いつもカメラと一緒に。「散歩の中で見つけた私の愛しのブルー」
公開日:2021年7月7日
写真は特別なときに撮るもの?いいえそんなことはありません。道端で見かけたなんだか気になるモノ、一瞬で色を変える空、好きが詰まったあのカフェ。シャッターチャンスはありふれた日常の中にも溢れているし、カメラと一緒だからこそ見える光景や、新たな気づきもあるもの。だからカメラって楽しいんです!
そこで今回は、フルサイズなのに気軽に持ち歩ける小型・軽量のミラーレスカメラ「Canon EOS RP」を持って、ライター兼フォトグラファーである、"ぽんず"こと片渕ゆりさんが、お散歩へ。独自のちょっとレトロな青色が「#ぽんずブルー」として話題のぽんずさんがお散歩途中に切り取った「愛しのブルー」を、“写真のレシピ”とともにお楽しみください。
PROFILE
片渕ゆり(ぽんず)ライター、フォトグラファー 1991年生まれ、佐賀県出身。京都大学卒業後、コピーライターを経て、世界各地をまわる旅を開始(現在、旅はお休み中)。カメラ歴は9年。GENIC Webにてコラム「ぽんずのみちくさ」連載中。
1.切り取ればサーカス
ビルを彩るカラフルな豆電球。ずらりと並んだ様子を写真に撮ると、サーカスを連想させる雰囲気に。日常の一角に愉快な意匠を見つけて、なんだか気分も弾みます。
写真のレシピ
- 1.横から撮って奥行きを出す
- 小さい被写体は、真正面から撮ろうとしたら寂しい印象に。向きを変えて横から撮ることで奥行きが出て、豆電球たちにもしっかり存在感が生まれます。
- 2.青い色の要素をちょこっとずつ入れる
- 主役の豆電球の背後にも、お散歩テーマである青い色の要素を少しずつ散りばめることで、より一層愛おしい写真に。写真の中にまとまりも生まれます。
- 3.モニターを使って角度を調整
- バリアングルモニターを活用し、直接ファインダーを覗くのが難しい角度で撮影できました。自分の身長では撮りづらいような場所にも、EOS RPならチャレンジできます。
2.アンダー・ザ・シー?
歩いていて目に留まったショーウィンドー。ガラスの向こうには、青いグラデーションの世界が。水中都市のようなSFっぽさを頭に描きながらカメラを構えました。
写真のレシピ
- 1.「ピクチャースタイル」を使って青みを際立たせる
- ピクチャースタイルの「風景」を選択。青と緑が際立つ、自然を撮るのにぴったりなモードですが、今回はあえて人工物に。
- 2.ガラスに映り込んだ世界が海の底のよう
- 日常の風景も、色の中に溶け込むと違って見えるもの。角度を調整し、ガラスに映り込む景色がすべて青に染まって見えるように撮影。
- 3.アスペクト比を変えて、映画のような切り取り
- EOS RPは、撮影時にアスペクト比の調整が可能。映画でよく使われる16:9を使うことで、普段とは違う見え方に。
3.青と鏡の迷路へ
道の端に、レトロなブルーのタイルと、その隣に置かれた鏡を発見。写真に撮ると不思議な仕上がりに。どれが現実で、どれが鏡の世界?一瞬頭をひねってしまう写真が撮れました。
写真のレシピ
- 1.画面の中を、縦の線で分割
- タイル、壁、鏡。縦の線を意識して画面を分割することで、現実と鏡が分割されるように調整してみました。
- 2.被写界深度で印象を調整
- F値を調整しながら、「うっすら奥の人や建物のシルエットがわかる」という数値を探します。完全にボケてしまわず、かつ、ハッキリしすぎないように。f2.2がちょうど良い数値でした。
- 3.斜めに道路のラインを入れて、立体感を
- 写真の中で道路がぶつっと切れないよう、左奥に向かって道が続いている様子を入れ込むことで、背景に街が広がっていることがちゃんと伝わるようにしました。
4.青の額縁と白鳥ボート
緑豊かな公園を歩いていて最初に目が留まったのは紫陽花。ブルーの紫陽花が白鳥ボートを囲むような構図になると可愛いのでは?と思い、ちょうど白鳥が真ん中にくる一瞬を狙って撮影しました。
写真のレシピ
- 1.連写モードでタイミングを狙う
- 優雅でゆっくりしているように見えて、ボートが通り過ぎるのは、案外あっという間のこと。ベストなタイミングで撮影するために、連写を活用。
- 2.ボートはボカして、幻想的に
- ボートは、シルエットがぎりぎりわかるくらいにボカしてみました。一瞬ほんものの白鳥のように見えて、幻想的な仕上がりに。
- 3.片手&背伸びでベストな位置をキープ
- 片手&背伸びという割とアクロバティックな構えで撮影しています。EOS RPはとにかく軽いので、こういったことも可能なんです。
5.クラフトコーラで一休み
ちょっと休憩です。青の店内に惹かれて入ったカフェで頼んだのは、クラフトコーラ。透明感のある色とレモンのイエローで、爽やかさを感じます。きれいな青の店内の感じを1枚の写真にぎゅっと閉じ込めました。
写真のレシピ
- 1.3つの要素のバランスを重視
- 机、椅子、床。3つの青の要素がバランスよく重なる配置を探します。真上や横も試したけれど、どこかが欠けてしまうので、斜め上からの角度で
- 2.絞り調整で、青の重なりを立体的に表現
