]にチェック
①[基本設定]シートの[カラーマネジメント]で[HDRプリント]にチェックマークを付けます。[設定]をクリックすると[HDRプリント]ウィンドウが表示されるので、[展示照明を最適化する]にチェックマークを付けます。
展示照明の最適化
②[対象画像リスト]の[HDRプリント]が[展示照明を最適化する]に変わり、画像ごとに展示照明の最適化を行うかどうかを設定できます。

照明輝度の設定は、[通常照明]は100cd/㎡(350ルクス)程度の照明を想定して最適化し、特別な照明を当てない場合に有効な設定です。[中輝度照明]は200cd/㎡(700ルクス)程度の照明を想定して最適化し、ギャラリーなどで一般的なスポットライトを使用するときに有効な設定です。[高輝度照明]は400cd/㎡(1400ルクス)程度の照明を想定して最適化し、高輝度LEDなどの強いスポットライトを使用するときに有効な設定です。
[照明輝度の確認]ウィンドウ
③[照明輝度の確認]をクリックすると[照明輝度の確認]ウィンドウが表示されます。[対象画像リスト]の画像をダブルクリックしても表示できます。[通常照明][中輝度照明][高輝度照明]のそれぞれの照明輝度を有効にしたプレビュー画像が確認できます。パソコンのモニターの輝度を展示照明の輝度に合わせると、展示するときのイメージを確認できます。確認が終わったら[閉じる]をクリックします。
印刷を実行
④[OK]をクリックして[HDRプリント]ウィンドウを閉じて、印刷を実行します。
通常照明 中輝度照明 高輝度照明
  • 通常照明
  • 中輝度照明
  • 高輝度照明

照明による写真の白飛びや黒浮きを軽減した仕上がりになりました。印刷したプリントは、照明を当てていない状態では暗く見えることがあります。

DPRAWプリント

DPRAW(デュアルピクセルRAW)対応カメラでDPRAW機能を設定してRAW撮影すると、撮像素子からのデュアルピクセル情報が付加されたDPRAWデータとして記録されます。DPRAWデータはDigital Photo ProfessionalとProfessional Print & Layoutの連携により、その奥行き情報をプリントに活かすことができます。

印刷時の鮮鋭度の低下を、奥行き情報に基づいて適切に回復させる機能が「DPRAWプリント」です。用紙の特性に合わせて補正することで、被写体の質感や立体感を向上させたプリントに仕上がります。なお、Digital Photo Professionalで「デュアルピクセルRAWオプティマイザ」機能の「ボケシフト」を使用した場合、DPRAWプリントは使用できません。

RAWデータを選択
①Digital Photo Professionalで、印刷するRAWデータを選択します。DPRAWプリント対応のファイルには[DPR]のアイコンが表示されています。
[Professional Print & Layoutで印刷]を選択
②[ファイル]メニューの[プラグイン印刷]から[Professional Print & Layoutで印刷]を選びます。
印刷を実行
③Professional Print & Layoutが起動します。[基本設定]シートの[印刷設定]で、[コントラストリプロダクションを使用する]と[奥行き情報を使用する]にチェックマークを付けて印刷を実行します。
DPRAWプリントを行うかどうかを設定
[設定]をクリックすると[コントラストリプロダクション]ウィンドウが表示されます。[対象画像リスト]で画像ごとにDPRAWプリントを行うかどうかを設定できます。

プレビュー

オフ オン
  • オフ
  • オン

被写体によって効果が分かりにくい場合がありますが、ピントに応じた画像処理により質感や立体感が増し、リアリティーのある仕上がりです。ノイズの増幅を抑え、階調の滑らかさが維持されています。

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あなたの写真が変わるプリント講座【上級編】Lesson 17 EOS連携機能の活用
https://personal.canon.jp/articles/tips/print-howto/lesson17
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/tips/print-howto/image/1.png?la=ja-JP&hash=0A7FFD82FECAE1787B196782EB84DD05
2023-10-20