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1日3食かき氷!?愛にあふれる伝道師こと「かき氷マニア」として生きる。

公開日:2021年7月25日

最終更新日:2022年4月28日

Photo : sumomo mitsu

1日最大9杯ものかき氷を食したこともある、かき氷マニアのすもも蜜さん。「毎食かき氷でも構わない!」と豪語するほどその愛はアツアツ。氷の薄さや口溶け、シロップとの比率など氷菓子そのものの美味しさのみならず、氷削り機の種類からマイスプーンを特注するまでかき氷を食べるための観察と研究、努力も怠りません。マニアを自称する前からその美味しさを布教していた彼女に、語り余るほどの魅力をあらためて伝授いただきました。

PROFILE

すもも蜜(すももみつ)

かき氷マニア。「かき氷さえあれば生きていける」ほどかき氷を愛し、食べ、撮影してはその魅力についてSNSを中心に発信する。

三度の飯よりかき氷

2011年、衝撃的なかき氷との出会いで私の人生は大転換を迎えました。

肌寒さを感じる秋のある日、いきなり私はかき氷好きとなる原点のひと皿に出逢ってしまったのです。一般的にはかき氷のオフシーズンだったにも関わらず。それは、いままでに食べてきたジャリジャリのかき氷とはまるで別物。氷はものすごいふわふわで、私は氷そのものの美味しさに開眼。シロップはと言えば、氷の良さを引き立てる絶妙なバランス。自分の中での「かき氷革命」がこの日、起きました。

はっきりと言い切れますが、そこからの私はと言えばかき氷のために働き、かき氷を食べるために早く退社するようになりました。これが気づかれてるとしたら同僚や上司に恥ずかしいんですけれども、そうやってかき氷を食べることを自分の原動力にして日々生きているんです。

自分で楽しむだけでは飽き足らず、「かき氷マニア」という肩書を名乗る前から個人的にかき氷のフォトブックを作っては会社に持参し、その魅力をみんなに広めていました。机の上に置いたフォトブックに気付いて、みんなが声をかけてくれるのを待っては布教活動(笑)。今思えば結構なお偉いさんとのランチでも、「わたしの写真集みてください!」って言って驚かせたこともありましたね。

かき氷のなにがいいって、特に空きっ腹に冷たい氷が入っていく感じです。とにかくたまりません。体の中にスッとかき氷が入っていくあの感触。かき氷機の種類や、同じお店でも削る人の力加減でだいぶ変わります。お店に入ったら、私はかき氷機のメーカーまで目を凝らしてます(もちろん立ち歩いてみるということではありませんが、お店の人からしたらどこまで見てるんだって思うでしょうね……)。かき氷機の名前もいいんですよ、初雪とかスワンとか。企業秘密なのでどこのお店がどうということは発信しませんが、そういうところまで見るのも好きです。

話が脱線しました。というところで、さっきの「空きっ腹に氷がいい」という話を酒好きの先輩に話したら「わかる。俺の場合は酒だけど」と意気投合したんですが、そういうものみたいです。とにかく、かき氷を食べる前は何も食べずに臨みたい。で、かき氷を食べた後、しばらくしたらお腹が減るのでまたかき氷が食べたくなる。その後に買い物をしたらまたお腹が減ってかき氷が恋しくなる。まさに三度の飯よりもかき氷が好きというか。そうやってると自然とごはん代わりにかき氷を食べてるな、みたいになってくるんです。

意外とかき氷だけで栄養も取れるんですよ。野菜のかき氷がありますから。トマトやカボチャなどですね。栄養の偏りも全然ないなと思いながら、1日に食べるかき氷のメニューのなかでバランスをとる。さっきは野菜系シロップを食べたから、デザートにはショートケーキ風のかき氷にしようとか。駆けつけいっぱいに丁度いいかき氷もあれば、お口直しのソルベのポジションになるものもある。そういうことを思い浮かべながら食事代わりにも、デザートとしても食べ分けています。

かき氷のハイシーズンは冬

私が思うに、「冬こそかき氷」なんです(それを聞いた周りの知人たちは「なんかこいつやばい」って思っているでしょうが)。人一倍寒がりの私がダウンを着てまで寒い冬にかき氷を食べる理由。それは寒くても美味しく食べられるかき氷こそ、真に美味しいかき氷だと思うから。暑い時期に食べるかき氷は、涼をとるためのもの。真の意味で、かき氷本来の美味しさを味わうには冬に食べるのがいちばん!暑いときのかき氷と、寒いときに食べるかき氷。それぞれ目的が違うと思うんです。

