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第6回 RF24-70mm F2.8 L IS USM

「RFレンズってどうなのかな?」「いい評判は聞くけど、なかなか手が出ないよね……」と気になっている皆さんのための連載です。
RFレンズに興味津々のフォトグラファー・中西祐介さんが、毎回1本のRFレンズを本気で試し撮り。〈買い〉かどうかを率直に判定します!

今回試すのは、標準ズームレンズ「RF24-70mm F2.8 L IS USM」。
Rシステムの中核と期待される大口径標準ズームレンズが登場です。広角〜標準域は、ショートフランジバックを生かした光学設計ができるミラーレス用のレンズが性能的に優位といわれますが(受け売りの知識・笑)、さて、実際のところはどうなのか。
中西さん、いかがでしたか?

このRFレンズ〈買い〉ですか?

写真と語り:中西祐介(フォトグラファー)

EOS R・RF24-70mm F2.8 L IS USM(焦点距離 24mm)・F8・1/500秒・ISO100
作例1 青空と灯台

夏が終わりに近づいた日に、海の近くへ出かけたときの一枚です。肩から掛けていた RF24-70mm F2.8 L IS USMを手に、空を見上げてみました。重たく感じるレンズだと、なかなか気軽に「ちょっと撮ってみよう」という気にならないものです。

操作に慣れないうちは違和感がありましたが、この RF24-70mm F2.8 L IS USM は構えたときのバランスがよく気に入りました。サッと構えて気軽にスナップ。そんな撮り方ができそうなレンズです。

撮影時のグリップ性とバランスの向上については、「第4回(特別編)開発者に聞いた「F2.8 L IS シリーズ」のヒミツ」ページの撮影時のグリップ性とバランスの向上。どのように?をご覧ください。

EOS R・RF24-70mm F2.8 L IS USM(焦点距離 48mm)・F5・1/1000秒・ISO100
作例2 子供のポートレート

雨の日に、傘を差して歩く女の子を撮りました。自然な表情を撮りたかったので、歩いてもらいながらシャッターを切っています。
子供の動きは予測がつきません。スポーツ同様にAFのスピードや正確性が求められるケースが多くあります。RFレンズは、全体的にAFに関するストレスが軽微。静かに、しかも素早く被写体にピントを合わせてくれますよ。

また、ふんわりとした背景のボケ味にも注目を。子供のかわいらしさを表現するのに、ひと役買ってくれています。

EOS R・RF24-70mm F2.8 L IS USM(焦点距離 45mm)・F6.3・1/250秒・ISO2500
作例3 男性のポートレート

着物の男性のポートレートです。しっとりとした奥深い雰囲気を作りたくて、大型ストロボを使い黒い背景の前で撮影しました。こんなときは、その場の空気感まで写し込める気がするRFレンズ一択です。大型ストロボが作り出す強めの光もしっかりと受け止めてくれました。

とくに着物の質感描写は、さすがRFレンズ。細かい素材の手触りがわかりそうです。今後もポートレート撮影は、このレンズでいきたいですね。

EOS R・RF24-70mm F2.8 L IS USM(焦点距離 70mm)・F2.8・1/160秒・ISO100
作例4 タマゴ

白い卵の佇まいを人物のポートレートのように撮影してみました。できるだけピントの合う幅を狭くし、ボケ味を最大限に生かすために、絞りは開放にしました。それでもピントを合わせた部分は、極めてシャープでした。 レンズの実力が試される逆光の条件でもこの描写力。レンズの「自信」さえ感じてしまうほど!

前後のボケ味の中にストーリーがあるように思えて、それがメインの被写体である卵を際立たせてくれています。

EOS R・RF24-70mm F2.8 L IS USM(焦点距離 70mm)・F2.8・1/30秒・ISO500
作例5 造花

卵に続いて、バラの花をポートレート風のアプローチで撮影してみました。こちらも絞りは開放F2.8で撮影しています。静物さえポートレートのように写したくなる。そんな表現力があるレンズなんですよね。

5段分の効果が得られる手ブレ補正機構は強力。この写真はシャッタースピード1/30秒ですが、手持ちで十分。三脚を使わずフットワーク軽く撮れます。ポートレート撮影でも強みを発揮するでしょう。

RF24-70mm F2.8 L IS USM の最短撮影距離は0.21m(焦点距離 24mm時)。かなり寄れるレンズです。これによって被写体までの距離をより自由に選択できるようになりました。被写体との距離が変われば、表現の幅も大きく広がります。これは大変うれしいことです。

EOS R・RF24-70mm F2.8 L IS USM(焦点距離 70mm)・F2.8・1/160秒・ISO1600
作例6 猫

自宅でベッドにいた猫を撮影しました。窓から入ってくる柔らかい光の表情をそのまま写しとめてみようと思いシャッターを切りました。

肉眼で見た光をそのまま写真にする。それは簡単なようでいて、なかなかうまくいかないものです。今回はバッチリ写しとめてくれました。

EOS R・RF24-70mm F2.8 L IS USM(焦点距離 28mm)・F2.8・1/100秒・ISO1250
作例7 厩舎

馬の厩舎は、とても大好きな場所の一つです。そこは馬にとってのホームグランド。いい表情に出会えるのではないかと期待を膨らませて撮影に行きます。

この日は RF24-70mm F2.8 L IS USM だけを持って撮影。ズームリングを広角側にして、画面の奥行きを強調して、この場の空気を閉じ込めてみました。
撮影協力:日本大学馬術部

EOS R・RF24-70mm F2.8 L IS USM(焦点距離 35mm)・F2.8・1/320秒・ISO800
作例8 馬と騎手

ライフワークである馬と人のポートレート。人馬の絆にある優しさを撮りたくて、レンズを向けてみました。暗い条件だったので絞りは開放F2.8。絞り開放で高画質を誇るレンズは、いつでも安心して使えます。そして、頼もしい。

仕上がった写真は、自分の予想を超えたいい瞬間をとらえていました。
撮影協力:日本大学馬術部

初めてのRFズームレンズとして〈買い〉推奨。

RF24-70mm F2.8 L IS USMを装着したEOS R

EFレンズ時代から使用頻度が高かった標準ズームレンズ24-70mm。利便性と高画質を両立させたレンズで、どんなシーンでもこの一本は外すことができませんでした。

「F2.8 L IS シリーズ」の一角を担う使用頻度の高い標準ズームだからこそ、新たに登場した RF24-70mm F2.8 L IS USM にも相当期待していました。
実際に使ってみた印象は、「私の期待よりも一歩先」。標準ズームレンズの新たなスタンダードになりそうです。手に入れて後悔することはないでしょう。

その魅力を一言で言うなら、こういうことだと思います。

RF24-70mm F2.8 L IS USMを一言で言うなら「このレンズでRFの進化を感じてほしい。」

プロフィール

中西祐介
中西祐介(なかにしゆうすけ)

1979年 東京生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業後、講談社写真部、アフロスポーツを経て2018年よりフリーランスフォトグラファー。

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第6回 RF24-70mm F2.8 L IS USM
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/interview/nakanishi/column06/image/nakanishi06.jpg?la=ja-JP&hash=16F99C09DB5E7D15B01741B27CDC946E
2019-11-29
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