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柴犬の銀次郎は、我が家の愛され長男坊。

公開日:2021年9月24日

最終更新日:2021年9月24日

Photo : Momoka Tsunoda

柴犬の「銀兄ちゃん」こと銀次郎が津野田家の長男坊として迎え入れられて7年。一家との出会いは必然だったかのように、沢山の偶然が重なった出会いでした。もともと穏やかで甘えすぎない、柴犬特有の性格や距離感から「ただそこにいるだけでいい」と安心できる存在でもあり、育ち盛りの子どもたちのよき見守り役で遊び役でもある銀兄ちゃん。種族を越えて、かけがえのない家族の一員として親愛を育んできた一家と1匹の歴史を振り返ります。

PROFILE

銀兄ちゃんと津野田さんご一家

柴犬の銀次郎と、育ち盛りの1女1男がいるファミリー。母・百華さん撮影による、銀次郎と子どもたちのなかよし写真がSNSにて広く支持されている。

長く一緒に暮らしたら、人間みたいになってきた

柴犬の銀ちゃんこと銀次郎を我が家に迎えて早7年が経ちました。ペットというよりも、文字通り本当の家族のような存在。銀次郎自身もそれを感じながら長く生活をともにしてきたからか、たまに人間みたいな行動をとります。

ご飯前、我が家の娘(6歳)と息子(4歳)が手洗いに向かえば当たり前のようにダイニングチェアの上に座ってみんなを待つ。銀次郎のご飯はとっくに終わっているんですけどね。寝る時も、子どもたちと一緒に寝室へ。ベッドでは川の字になって寝ています。犬も人間も関係ない、我が家のなかよし3人(匹?)兄弟の日常の1コマです。

振り返ると、銀次郎との出会いは絶妙なタイミングでした。ずっと柴犬を家族として迎え入れたいと思っていてちょうどペット可のマンションに引っ越す前に、よく行っていた近所のペットショップにいたのが赤ちゃん犬だった銀次郎。

その前にも何匹か柴犬は見ていたんですが、なんとなくビビッときて「このわんちゃんが他の人のところに行って欲しくない!」、「二度と会えなくなるのは嫌だ」と銀次郎には思ったんです。独占欲にも似たこんな感情ははじめて。しばらくじっと見つめていたら、店員さんが抱っこさせてくれてもう、完全にノックアウトされました(笑)。

ただおそらく引越しの話がなければ、もしくは既に小さい子どもがいれば銀次郎を迎え入れることはできなかったでしょう。本当に、偶然の巡り合わせでした。

「みんなが大事」だから対等で、分別のある愛情を

長女が生まれた時、我が家にはすでに銀次郎がいましたが、初めての子育てでわんちゃんと赤ちゃんとのよい距離感がわからず……。手探りながらも一緒に生活し始めた当初は、銀次郎と長女との距離を少し取ったほうがいいかなと思っていました。

それにしても銀次郎は全然吠えないし(もともと穏やかで滅多に吠えないのですが)、余裕があるときに試しに距離を取るのをやめてみようと。そしたら銀次郎が娘に近寄って、添い寝してくれて。「あっ、これはいけるな」と感じたんです。そのうちに娘が泣けば様子を見にいったり、銀次郎のケージ(テリトリー)に娘が入っても全然怒らなかったりで、なにをすることもなく案外スムーズにみんなで一緒にすくすく育ちました。

(おかげで娘は物心つくまで、銀次郎のことを犬だと認識せず「銀ちゃんはいつおしゃべりするの?」とか「銀ちゃんはわんちゃんじゃない!」などと言っておりました)

それ以来、犬だから人間だからと区別せずに一緒に暮らすことを配慮し続けています。銀次郎としても、新しい家族が増えて「ここは来ちゃだめ」と言われたり、行動範囲が狭まって今までできたことができなくなっちゃったりするのにいい気はしないでしょうから。

そういうことが重なると、平時はよくてもふとした瞬間に攻撃してしまうこともあるように思うんです。よく人間でも第二子が産まれた時には、第一子こそケアすべきと言われますが、人間も犬も一緒。銀次郎が不快に思わないよう私なりに考え続けました。

賛否両論あるでしょうが銀次郎も大事だし、子どもたちも大事。それをできるだけ対等な愛情をもって行動に示すことが、結果的に子どもたちと銀次郎とのいい関係に繋がっているように思います。

もふもふとムチムチと、角度違いのギャップを楽しむ

柴犬って見る角度によって顔がすごく変わります。横から見ると細長いけれども、前から見ると狸っぽい子もいれば狐っぽい子もいる。微妙な角度の違いなのに、こうも変わるかと。

銀次郎の場合は、ムチっとした体格で愛嬌のある狸顔タイプ。ニコッと笑うような上がった口角も可愛くて。銀次郎だけを撮るときは、そうしたチャームポイントがよく見えるよう意識しています(マニアックですが、個人的には耳やしっぽなどモフモフしたパーツが特に好き。つい目で追いかけちゃいます)。

子どもたちと一緒に撮る時は、みんなで会話している風にしたくて。実際の会話通りではなく他の人が見ても「確かにこんな話してそうだね」みたいな想像の膨らむ写真がイメージです。

その理由から動きやポーズを決める事はありません。みんなが好きなように遊ぶ自然体が、かえってセリフを想像できる余白につながる気がして。たまにフォロワーさんがアテレコしてくださる銀次郎のセリフは、個人的にとても楽しみにしています(笑)。

無条件で愛してくれる、あたたかい存在

子どもも犬もどちらも、しつけをしなきゃいけないしお世話をしなきゃいけない。大変さで言うと人間の子どもの方かもしれませんが、一緒だと思うんです。命を守るという意味では。

それだけ私にとって銀次郎はかけがえのない存在で、産んだ子どもではないけれどもとても愛おしい。仕事から帰ってくると尻尾を振って「おかえり〜!」と迎えてくれたり、疲れたり落ち込んでいたりするとすっと横にきてくれる。犬って匂いで、人間の悲しさを感じ取るらしいですね。それで何も言わずただそばに寄り添ってくれる、イケメンです。

もともと柴犬って「柴距離」という言葉があるくらい、ちょっと遠くから見ているような絶妙な距離感があるんです。洋犬に比べるとツンデレで常に甘えてくるわけではありません。だけれども自我もあって一本筋が通っているというか、犬だけど悟っている系というか。その感じも含めて私は好きです。

そんな風に銀次郎が寄り添ってくれていることが心の支えにもなるし無条件に自分を癒してくれる、そんなピュアな愛情がある気がするんです。表現が難しいですけれども。それが気持ちの充実につながるし、わんちゃんの命に対する覚悟も責任も相当必要なんですがそれ以上に、家族だけれど家族そのものともちょっと違う存在というか。ただただ、そばにいてくれるだけでいい、そんな存在です。

私にとっても、きっと子どもたちにとってもかけがえのない特別な存在です。

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柴犬の銀次郎は、我が家の愛され長男坊。
https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/life-style/itoshino/list/shibainu
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/life-style/itoshino/list/shibainu/image/thumbnail-main.jpg?la=ja-JP&hash=D77A2B3B9590EA733E9D847C5246996F
2021-09-24