しかも冬ならばお店も比較的空いています。空いているからこそ、お店が仕込みに十分な時間がかけられる。手の込んだ、こだわりのシロップを作ることができるということなので、冬こそ一工夫された、こだわりのかき氷を食べることができるんですよ。実際、冬でもかき氷を出しているお店は本気なんです。オンシーズン問わず、ただかき氷と向き合っていますから。そういうわけで冬にこそ美味しいかき氷と、その名店に出会いやすいんですよ。

かき氷撮影の鍵は、イメトレと事前準備!

かき氷をどれだけ食べて、記録してきたか。正確な数でカウントしたことはないのですが、長年愛用してきたカメラのシャッター耐久回数を超えてしまったことからすると10万回をはるかに超えているようです。かき氷の蜜をかけるときなんかは勝負ですからね。かなりの高速連写をかますので、周りにいる人は銃で撃たれてるんじゃないかと錯覚すると思います(うまく蜜をかけられないと、もう1杯食べたくなるのでおかわりします)。

そもそもかき氷って儚い食べ物なもので、席に届いたときがピークなんです。食べごろの。すぐ食べ始めないとどんどん溶け始めちゃう。「美味しいときに食べたい!」と「撮影したい!」という気持ちを両方成立させるために、どの位置に置くか、うつわの向きと角度をどうするか、光加減はどうかを事前に準備しておく必要があります。それを入店してから、かき氷が運ばれてくるまでに完了させておく。その代表的な作業が、おひやをかき氷に見立てて試し撮りもしておくこと。かき氷やさんって店内が暗いところが多いので、テーブルの上でできる限り光がまわる位置を探して、明るさいっぱいに取り入れられるようにしています。

さらに言えば、お店に伺う前日か前々日からのイメトレも必須。SNSなどでお店を事前リサーチして、うつわの高さはどうかとか、撮影向きの席はどこかとかをチェックしておきます。もし選べるようだったら、光が入りやすい窓際を選べるようにして。

いざかき氷が運ばれてきて、定位置において、片手でスプーンをもって上げ下げする様子を重量のある一眼カメラを片手で支えながら写真におさめて……それも、できるだけ速く、氷が溶け始める前に終える。そこまではもう、戦いです。1分1秒を争うのでめちゃくちゃ集中していて、とにかく忙しい。それが終わったらようやく一息つけて解放される。やっと食べて味わう至福モードに突入ですね。

そうやって私は実物以上に、かき氷を撮ってそれをみんなに広めたいと思っているんです。かき氷好きの中には自分の好きなお店を教えたくない人もいるでしょうけど、私は逆で。かき氷が好きな人が増えれば、食べる人も増える。そうするとかき氷やさんもどんどん増えて、増えれば増えるほどレベルの高い、美味しいかき氷に出会える機会が増える。要は、かき氷界の底上げみたいな感じで。かき氷好きが増えることで、業界としてもいい効果が生まれるんじゃないかと思うんです。もちろん、まわりまわって私も美味しいかき氷が食べられる。仕事としてではなく、ピュアな好きという気持ちで、かき氷を愛し、広める活動が続けられればと思っています。

好きをかたちにするヒント

かき氷の一番美味しい瞬間をとらえる

好きなものを飾ったり、写真に残したり、アルバムにしたり。あなたの「好き」をかたちにするアイデアをご紹介します。

かき氷の美味しさを伝えるコツ

かき氷を美味しく撮りたいときには、お店選びも含めてリサーチが大切。美味しく撮るためのイメージトレーニングをしてみましょう!

カフェでのかき氷を楽しむ

暗いお店の中で撮る写真も、いくつかのコツを覚えて撮影すれば、雰囲気のある写真に。カフェで撮影する写真をもっと楽しんでみませんか?

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1日3食かき氷!?愛にあふれる伝道師こと「かき氷マニア」として生きる。
https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/life-style/itoshino/list/kakigori
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/life-style/itoshino/list/kakigori/image/thumbnail-main.jpg?la=ja-JP&hash=C5EEF9AF36F2DD74D9D4088D19B22BFE
2021-07-25