EOS R5×RF24-70mm F2.8 L IS USM レビュー 「街スナップ」を撮影してみた
公開日:2021年9月22日
最終更新日:2021年10月11日
見慣れた街の風景を不思議な世界に一変させる、EOS Rシステムの魅力。
写真を愛するレビュワーの皆さんが、キヤノンの「EOS Rシステム」で撮り下ろし! EOS RシリーズやRFレンズを使った率直な感想を語ります。今回は、都市を舞台にした心象風景の撮影を楽しんでいるキヤノンフォトサークル会員・ikkiさんが、愛用しているEOS R5とRF24-70mm F2.8 L IS USMをレビューします。
自由なトリミングで表現が広がる、高画素のEOS R5。
こんにちは、ikkiです。定年後の趣味として写真を楽しんでいます。写真を始めた当初は花や自然風景を撮影していましたが、現在は身近な街、公園、植物園や動物園でスナップ撮影に時間を割いています。それに伴い機材を一新。愛用していたEOS 5D Mark IVとEF24-105mm F4L IS USMから、EOS R5とRF24-70mm F2.8 L IS USMがメイン機材になりました。風景にもスナップにも使えるセットです。
EOS R5は有効画素数約4500万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載。これだけあれば画素数不足を心配することなく、縦横比にこだわらないトリミングが可能となります。
特に瞬間をとらえるスナップ撮影では画面に余分なものが入ることが多いので、トリミングの自由度が大きいのは有利です。さらに1.6倍クロップ機能を使えば、TELE側70mmからもっと寄りたいときでも、112mm相当の中望遠レンズとして撮影できます。1.6倍クロップしても画素数は約1700万画素と十分。より自由な作品づくりが可能に。
優秀な手ブレ補正効果を「逆利用」する動感表現が楽しい。
一眼レフからミラーレスに機材を変更するにあたり、スナップ撮影に万能な機能、耐候性、高画素・高画質など妥協のない組み合わせとして選んだのがEOS R5 とRF24-70mm F2.8 L IS USMです。
街でのスナップ撮影で特に役立つのは手ブレ補正機構です。EOS R5のボディー内手ブレ補正機構とRF24-70mm F2.8 L IS USMの光学式手ブレ補正機構との協調制御により最大8.0段分の効果が得られます。薄暗い場所で低速シャッター撮影したいときや三脚が使えないシーンで手ブレを防ぐことができます。
低速シャッターで意図的に通行人を大きくブレさせることで、静と動の対比を表現すると同時に、顔がうまくぶれてくれるので肖像権の問題も回避できます。
歩道や通路などで通行人を入れて撮影するときは、バリアングルモニターが便利です。首にかけたストラップをぴんと張りカメラをヘソの高さで構えて、バリアングルモニターを見ながらカメラを水平に構えてシャッターを切ります。しっかりカメラを支えることで手ブレを抑えることも可能です。
また、特にWIDE側で撮影する場合、背の高い私が目の高さで構えて写すとカメラが下向きになり不自然なパースがついてしまうのですが、水平に構えることで画面のゆがみを抑えられます。
また、ファインダーをのぞいて撮っていると通行人がカメラを意識して立ち止まったり、頭をすぼめて足早に去っていったりすることがあります。ヘソの高さでカメラを構えるのは、通行の迷惑にならないように撮影する手段でもあるのです。
街の風景を幻想的に見せる、絞り開放F2.8の大きなボケ。
ショーウインドーへの映り込みを利用して、実像と虚像を重ね合わせた作品づくり。RF24-70mm F2.8 L IS USMの絞り開放F2.8を生かして実像と虚像にボケを加えると、さらに不思議な空間を演出できます。表現に合わせて絞り値を変えることで多彩な表現が可能になるだけでなく、F2.8の明るさにより暗い場所でシャッター速度を稼ぐこともできます。
RF24-70mm F2.8 L IS USMはEOS R5とともに、私にはなくてはならない相棒。特に写真展で展示することを意識した作品の場合、申し分のない画質の作品に仕上げることが可能です。
レビューを終えて
PROFILE
神奈川県横須賀市生まれ。大阪市在住。東京工業大学卒業後、メーカーに勤務。一眼レフカメラ用自動露出制御ICの開発などを手がける。還暦を機にEOS学園で写真を基礎から学ぶ。キヤノンフォトクラブ梅田・前代表。月刊誌「キヤノンフォトサークル」マンスリーフォトコンでゴールド賞3回受賞、他入賞多数。