- 3つの青の高低差をしっかり出したいけれど、椅子や床のニュアンスもきちんと残したいと思い、適度なボケ具合になるよう絞りを調整。暗くなりすぎないよう、ISOも併せて調整します。ピントはテーブルに。
- 3.コーラとレモンの暖色で、青をいっそう引き立てる
- 青と黄色は、お互いを引き立て合う相性の良い色。レモンのイエローとクラフトコーラのオレンジ色を入れて、全体の青とのメリハリをつけました。
6.雨上がり、水滴模様
歩いていたら突然の雨に見舞われ、慌てて雨宿り。今日はもう帰るしかないかも……と諦めかけたころに太陽が戻りました。雨が上がったばかりのベンチには、自然の作った水玉模様が。
写真のレシピ
- 1.雨の日だからこそ撮れる景色を探す
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EOS RPは防塵・防滴構造。不意にかかる砂塵や、少量の水滴であれば、防ぐことができます。「雨の日ならでは」のシーンを探すのも、楽しみのひとつです。
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防塵・防滴性能を発揮させるため、電池室やカードスロットカバー、端子カバーなどの開閉部をしっかり閉じる必要があります。
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防塵・防滴に配慮した構造になっていますが、砂塵や水滴などの侵入を完全に防ぐことはできません。
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- 2.光とボケで質感を
- 一番写したいのは、水滴の質感。スポットライトのように光が当たる箇所を探して撮影しました。後ろはボカすことで、手前の水滴に目が行くように。
- 3.斜めから撮って、水滴の丸みを出す
- 真上から撮ると可愛いかも?と思って撮ってみたら、のっぺりしてしまうことが判明。バリアングルモニターを使い、低めの位置から撮ることで丸みと立体感を出すことができました。
7.涼やかな金魚鉢
雨上がりの街は、特有の清々しさがあって歩くと気持ちがいい。ふと目に留まったのは、金魚鉢と、そこに浮かぶパンジーの花。透明感を閉じ込めたような光景に、思わず心が躍ります。
写真のレシピ
- 1.単焦点レンズの表現力で、水の深さと透明感を
- 水の透明感をしっかり写し取りたくて、50mmの単焦点レンズを使って、ぐっと近づいて撮影。レンズが小さくコンパクトなので、持ち歩く交換レンズとしても優秀だし、軽いので思い切った構図で撮影できます。
- 2.ホワイトバランスを「晴天」に
- 爽やかな空気感のまま撮影したかったので、ホワイトバランスを「晴天」に設定。オートよりもスッキリとした色合いになり、より好みの仕上がりに近づきました。
- 3.横からの光で立体感を
- 金魚鉢の周りをぐるっとまわり、ベストな角度探し。左から光が当たる位置で撮ると、水滴のニュアンスや金魚鉢の影まで写すことができるとわかり、この場所から撮りました。
8.ぽつんとアンテナ
そろそろ日も傾いてきた帰り道、ビルの合間にぽつんと佇むアンテナを発見。夕暮れどきの空気も相まって、ただじっと立っている姿がいじらしく見えてきました。
写真のレシピ
- 1.アンテナだけが写る角度を探して印象的に
- 「ぽつん」とした感じを最大限に出すために、ほかのビルや建造物が写り込まない位置を探しました。数歩動くだけでも、見え方は変わってくるんです。
- 2.ちょっとだけ、夕方の雲を入れ込んで色に表情を
- 「真っ青な中にアンテナ」も可愛いけれど、夕暮れ時だったので、ちょっぴり哀愁を感じるよう、少しだけピンクの雲も入れ込んでみました。
- 3.右を向く矢印は、「ススメ」のしるし
- アンテナを矢印に見立てて、真横を向いているように見える向きから撮影。まるで「こっちへススメ」と誘導しているよう……?何かに見立てて撮影するのも、スナップ撮影の楽しさのひとつです。
9.まとめ
とにかく軽い!お散歩にぴったりなフルサイズミラーレス EOS RP
とにかく「軽い!」というのが第一印象。それは使い始めてからもずっと変わりません。フルサイズでこんなに軽くてコンパクトだということが感動的で、家を出たあとに「本当にカメラ持ったっけ?」とリュックの中を思わず確認してしまったほどです。軽いことのメリットは持ち歩きやすさだけではなく、片手で撮影する場面や長時間持ち歩くようなタイミングでも感じます。本体だけでなくレンズまでコンパクトなので、交換レンズも気兼ねなく持ち出せるのも嬉しいです。
撮影の際、それぞれのモードの説明をモニターに表示させることができるので、カメラに慣れていない人も「この機能なんだっけ?」と戸惑うことが少なく、スムーズに使うことができると思います。「ピクチャースタイル」機能についても、使いながらその場で説明を見て選べるので、撮影アイデアが広がります。
また、バリアングルモニターによって、思い切った角度での撮影も可能なので、撮れる構図が広がります。
また、明るく優しい色で撮れるので、ポートレートも撮ってみたくなりました。「Canonのカメラで人を撮るのが好き」というカメラ仲間も周りにたくさんいます。