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寄せ植えマスターMAiさんに聞く、生命力あふれる多肉植物を元気に育てる秘訣とは。

公開日:2021年12月24日

最終更新日:2021年12月24日

Photo:MAi

ぷくっとした可愛らしい多肉植物が秋になると紅葉することや、実は多肉植物は室内よりも室外で育てるのが健康的であることをみなさんはご存知でしょうか。今回お話をお聞きしたのは、小さな多肉植物をひとつの鉢に寄せ植える「ちまちま寄せ」を活動の主軸とするChima Labo主宰のMAiさん。彼女も多肉植物に出会った当初は育て方や生態を知らず、多くの鉢を枯らしてきてしまったそう。けれどもしっかり学び、実践することで、多肉植物への愛がさらに深まったと言います。その想いの深さは会社勤めを辞めるほど!そんな彼女が多肉植物にかける想いと、実践的なアドバイスをお聞きしました。

PROFILE

MAi

Chima Labo主宰。多肉植物の一種であるセダムを中心に多肉植物の「ちまちま寄せ」に関する活動を多角的に展開。

実は知らない?多肉植物の育て方と生態

むちむち、ぷりぷり、ばきばき、ころん……そして「おまんじゅう」。多肉植物の可愛らしさを形容する言葉は擬音ばかりで(笑)、音からその可愛いフォルムを想像できるものばかり。そのたまらない可愛さからインテリアアイテムとして室内で育てるのを見かけることが多いのですが、原産地は南アフリカやメキシコなど乾燥した砂漠地帯だってこと、みなさんはご存知でしょうか。季節によっても変わりますが、基本的には屋外でお日様にたっぷり当ててお水をあげすぎないことが多肉植物を大事に育ててあげる上で忘れてはいけないことです。

室内で水切れしてしまった子は「ヒョロン」となってしまいます。これは「徒長(とちょう)」と言って足りないお日様を求めて、ヒョロヒョロになりながら一生懸命光を探している状態。いわば体調不良なんです。室内で育てられる多肉植物はグングン長く伸びて「うちの子が育ってる!」と喜びの声を聞きますが、それは成長ではありません。

徒長に次ぐよくある勘違いが、お水の量。「サボテンですら枯らしちゃうから……」との声も聞きますがサボテンをはじめとする多肉植物はお水がいらないわけではありません。むしろ品種によってはたっぷりお水をあげなくては元気がなくなっちゃう子もいます。

私の大好きなセダムにはじまり、エケベリアやサボテン、クラッスラ……品種の数だけ水の好き嫌いもありますしどれだけの日光量が必要かも違ってきます。ですから多肉植物は始めやすいけれども、可愛く、健康を維持するには奥が深いもの。私自身はじめてから1〜2年は失敗の連続で、たくさんの子をダメにしてしまいました。

それでもある程度の知識を学び、自分の住む地域の寒暖差や家の向き、風通しの良さ、湿度などを把握して多肉植物を育てていく最良の環境を見つけられた時はもう達成感でいっぱいになるはずです。また一歩踏み込んで多肉植物が好きになると言いますか、愛着がさらに湧いてくるんです。難しい分「多肉植物と分かり合えた!」って(笑)。

多肉植物にも季節が巡る

そしてこれもあまり知られていないかもしれませんが、多肉植物も実は紅葉します。秋から冬にかけて緑色の葉っぱが徐々に色づき、冬のピークを迎えるとともに真っ赤やピンク、オレンジなどに色づいていく。もうこれが可愛くて。今の時期は昨日よりも今日、今日よりも明日と毎日変わっていく様子を「タニパト(多肉植物のパトロール)」しながら、ずっとニヤニヤしています。

そうした四季のうつろいを写真に収めてカレンダーにするのは楽しいもの。紅葉のはじまる秋はうつろう多肉の色づきを、冬の紅葉のハイシーズンにはぐっと濃い色をメインに、春は明るい気持ちになる色合い、夏はカラフルさには欠けるけれどもグリーンの落ち着いたものを選んでいます。

ゴーイングマイウェイな寄せ植え姿が愛おしい

私の「ちまちま寄せ」の中でも、一番のお気に入りは鉢作家さんと共同で作った子。大好きなセダムをもりもり寄せて、カラフルに。もともと色がたくさんあるものが本能的に好きで、私がよくつかうセダムにも緑や赤、ピンク、グラデーションなど本当にたくさんの色があります。鉢によってそのカラフルな世界を作れるところが「ちまちま寄せ」を作る楽しみのひとつ ですね。

しかも楽しい上に可愛くて。本当に我が子のように思うがあまり「乳幼児を育てているの?」ってくらい多肉植物を中心に生活しています。たとえば深夜に氷点下予報が出ているのに、うっかり外に出し忘れていたことに気づいたら、それがどれだけ遅い時間だったとしても(深夜3時だろうと、4時だろうと)本能的に目を覚まして外にいる多肉たちを避難させます。雨が降ってきても洗濯物より多肉を優先させちゃうこともあります。台風の日なんかはもう、夢の中でも多肉のことを心配しているくらい。

そうやって手塩にかけて育てた子たちや「ちまちま寄せ」、寄せ植えの子達が自由に、のびのびと育っている姿を見ると「それぞれの道を生きろよ〜自由でいいんだぞ〜」という愛おしさがさらに深まります。

寄せたばかりの子たちは整っていてそれはそれでいいんですが、やっぱり多肉植物ならではの生命力の強さが感じられるのは寄せ植えしてから数ヶ月経ってから。上に、横に、斜めにと奔放にしてる姿がたまらないですね。

多肉植物が導いてくれた「私だけの居場所」

多肉植物と出会ってから、私の欲がどんどん膨らんでいって。その当時は、育児に仕事にいっぱいいっぱい。それで思い切って、「仕事を辞めて、大好きな多肉植物とともに生きていこう!」と決めました。

多肉植物の寄せ植えワークショップを開けば、私自身がこんなにも楽しいのに生徒の方からお礼まで言っていただけて「なんて幸せなんだ」と思いましたし、その積み重ねから私の居場所はここにあって、私にしかできないことは多肉植物の寄せ植え、特に「ちまちま寄せ」なんじゃないかなと考えるようになりました。ちょっと大げさかもしれないですけど、今の私はこの子たちとの出会いがあってこそなんです。

元気と勇気と、いろんなものを与えてくれる多肉植物。以前、車のシートにこぼれて気づかれなかったセダムの葉っぱから根っこが生えているのを見つけたことがあって。誰にも見られないけどしっかり成長しているんですよ!こんな思いがけない場所でも、生きてるんです。 その健気さ、泣けそうなくらいグッときちゃいます。私も頑張らなきゃって。

根っこが生えたセダムの葉っぱ

多肉植物と、それを寄せ植えで楽しむ園芸文化が広まれば、もしかしたらそんな風に愛に溢れる日本になるんじゃないかな。そう思います。

好きをかたちにするヒント

多肉植物を愛する毎日を

好きなものを飾ったり、写真に残したり、アルバムにしたり。あなたの「好き」をかたちにするアイデアをご紹介します。

フォトコラージュを作ってみよう

季節のうつろいにあわせて色味を変えていくのが多肉植物の魅力。お気に入りの写真を使って、オリジナルのフォトコラージュを作ってみましょう。

多肉植物をペーパークラフトで楽しむ

興味はあるけどなかなか挑戦できない、という方は、ペーパークラフトの多肉植物をデスクの上において楽しみませんか?

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寄せ植えマスターMAiさんに聞く、生命力あふれる多肉植物を元気に育てる秘訣とは。
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2021-12-24