巨大魚のためなら何のその。釣りガール高本さんの華麗な釣り人生。
公開日:2022年6月24日
最終更新日:2022年9月26日
好きなものは海と魚と運動。となれば「釣りにのめり込むことは不可避だった」と話す釣りタレントの高本采実さん。今では、釣り好きなら誰もが「一度は釣ってみたい!」と憧れるロウニンアジ(GT)を釣るため泊まり込みの遊漁船に乗り込み、獲物との真剣勝負をする毎日を過ごされています(そこで更なる大物、シュモクザメに出会うことも!)。「大物を釣った時の快感をぜひたくさんの人に知ってほしいんです!」と、釣りタレントとして活動する理由をうれしそうにお話しくださった高本さんにとっての釣りの魅力とは。
PROFILE
大物を釣るために筋トレに励む釣りタレント。テレビ番組「ルアルアチャンネル」、Youtube「さかなのきもち」、InstagramやTwitterでは「#4コマ水産学」など釣りだけではなく魚の生態を発信する。
釣りは、宿命的に出会っていたもの
家族に釣りを趣味とする人はおらず、地元も釣りをする人を多く見かけるような土地ではありませんでした。
けれども好きなことをとことん突き詰めるタイプ。しかも、好きなものは海と運動と魚と旅。そういうわけで私が釣りにのめり込んでいくのは必然のことだったと思います。
もともと釣りへの興味はありましたが、初めて体験したのは「海が好き」という理由で決めた近畿大学の水産学科に入学してからのこと。釣り好きの知人に連れられ、夜の淀川に夜釣りに出かけたのでした。
都会のビル明かりが遠くにはっきりと見えるほど真っ暗な中、自分の背丈ほどもある背の高い草が生い茂る草むらをかき分け、ようやくスポットに移動。何もわからなかったので知人に手取り足取りしてもらいながら、まずはただただ言われた通りにするだけ。「まずは釣りというものを体験してみよう」くらいの気持ちですが、どのくらい時間が経ったのかわからない頃、ガツンと力強いあたりがあったんです。
普通はランディングという網で魚を掬い上げなくてはいけないのですが、その時は何もわからないので、もうとにかくゴリゴリとリールを巻き続けて。今思えば、釣り竿が折れてもおかしくありませんでしたし、「よくやったなあ」と思うのですがその時は必死で(笑)。
そして釣れたのが、40cmの大物のチヌでした。「こんなに大きな魚が釣れるんだ!」と、釣れた瞬間の、全身にブワッと衝撃が駆け回るようなあの感覚は今でも鮮明に覚えています。嬉しさに溢れて、それまでの釣れなかった長い時間が嘘みたいに感じられるほど。この感動を、釣りをしたことのない人にも感じてほしいという気持ちから今の釣りタレントとしての仕事をしている部分も大いにあります。
初めての釣り体験以来、趣味として楽しんでいたのが一転、本格的な海釣りにのめりこむことになったのはサンテレビやテレビ神奈川などで放映される「ルアルアチャンネル」のレポーターに抜擢されてから。この番組内で、ルアーを使い分ける海釣りの知識などを得ていくうちに、あらためて海釣りの奥深さに触れていくこととなりました。
海魚界の王者「GT」ことロウニンアジに魅せられて
海釣りをはじめて1年経った頃、「2年以内に絶対にロウニンアジことGTを釣り上げる」という目標を掲げました。
GTとは“Giant trevally”の英名をもつ、ギンガメアジ属のなかで最大のサイズの魚で、成長したものは最大1.8m、体重80kgにまで及びます。ときには水面に接近した鳥を丸呑みするほど獰猛ですが、そのパワフルさのため国内外の釣り人から憧れられています。
とにかくパワフルさが桁違いですので、通常の釣りとは全然内容が違います。まずは沖合に出て3〜4日程度泊まり込みで、釣れても釣れなくても朝から日が暮れるまでずっとルアーを投げ続けるところから。100g程度のルアーといえど、何百、何千投と投げれば筋肉痛を超えて筋肉トレーニング状態が続きます。
