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開発者の妥協なき挑戦|新マウント通信システム

開発者の妥協なき挑戦

EOS Rシステムは現在と未来の映像世界をどう変えていくのか。
開発者たちの言葉に、その可能性の一端を垣間見ることができる。

次世代のスタンダードを開発する。新マウント通信システム

カメラとレンズ間の通信システムは、ひとたび定めた規格を簡単に変えることができない。EOS Rシステムの開発者たちは、EOSシステムと同様に、時代の風雪に耐えうる通信システムを構築したいと考えた。EOS Rシステムが進化を続けていく上で、今後、さらにレンズとカメラの情報通信量が増大していくことは間違いない。その発展性を担保するため、EOS RシステムではEOSシステムと異なる思想が採り入れられた。

イメージコミュニケーション事業本部
ICB製品開発センター
シニアプロジェクトマネージャー 佐藤 洋一

顕著な違いは、すべての光学情報と光学補正データを、カメラではなくレンズに持たせることだ。これならば、新しいレンズが登場しても、カメラ側に新データを登録する必要がない。一方で、EFレンズについては、EOS 5D Mark IVと同じように、カメラ内に可能な限りのデータを保持しておく。RFレンズの将来性を確保しつつ、EFレンズのユーザーにも配慮する。キヤノンのカメラの新しい展開として、合理的な構想である。

「30年も前に、EOSの通信システムを考案した技術者たち。その先見性には驚くほかありません。EOS Rシステムにおいても、30年後の技術者たちを納得させる、そんなシステムを構築したいと考えました」(佐藤)。通信を担うハードウエアには、データの高速転送が可能な回路を採用した。さらに通信接点数も、EOSマウントの8ピンに対し、RFマウントは12ピンとしている。RFマウントは、システムネットワークのハブとして、EFマウントをはるかに凌ぐポテンシャルを持つことになった。※EFレンズの装着にはマウントアダプターが必要です。また、EF-Mレンズ、EFシネマレンズには非対応です。

新マウント通信システムがもたらす高機能。

通信システムの進化によって、何が可能になったか。わかりやすい例が、手ブレ補正機構の性能アップだろう。カメラ・レンズの協調ISでは、レンズに搭載されたセンサーに加えて、CMOSセンサーもブレの検知に活用。より補正効果を高めるよう、カメラがISユニットの制御をサポートする。これにより、レンズのセンサーが検知できなかったブレも補正が可能になった。ほぼリアルタイムでレンズを制御できる、高速通信のメリットがここに活かされている。

イメージコミュニケーション事業本部
ICB光学開発センター 部長 村上 順一

操作性と表現力の向上も、忘れてはならない。RFレンズの特徴のひとつであるコントロールリングは、新通信システムの恩恵なのだ。新マウント通信システムによって、カメラは常時レンズを制御しつつ、同時にリング操作による設定変更にも対応できるようになった。「ほぼリアルタイムの高速通信と通信コマンドの工夫により、すべてのRFレンズにおけるカメラ内デジタルレンズオプティマイザや、撮影距離情報のリアルタイム表示なども可能になりました。これらは、EOS Rシステムが表現の可能性を拡大するものであるという、ユーザーへの端的なメッセージだと思います」(村上)。

your EOS.に掲載の開発者インタビューは抜粋です。
全文が収録されたPDFはこちらからダウンロードしていただけます。

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開発者の妥協なき挑戦|新マウント通信システム
https://personal.canon.jp/articles/interview/developer/chapter02
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/interview/developer/common/thumbnail/720x444/image/developer-thumb.jpg?la=ja-JP&hash=C67B5D73B004827AD64E086CDF6099FB
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