プロセスまで美しい!喫茶トラノコクが指南する“おいしいホットケーキ動画”の作り方
公開日:2021年11月17日
動画を撮るのがすっかり日常になり、SNSでの動画人気も高まるなか、もっとクオリティにこだわりたい!と思っている人も多いのでは?本格的なカメラで撮った写真とスマホで撮った写真に大きな差があるように、動画だってカメラとスマホでは大違いなんです!そこで今回は、小型・軽量ボディーで、気軽に高画質動画が撮れると話題のミラーレスカメラ「Canon EOS Kiss M2」を使って、喫茶トラノコクさんが動画を撮影。YouTubeでさまざまなフード動画を投稿している喫茶トラノコクさんが、ホットケーキを作るプロセスとともに、おいしい動画を撮るための“レシピ”を公開してくれました。「Canon EOS Kiss M2」だからこその機能と表現力で、できあがりはもちろん、プロセスまで美しい!ショートムービーのような動画をお楽しみください。
PROFILE
絵本に出てきたあの食べ物、食べてみたかった夢のおやつをテーマに、フード写真や料理動画などを発信している5人のクリエイターユニット。SNS上で空想の喫茶店「トラノコク」を営業しながら、いつか現実の喫茶店を開くことを夢見る。YouTubeチャンネル「空想喫茶トラノコク」開店中。
喫茶トラノコクが撮影!ホットケーキができるまで
今回は喫茶トラノコクの看板メニューのひとつ、“ホットケーキ”ができるまでをCanon EOS Kiss M2で撮影しました。カメラの機能をふんだんに活用することで、より工程に着目することができ、時間軸の緩急がついた動画に仕上がったと思います。
ここからは、ホットケーキを作るプロセスに合わせて、動画のポイントや、撮ってみて感じたことを詳しく紹介していきます。
プロセス1:ボウルに生地の材料を入れる
作る工程をスローモーションで“おいしそう”に表現
まずはホットケーキの生地作り。EOS Kiss M2のモードダイヤルを「動画撮影」に合わせ、手持ち、または三脚に設置して撮影スタートです。卵を落とす位置にピントを合わせ、ホットケーキミックスに卵を割り入れ、牛乳を注ぐところをスローモーションで撮影。
【Movie Point】
120フレームでの撮影は人間の感覚だと感じ取れない動きまで捉えて、印象的なシーンを撮影することができ、表現の幅を広げてくれます。「Canon EOS Kiss M2」は、「ハイフレームレート」を「入」にするだけで、すぐにスローモーション撮影ができる簡単さがいいですね。今回は自然光で撮ったので、色温度を5000K~6000Kに設定しました。スローモーション撮影する時はシャッタースピードが上がり、明るさが抑えられるため、明るい窓際などで撮影するのがポイントです。
使用レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
プロセス2:ホイッパーで生地を撹拌
小型・軽量&手ブレ補正機能で手持ち撮影も自在
ボウルに材料を入れたら、ホイッパーで生地を混ぜていきます。混ぜ始めるとすぐに、混ざり具合が目に見えて変化していくので、ピントを確認しつつ、さまざまな角度から手持ちで撮影。料理は完成形だけではなく、その工程も“おいしそう”という感覚を刺激する大事なシーンだと私たちは考えます。
【Movie Point】
コンパクトで、レンズを含めても軽量なので、調理している肩越しのショットや高めから撮りたいシーン、全体を捉えたい真俯瞰の写真にもすぐに手持ちで対応できました。身軽に動けるので、画面の寄り引きや撮る角度など変化をつけやすく、構図のバリエーションも増やせます。 また、EOS Kiss M2は手ブレ補正機能が素晴らしく、状態が変わりやすい料理撮影と相性抜群!普段は編集の段階で手ブレを補正しているので、今回は撮った瞬間の動画を確認した時に正直びっくりしました。三脚が必要ないくらいのレベルで、もはや補正の必要はなく、編集する時間もいつもより短縮できました。
使用レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM、EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
プロセス3:フライパンに生地を流し込み焼き始める
タイムラプス動画で生地が膨らむ“ふつふつ感”を印象的に
