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写真家の徹底レビューで判明!「PRO LINEプリンター、真の実力」プリンター買い替えサービス「らくらく買替便」にもPRO LINE登場!

公開日:2020年11月10日

最終更新日:2022年12月1日

写真画質を追求し、プロの表現を支えるA3ノビ対応インクジェットプリンター、「PRO-G1」、「PRO-S1」。キヤノン製インクジェットプリンターの進化を見つめてきた写真家・合地清晃さんに、プリンターを徹底レビューしてもらいました。

私とデジタル画像の関わりは古く、90年代前半に初めてデジタルカメラに触れたことが始まりです。プリンターによる出力にも関心を持ち、キヤノンのインクジェットプリンターを使い続けています。

今回、高いプリント品質を誇ってきた「PRO LINEシリーズ」がフルモデルチェンジ。PRO-G1(A3ノビ/顔料10色)、PRO-S1(A3ノビ/染料8色)が登場しました。定評のある前機種を超え、さらなる高みを目指して開発されたPRO-G1、PRO-S1を実際に使ってみると、インクジェットプリンターが新たな表現領域に入ったことを実感します。

では、フルモデルチェンジを果たしたPRO-G1、PRO-S1は、どのような点が進化したのか、プリンターにとって最も重要な画質面の進化はもちろん、使い勝手を左右するハード面やソフト面の進化も交えて紹介します。

【写真家紹介】

合地清晃(ごうち・きよあき)

1966年、岡山県生まれ。1990年、写真学校卒業後、写真家・大山謙一郎氏に師事。コマーシャルフォトを中心にフリーランスとして活動。コマーシャルフォトの分野では、半導体から医療・産業機器・航空機・人物などさまざまなジャンルの撮影を行う。カメラ雑誌への原稿執筆や撮影会指導などアマチュアの指導にも定評がある。EOS学園東京校講師。

写真作品を進化させる最新機種PRO-G1、PRO-S1

imagePROGRAF PRO-G1 PIXUS PRO-S1

最高の画質性能を追求したプロスペック・プリンターPRO-G1、PRO-S1。写真展用の展示作品の作成やフォトコンテストへの応募など、プロの現場からハイアマチュアまで、幅広い作品づくりに欠かせないプロスペック・プリンターです。

一般的なプリンターに比べて美しいプリントができるだけではなく、EOSのような高画質カメラで撮影された画像データの精細さや微妙な階調表現など、レベルの高い作品に求められる感性領域の繊細なニュアンスまで余すところなく再現します。

自分のイメージどおりに完成度の高い作品を追求したい。そんな欲求に、PRO-G1、PRO-S1は応えてくれるでしょう。

〈比較レビュー〉前機種から進化したポイントとは?

じつは今回PRO-G1とPRO-S1を導入にあたり、少しだけ不安もありました。というのは、プリントによる作品制作では、プリンターの特性に合わせて画像データの微調整を行うことがあるのですが、新機種になり極端に仕上がり傾向が変わると、画像データそのもののチューニング方法を見直さなければならないからです。

結論から言えば、これまでPRO-10S 、PRO-100Sをお使いでしたら、戸惑いなくPRO-G1、PRO-S1に移行できるでしょう。画質が大きく進化したことはもちろん、使い勝手も向上するなど、さらなる進化を遂げていました。これまで「もう少しこうだったらいいのに」と気になっていた部分の多くが改良されている印象です。

〈PRO-G1の進化ポイント〉色再現領域の拡大と黒濃度の向上

マット紙での高彩度の再現力と黒のしまりが大幅に向上。(左:PRO-G1、右:PRO-10S、用紙:キヤノン写真用紙・プレミアムマット)

PRO-G1は、重厚感のある発色と紙質の影響の少なさが特長の顔料インクを採用したPRO-10Sからインクを刷新し、「10色LUCIA PRO顔料インク」を採用。黒濃度の向上や色域の拡大などを実現し、顔料系らしいパンチのある色彩表現の範囲が広がりました。

キヤノン製顔料インクプリンターの特長でもある「クロマオプティマイザー」による顔料系らしからぬ光沢感とメリハリの利いた色再現、引き締まった黒などの相乗効果により重厚感のある仕上がりに磨きがかかっています。

また、顔料系インクで問題となりやすいブロンズ現象(作品に映り込む照明光に本来とは違った色味がついて見えてしまう現象)が抑制され、展示場所を選ばない仕上がりにも注目です。高い黒濃度を持つ「新マットブラックインク」により、ぼやけた黒になりがちなマット系用紙でも、引き締まった黒を表現できます。

これらの技術の組み合わせにより、PRO-G1ならこれまで以上に紙質を選ばず、繊細な階調表現や被写体の質感、奥行き感を精緻に描き出すことができます。

マット紙として新たに登場した「プレミアムファインアート・ラフ」との組み合わせでは、凹凸の強いテクスチャのラフ面により、独特の奥行き感や立体感表現を実現。表現の幅が広がります。

〈PRO-S1の進化ポイント〉新インク採用で高発色と高光沢を実現

これまでよりインパクトのある強い色彩と引き締まった黒が再現できるようになりました。
向かって左はPRO-S1、右は旧機種PRO-100S。用紙はキヤノン写真用紙・光沢 プロ [プラチナグレード]。

PRO-S1は、高い光沢感と透明感のある仕上がりが特長の染料インクを採用したPRO-100Sからインクを刷新し、「新8色染料インク」の採用により染料インクの特長でもある高光沢性と、これまでにない高発色性を高い次元で両立しています。

