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交換レンズ基礎知識

レンズ名称の意味

EF-S(1)18-135mm(2)F3.5-5.6(3)IS(4)STM(5)/RF(1)24-105mm(2)F4(3)L(6)IS USM(7)
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    「EOS」に装着できる「EFマウント」を示しています。キヤノン純正レンズは「RFレンズ」「EFレンズ」「EF-Sレンズ」「EF-Mレンズ」があります。
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    レンズがカバーする焦点距離を示します。この数値が大きくなるほど遠くの被写体を大きく捉えられ(望遠)、小さくなるほど広い画角で撮影できます(広角)。
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    「F値」と呼ばれる数値でレンズの明るさを示しています。この数値が小さいほど明るく、薄暗い場所での撮影に強いレンズであるといえます。
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    手ブレ補正機構/ISユニット搭載レンズであることを示します。光量の足りない場所でも手持ち撮影ができるなど、さまざまなメリットがあります。
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    STMはステッピングモーターの略。オートフォーカス時のレンズ駆動音が小さくスムーズで動画撮影でも活躍します。
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    「Lレンズ」であることを示します。LはLuxuryの意味で、キヤノンが誇る光学技術の粋を集めた高級レンズシリーズです。また、DOと表示されている場合は、DOレンズ搭載レンズであることを示します。
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    素早く被写体にフォーカスできる、超音波モーター(Ultrasonic Motor:略称USM)搭載レンズであることを示します。

画角

角度によって表された、画像として画面上に写し込める範囲のこと。「○○mm」と表示された焦点距離が短くなるほど広く、逆に長くなるほど狭くなります。35mm判カメラの場合、画角(対角線画角)は15mm魚眼レンズで約180度、50mmで約46度、100mmで約24度、600mmでは約4度。このように焦点距離が2倍になると画角は約1/2になり、写る面積は1/4になります。

また、APS-Cデジタル一眼レフは、35mm判カメラより受光部が小さく、同じレンズを装着しても得られる画角が異なるため画角を換算する必要があります。EFレンズをAPS-Cデジタル一眼レフで使用する場合、約1.6倍望遠側に換算されることになります。

  • 写真は、フルサイズとAPS-Cサイズの画角の違いを説明するためのイメージです。

F値・被写界深度

F値

いわゆる絞り値のことで、レンズの口径を焦点距離で割った数値の逆数のことをいいます。この数値が小さいほど明るいレンズ(大口径レンズ)であることを示します。明るいレンズには「ファインダーが明るく見やすい」「絞り開放時のボケが大きい」「シャッタースピードを上げられる」などさまざまなメリットがあります。なお、F値を1段開けると、レンズを通過する光の量は2倍に、1段絞ると1/2になります。

被写界深度

ピントが合って見える範囲のこと。ピントを合わせた被写体の前後にあるこの範囲が広い状態を「被写界深度が深い」といい、狭い状態は「被写界深度が浅い」といいます。同じ撮影条件でも絞りを絞り込むほど深く、開くほど浅くなります。

F1.4
F5.6
F22

また、ピントが合って見える範囲は手前が浅く、奥に深くなるという特長があります。さらに、同じ絞り値であってもレンズの焦点距離が短いほど深くなり、撮影距離が遠いほど深くなります。

被写界深度から外れた部分は「ボケ」となり、うまく使いこなして立体感のある作品づくりをすることが大切です。

遠近感(パースペクティブ)

手前の被写体から背景までの距離を感じさせる視覚効果のこと。焦点距離が短いレンズほど強調され、被写体の後ろに背景が距離をおいて広がっているように表現されます。逆に焦点距離が長くなると遠近感は弱められるため、遠くにある背景も被写体のすぐ後ろまで引き寄せられているように描かれます。

16mm
200mm

MTF特性図の見方

MTFとは、Modulation Transfer Functionの略で、コントラスト再現比によるレンズ性能評価方法です。オーディオ機器などの電気系の特性評価として周波数特性がありますが、これは原音に対する、[マイクロフォン→録音・再生回路→スピーカー]による再生音の忠実度を表すもので、高忠実度のものはハイファイ(high fidelityの略)と呼ばれています。

レンズも同様に「光学信号の伝達系」と考えた場合、光学系の周波数特性が測定できれば、光学信号が忠実に伝達されているかどうかを知ることができます。レンズでいう周波数とは、1mm幅の中に正弦的に濃度の変化するパターンが何本あるかという意味で特に「空間周波数」と呼ばれ、電気系のHzに対し、「○○line per mm」あるいは「○○本/mm」と示されます。

解像力とコントラストがともに良い
コントラスト良、解像力不良
解像力良、コントラスト不良

本ホームページに掲載のMTF特性図は、横軸が画面中心を0とした像高(画面中心からの対角線上の距離/単位・mm)、縦軸がコントラストとなっており、10本/mmと30本/mmのMTF特性が示されています。MTF特性図上の10本/mmのカーブが1に近いほどコントラスト特性がよく、ヌケの良いレンズとなり、30本/mmのカーブが1に近いほど高解像力を備えたシャープなレンズとなります。シャープで抜けのよい高性能レンズであるためには、両者でバランスが取れていることが大切ですが、一般的に10本/mmのMTF特性が0.8以上あれば優秀なレンズ、0.6以上あれば満足できる画質が得られると言われています。