混ぜ終わった生地をフライパンに流し込んでいきましょう。焼き始めて少し経つと生地がふつふつしてきます。そのシーンは、長い時間を早送りのように撮影できる「タイムラプス」機能を使って撮影します。ここも印象的なシーンなので、角度を変えたカメラを複数設置。三脚にしっかりと固定して、ホットケーキが膨らんでいく様子を撮影します。膨らみ具合に注意しながら、どこまで膨らむかの予想を立てて、前もってピントを合わせておくのがコツです。
【Movie Point】
EOS Kiss M2の「タイムラプス」機能はシーンに合わせたモードがあったり、マニュアルで細かく設定できたりするのも優秀。撮影間隔や枚数、撮影時間、完成した時の映像の尺が表示されているのも、わかりやすいです。撮影後はカメラ内で仕上がりを確認できるので、完成イメージもつかみやすい。また生地の流し込み始め、流し終わり、広がっていく様子など、流動的なものの撮影では押さえたいシチェーションが複数あるのですが(このシーンは完成動画でご覧ください)、ズームレンズが大活躍!1回の撮影で寄り引きをカバーできるのがよかったです。
使用レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM、EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
プロセス4:生地をフライ返しでひっくり返す
ハイフレームレート動画で動きをドラマティックに
焼けてきたら生地をフライ返しでひっくり返します。肉眼では追えない一瞬の出来事も、スローモーションで記録できる「ハイフレームレート」を「入」にして撮影。いつもはなにげなくやっている動作も、スローモーションにすることで非日常感を表すことができます。日常のなかにある、心ときめく瞬間や好きなシチュエーションを「ハイフレームレート」で撮影して、ドラマティックに演出してみるのも楽しいと思います。
【Movie Point】
何度かひっくり返して、ピントや画角、返す方向をいろいろと試しながら撮っていきます。スロー撮影の際はより動きが出るように、いつもより動作に勢いをつけるように心がけると、映像にダイナミック感が出るのでおすすめ。スローを取り入れることで動画全体を通してみた時に、緩急がつくのもポイントです。
使用レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
プロセス5:ホットケーキを重ねてバターを落とす
バリアングルモニターで確認しながら完成シーンを劇的に演出
焼き上がったホットケーキを重ねて、バターをのせて仕上げ。ホットケーキを積み重ねる動きをタイムラプス動画にすることで、最後にタワーとなった完成シーンの達成感を強調し、非日常的な画の面白さでインパクトをプラスします。 普段からユニットで撮影している私たちにとって、便利だったのが「バリアングルモニター」。撮影者と料理の作り手がそれぞれ見やすいように、モニターを動かしながら、いろいろな目線で確認できるのは大きなメリットですね。ひとりで撮影する時は、カメラを三脚にセットすれば、自分の手の動きをモニターで確認しながら撮影できて、さらに便利なはずです!
【Movie Point】
お皿を準備したら、カメラをホットケーキの正面にくるよう三脚に固定。「タイムラプス」モードに設定して、ホットケーキを積み重ねていくシーンを定点観測します。続いてタワーになったホットケーキの上にバターをのせる工程を通常の動画撮影モードで。 タイムラプス動画はホットケーキを重ねていく人の動きまで画面に入れて、バターをのせるプロセスは手元の寄りに。中景から細部にフォーカスする画までをバランスよく取り入れることで映像にメリハリをつけています。
使用レンズ:EF-M32mm F1.4 STM、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
プロセス6:ホットケーキにはちみつをかける
4K動画撮影で、はちみつの“とろとろ感”の静止画を切り出し
いよいよ仕上げ。はちみつがホットケーキの階段を流れていく様子を、フルHDの約4倍という高解像度の4K動画で撮影します。映画のようなクオリティの高精細な動画が撮れる4Kモード撮影では、撮影した動画のひとコマを静止画としてきれいに切り出すことができるんです!しかも切り出し作業はカメラ内でもおこなえます。
4K動画から切り出した静止画は、なんとこの美しさ!
