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うさぎ島で暮らす、うさぎたちの命のきらめきに魅入られて。

Photo : Uta

うさぎ写真家のutaさんご夫婦は根っからの動物好き。とりわけ目に入れても痛くないほど愛でるのは、うさぎ。そのかわいさ、たくましさから愛でる対象である一方で「うさぎの神棚を作りたい」と話すほど、ふたりにとっては自分たちの人生を導いた神様のような存在。感謝と敬愛の気持ちを込めて全国のうさぎたちを撮影し、「うさぎ島」として知られる大久野島へ頻繁に足を運んではありのままのうさぎの姿を写真におさめる日々。おふたりだから撮れるうさぎのいきいきとした様子はどうしたら撮れるのか、見られるのか。そしてその愛の根源とは?

PROFILE

うさぎ写真家uta(うた)

うさぎを専門的に撮影する写真家夫婦。2000年より大久野島で暮らすうさぎの撮影をはじめ2011年より移動式のうさぎ撮影会を実施。うさぎへの愛が深くうさぎ用の作物作りも開始。

うさぎの島「大久野島」との出会いからはじまった

私たちとうさぎさんの物語は瀬戸内海に浮かぶ島、大久野島から始まります。最近では「うさぎの島」として知られるこの島にはうさぎさんが多く暮らし、うさぎを目的に訪れる人も絶えない観光スポットです。

この島に私たちがはじめて訪れたのは2000年のこと。当時恋人同士だった私たちは本当になんの気なしに遊びにきたのですが、なんだか気づけばその可愛さにはまっていまして。気づけば大久野島へ足繁く通っては島で暮らすうさぎさんを写真に撮る生活が当たり前になっていきました。

いきものとしての可愛さ、ふわふわとした体毛の愛らしさなどぱっと見の魅力ももちろんですが、惹かれていったのは、ある意味弱い立場のうさぎさんが健気に生きている姿に感動したり元気をもらったりというところにあるのかもしれません。犬や猫は基本的に捕食側ですが、うさぎさんは捕食される側じゃないですか。その差は大きいと思っています。

そんなうさぎさんたちは、完全に自然とは言えないですけど、夏は暑くて冬は寒い、大雨に晒される日もあれば全く雨が降らずに干上がりそうな日などどんなに厳しい環境下でも自分たちの力だけで餌を探して巣穴を掘って赤ちゃんを産んで育てて命をつなげています。かよわくて、かわいくて、たくましい。そのすべての行為に感銘を受けてしまったんですよね。

以来22年間、大久野島でのうさぎさんの撮影を続け、夢物語だと思っていた「うさぎ専門写真家」として2017年に夫婦ユニットとしてスタートすることができました。

島で暮らすうさぎのありのままの姿を愛で、写真に撮る

大久野島での撮影では、うさぎさんたちに人の影響が及ばないよう可能な限りありのままの姿を捉えるように細心の注意を払っています。島のうさぎさんたちは人の気配を察知すると近寄ってきたり餌をねだったりしてしまいます。それはそれでかわいいですし、餌で撮影したいポイントに誘導することもできるのですが、私たちはうさぎさんたちが自分たちの意志でいたいと思う場所に、ありのままの状態でいることが一番だと思うので、そういったことはしないように心がけています。

聴力もよいですが視野も広くおよそ300度ちかくの範囲を見ることができるうさぎさんには、どれだけ背部を狙って近づいてもばれてしまいます。なので、一度認識されていても「人じゃないよ、ちがうんだよ」と心の中で念じて(笑)。息を殺してとにかく静かな音でポジションをとり、望遠レンズでねらいを定めます。

どうしてもうさぎのふれあいとなると餌をあげる方向にいきがちですが、遠くから離れた場所で「うさぎさんの自然の営み」を眺められるようになればもっとうさぎさんの可愛さがわかるようになるんじゃないかと思います。

子うさぎが母うさぎのもとへ駆け寄っていく様子や、ただごろごろと寝転ぶ様子、丸まって目を瞑って寝てしまった様子、ときには激しく喧嘩することもあればカップルが仲良く寄り添ってグルーミング(毛繕い)してあげる様子……。

動物園やふれあい園ではみられない、この島ならではの貴重な素の姿に出会えると思います。それはね、やっぱり大久野島に来て、見てもらいたいものです。

我が子のようにかわいい「しろくま」

寝落ちする瞬間、まるで電池がきれてしまったかのように音を立ててバタッと横転びしてしまうアメリカンファジーロップの「しろくま」。かつて私たちが我が子のように生活を共にしたうさぎさんです。

全国を移動しながらたくさんのうさぎさんの撮影をしてきた私たちですが、後にも先にもこんな寝方をする子は見たことがありません。おっとりしていてよく寝る子で、目に入れても痛くないほどかわいい子でした。

なににつけても私たちは「しろくまファースト」。温度が低ければ低いほど元気な子でしたので、私たちの家では室温15度が当たり前。どんなに炎天下の夏でも家では人間がちゃんちゃんこを着て寒さを凌ぐ暮らし。当然のことながら人間は万年体調不良でした(笑)。

フンを毎日手にとって観察するというのもうさぎ好きの習性かもしれませんね。健康チェックのバロメーターではあるんですが、手にとってアートにされたりわざわざ写真に撮って記録することもよくあります。……犬や猫の飼い主さんに言うとみなさん引かれますけれども。

そんな子が身近にいると、どこに出しても恥ずかしくない親バカですので、しろくまはどんな状態でもかわいくて家にいれば無限にシャッターを切ってしまいます。うさぎさんを飼っていらっしゃる方は共感いただけるかもしれません。

ここで敢えて室内飼いのうさぎさんを撮影するポイントを挙げるならば、低い位置から見上げるようにして撮影することです。カメラにしてもスマートフォンにしても真下から撮る。そのくらいでちょうどいいくらいですね。あとは薄いレースのカーテン越しにやわらかな自然光が入る中での撮影もいいですね。ふんわりとしたうさぎの毛のやわらかさが伝わりやすいと思います。

うさぎは崇め奉る、かわいいだけじゃない存在

今、家に神棚を作ろうと思っています。うさぎさんを祀る神棚です。私たちにとってうさぎさんはなくてはならない存在。「うさぎ専門写真家」としてやっていけるのも日本を飛び越えて世界中にうさぎさん好きのお友達ができたのも、全部うさぎさんのおかげ。

うさぎさんと出会っていなければ全く違う人生だったはずです。ちょっとおかしいくらい好きですし、敬愛と感謝の気持ちでいっぱいなんです。

好きをかたちにするヒント

かわいいうさぎに会いに行こう

好きなものを飾ったり、写真に残したり、アルバムにしたり。あなたの「好き」をかたちにするアイデアをご紹介します。

うさぎの島でお気に入りの一枚を

うさぎの写真はとにかくたくさん撮ることがおすすめ。大久野島で出会ったうさぎの写真を撮って、とっておきの一枚を残しましょう。

思い出をすてきに飾ろう

いちばんの思い出の写真は、お手製のフォトパネルで飾ってみませんか。フレームがなくても、プリンターがあればかわいいデザインのフォトパネルが簡単に作れます。

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うさぎ島で暮らす、うさぎたちの命のきらめきに魅入られて。
https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/life-style/itoshino/list/rabbit
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/life-style/itoshino/list/rabbit/image/thumbnail-main.jpg?la=ja-JP&hash=1B3B4F3D3F0B5755BA7388603563FFD9
2022-03-04