前機種PRO-100Sとの比較では、マゼンタ/レッド/ブルーなどの領域で色域が拡大され、これまで発色が大人しく感じられることのあったシーンでも、ハッキリした発色が得られるようになり、メリハリのある美しい仕上がりが印象的です。

さらに、黒濃度の向上で暗部のディテールをより忠実に再現。暗い部分の繊細なグラデーション再現と、透明感のある鮮やかな色彩表現を両立しています。

これらの特長に加え、新たに登場した“超光沢”の写真用紙「光沢プロ[クリスタルグレード]」と組み合わせると、まるでフイルムのような輝き感のある仕上がりを得ることができます。

輝きのある光沢感が特長の写真用紙「光沢プロ[クリスタルグレード]」。

【コラム】顔料系、染料系。どちらを選べばいいの?

プリンターを選ぶときに迷うのは、顔料系インクか、染料系インクかの選択です。一般的に、顔料系インクは深みのある色調で用紙の選択肢が広く、染料系インクはクリアな発色で光沢プリントの透明感が持ち味です。
PRO-G1はこれまで以上にマット紙へのプリント時の発色が向上したほか、シャドー部の深みが増したことで、さらに用紙の選択幅が広がりました。また、PRO-S1はクリアな発色に加え、高彩度やシャドー部の再現性が大幅に向上しています。両機種とも顔料、染料それぞれが持つ特長を生かしながら進化しています。
どちらを選ぶかは悩みどころですが、アート紙などを含む個性的な紙を使うことが多いならPRO-G1、写真らしい光沢感のある仕上げを好むのならPRO-S1が向いていると思います。
最終的には自分の好みや目的をよく考えて選択してください。

まだまだある! PRO-G1、PRO-S1の進化ポイント

大幅な小型化と軽量化の実現

作品制作に欠かせないA3ノビのプリントサイズを保持しながら容積比約85%のサイズダウンと約5.6kgの軽量化を達成したことにより設置の自由度が向上しています。

3.0型液晶パネルの採用

3.0型液晶パネルの採用により、インク残量やメンテナンス情報などのプリンター状態をひと目で確認ができるようになりました。利便性が大きく向上したほか、液晶パネルに充実した操作ガイドやエラー時にオンラインマニュアルにつながるQRコードを表示できるなど、扱いやすさも増しています。

インク残量の確認やWi-Fiの設定など各種情報をプリンター本体で確認できます。

プリント速度の高速化

プリント速度の高速化も図られました。一般的にプリント時間がかかりがちな顔料インクを採用するPRO-G1においては、約2分50秒(A3ノビ/フチあり)と高速化。PRO-10Sの約3分35秒と比較して約20%速くなり、作業効率が高まっています。

快適なプリント環境の前提条件「カラーマネジメント」

高画質なプリントを実現するためにできれば導入したいのが、モニターを含むカラーマネジメント環境です。PRO LINEシリーズのプリンターはカラーマネジメントシステムに対応していますので、快適な環境でプリントを仕上げることができます。

きちんと調整できるモニター環境さえ用意すれば、PRO-G1、PRO-S1対応ソフトの「Professional Print & Layout」を使用し、用紙の種類を選択するだけで、モニター表示と一致するカラーマネジメントによるプリント環境を簡単に構築できます。

「Digital Photo Professional 4」(DPP 4)による調整イメージ。カラーマネジメント環境があれば繊細な調整も行いやすくなります。

プラグイン出力に対応したソフト「Professional Print & Layout」

PRO LINEシリーズプリンターでお馴染みのプラグイン出力に対応したソフトウェアは、これまでの「Print Studio PRO」から、「Professional Print & Layout」(以下PPL)にバージョンアップ。PPLでは、これまで同様、「Digital Photo Professional 4(DPP 4)」や「Adobe Photoshop」シリーズなどのアプリケーションからのプラグイン印刷による、明快で簡単なプリントワークフローを実現しています。

明るさや色合い、コントラストなどの値を少しずつ変化させたサムネイルを印刷可能。サムネイルの下には設定値が印刷されるので、選んだサムネイルの値を入力することで正確な色調整ができます。
画像のカラーバランスや明るさ/コントラストを確認できるパターンを印刷できます。

また、PPL単独での起動をサポートしたことにより、画像ファイルを開くDPPなどの親アプリケーションがなくても画像ファイルから直接プリントできるようになりました。画像をドラック&ドロップするだけで画像ファイルを開くことも可能です。

印刷したい画像をPPL画面上にドラッグ&ドロップ。直感的な操作が快適です。

キヤノンのPRO LINEプリンターは、これまでにも染料インク、顔料インクそれぞれの優れた特性を生かす方向で進化してきました。今回の比較レビューで試した結果、インクごとに違うそれぞれの持ち味を生かしながら弱点を改良し、高いレベルでの仕上がりを確認できました。

最終的に顔料機であるPRO-G1を選ぶか、染料機であるPRO-S1を選ぶかは、目的や好みによるところが大きいのですが、どちらを選んでも後悔することはないでしょう。
Canon ID登録者限定のプリンター買い替えサービス「らくらく買替便」でもPRO LINEプリンターをお買い求めいただけます。ぜひ皆さんも最高の品質で仕上げたプリントを体験してみてください。

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https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/review/proline-printer-review
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/review/proline-printer-review/image/1740_proline_printer.jpg?la=ja-JP&hash=6D05A4753180824CB2727649EB136296
2020-11-10
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