動画からここまで美しい静止画を切り出せるのは、EOS Kiss M2の4Kモードの最大の魅力!ここだ!というシーンは4Kで撮るのがおすすめです。料理は作る工程にも印象的で絵になるシーンがたくさんあるので、動画のひとコマが思いがけないベストショットになることも。使うレンズによって、さらに表現の幅が広がると思います。
【Movie Point】
はちみつをかけるシーンは、この動画のクライマックスともいえる部分。カメラ2台で違うアングルを押さえおく価値大!まずは「動画記録サイズ」を「4K」に変更。カメラ2台を、「トライポッドグリップ」と三脚を使って別角度に設置します。この時、マクロレンズを使用すると、はちみつのとろりとした艶やかな質感をより美しく、ピンポイントで押さえることができます。「トライポッドグリップ」があると、卓上に置いて三脚スタイルでお料理に近い目線で撮影したり、手持ちに切り替えたグリップスタイルでシズル感を捉えたり、場面に応じて活躍してくれるので便利です。
使用レンズ:EF-M32mm F1.4 STM、EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
プロセス7:コーヒーを注ぐ
スローで捉えて液体の美しさを際立たせて
ホットケーキに寄り添うドリンクはホットコーヒーをセレクトし、スローモーションで撮影。一瞬で通り過ぎてしまうような日常的なシーンも、スローモーションにすることで物語のように描写することができ、映像が上品な雰囲気に。速度がゆっくりになると見え方も変わってくるので、ここを見せたい!という場面や動画に抑揚をつけたい時などに取り入れてみると面白いと思います。
【Movie Point】
液体を注ぐシーンはスローで捉えるとより美しい映像に仕上がるので、モード切り替えで「ハイフレームレート」を「入」にして、スローモーションで撮影します。なるべく明るい窓際に移動し、カメラを三脚に固定して、カップに注ぎ入れるまでを撮影。液体の美しさが際立ちます。使用レンズ:EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
喫茶トラノコクの総力を結集した完成動画!
こちらが最初にも紹介した、各プロセスの動画などをつなげて作った完成動画です!
これまでもおいしいシーンにフォーカスを当てて動画作りをしてきましたが、今回は機能性の高いEOS Kiss M2を使用したことで撮影の選択肢が広がり、シーンに合わせていろいろな表現を楽しめました。
ホットケーキを作る、なにげない工程のひとつひとつにピントを合わせ、見ている人がおいしい気持ちになれるよう編集したのがこの完成動画です。なかでも一番感情が揺さぶられるのは、やはりはちみつをかけるシーン!一発勝負ともいえる部分ですので、カメラを2台設置して、ピントを予測し、はちみつの流れを計算しながら角度調整するなど、実はかなり綿密に準備しています。メンバーの総力をかけてできあがったシーンですので、ぜひご注目ください!
最後には「残さず食べる!」というトラノコクのメンバーのモットーで、意気込んで食べているおまけシーンもありますのでお見逃しなく。
喫茶トラノコクさんがCanon EOS Kiss M2を使ってみて感じたこと
初めての方にもわかりやすい操作性のうえ、本格的な撮影設定もできる、魅力的な機能がいっぱい詰まった素敵なカメラだと思いました。小型・軽量で使いやすく、撮るのが楽しくなります。喫茶トラノコクはスタジオで料理する以外にも、喫茶店内で撮影をさせてもらったり、ピクニックに出かけたりといろいろなシチュエーションで撮るので、スペックとコンパクトさを両立できるカメラというのは、長く付き合っていくうえで大事なポイントです。その点、この「Canon EOS Kiss M2」の汎用性の高さは、私たちにとって理想通りでした。
料理以外にも、おうちで飼っているペット、家族や友達など動いている人物、スポーツのようなアクティブなシーンを撮影する時にも活躍してくれそうなカメラですね。これからカメラをはじめてみたい方、いろんな用途に使えるカメラが欲しい方など、幅広い層のユーザーに合うと思います。みなさんも「Canon EOS Kiss M2」で、動画をカメラで撮る楽しさを味わってみてはいかがでしょうか?
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EOS Kiss M2は、販売終了となりました。EOS Rシステムの初心者向けミラーレスカメラ EOS R50もおすすめです。