いざバイト(ルアーに魚が食いつくこと)すると、ロウニンアジはその瞬間からものすごい速度で走り出します。リールからジリジリと糸が勢いを立てて出ていくような。そこからはもう私とロウニンアジとの真剣勝負。
腰を落として、体全身をつかって寄せてあげる。時間をかければいいというものでもありません。長いファイトをするうちに、サメが寄ってくるリスクもありますし、住処の寝(ね)に入り込みラインがブレイクする恐れも……。スタミナと瞬発的なテクニックとその両立が試される、けれどもそれがゾクゾクとたまらないのがロウニンアジ釣りなんです。
これがまた面白いのは、ロウニンアジ以外にもサメそのものやカジキやマグロなどのスペシャルゲストがかかること! 大きな魚を相手にすることを前提にしている分、修行のようでもあり「常にハラハラドキドキする時間すべてがたまらなくて性分にあっているなあ」と本当に思うんですよね。
以前、思いがけずシュモクザメに出会ったこともありました。「ルアーで釣れるなんて見たことないよ!」と船長や釣りの大先輩方におっしゃっていただいたほどのレア度の高さで、これまたものすごく感動しました。
大学や大学院での研究対象はシュモクザメでしたし、自分の手にとってまじまじと観察をしてしまいましたよ。「これが旋回能力の秘密を握るハンマーみたいな頭で……ザラザラとした鮫肌はこんな感じで……永遠に生え変わるベルトコンベヤー式の歯はこうなっているのか……」と(笑)。もう夢中です。
海釣りでとった魚は基本的に自宅に持ち帰り美味しくいただくのですが(普段は魚より肉派の妹が、唯一「美味しい!」と食べてくれるのがまた嬉しくて!)、その前に記録写真を残しています。
なにより主役は魚ですから、魚がいちばん綺麗に見え、きちんと全身を見せてあげられるように意識しています。たとえば、魚を持つ時に隠れてしまう部分が極力少なくなるようにするとか。すると魚が自然に大きく見えますし、この撮り方がベストかなと思っています。
巨大魚を撮る時には持ち上げられない代わりに膝に乗せますが、そのときも巨大魚がちゃんと「巨大」な魚であるとわかるよう心がけています。頭から尾鰭(おびれ)までしっかりうつるように、そして端から端までギリギリでも画面いっぱいになるようトリミングしてあげるというのが、今時点でのベストアンサーかなと思っています。
釣りは刺激的で、癒しでもある生涯の趣味
釣りは常にドキドキとワクワクをくれるいい刺激で、でもストレスフリーになれるような癒しの存在でもあります。この先も一生涯、体がもたなくなるまで続ける気がします。
実際のところ、釣れたら釣れたで楽しいのですが、釣れなくても楽しいです。釣りを目的に、日本は青森から沖縄まで、海外ではマレーシアやインドネシア、タイなどいろいろな場所を旅してきましたが、今年はいよいよアイルランドへ10日間ほど、平均150kg以上のクロマグロがいると聞いたので、それを狙いに挑戦してこようと思います。
未知との遭遇がすごくたまらないものです。海という未知の場所で、どんな魚と出会えるのか不確定要素しかない釣りを続ける楽しみは言葉にできませんし、これをもっといろんな人に知ってほしい。私の、永遠のテーマです。
水辺の思い出を写真に残そう
好きなものを飾ったり、写真に残したり、アルバムにしたり。あなたの「好き」をかたちにするアイデアをご紹介します。
魚をつかまえた特別な瞬間をとらえよう
お魚に夢中なお子さんの素敵な瞬間をとらえた一枚。光に反射する水面のキラキラを玉ボケに利用するテクニックを参考に、水辺で遊んだ思い出をドラマチックに撮影してみてくださいね。
濡れても安心!防水機能付きの小型カメラでどこでも気軽に写真を撮ろう
「大きなカメラを持っていくのは大変だけど、釣りの思い出は写真に残したい」というあなたには、カラビナ付きで防水・耐衝撃の性能をもつ小型カメラがおすすめです。
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