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自由部門 第50回キヤノンフォトコンテスト

自由部門

ゴールド賞

『今日から自由』有田 勉(岩手県)

受賞者の声

 

卒業生を送り出す祝福に手荒くも温かさを感じて
ゴールド賞の通知をいただき、ありがとうございます。この高校は手荒い祝福で卒業生を送り出すことで知られています。特にすごいのがラグビー部。校舎から卒業生が一人ずつ外で待つ在校生数十名に向かい突進していきますが、すぐに倒され父兄の前で踏んだり蹴られたり。一連の行事が終わると抱き合い、握手し、在校生は今まで教えを受けたことに感謝し、卒業生を送り出します。最後には父兄も加わり、肩を組み、大声で校歌を歌い続けました。

講評:卒業式の楽しさ、寂しさを描いた自由部門のゴールド賞

  • 齋藤(康)
    「今日から自由」というゴールド賞の作品は、高校の卒業式写真ですね。中学校、大学も含め、卒業式の写真って、すごく多いんですよ。ある意味で画になりやすいのですが、この作品は、一点一点、生徒の表情をよくとらえていて、しかも組写真として変化の付け方がうまい。地味ともいえるのですが、一つの世界をつくっています。卒業するときの楽しさとか、寂しさ、その日の時間がよく出ています。
  • 公文
    写真の規模がいいと思いました。この作品は30分くらいの短い時間に撮った写真を4カットの組写真に仕上げていますが、生徒が多すぎるとこんな雰囲気にならないし、時間や場所が広すぎると狙っているテーマが散漫になる。高校の卒業式という適度な規模で撮影したため狙いが明確になったと思います。
  • 齋藤(康)
    組写真ですが、無駄なカットがなくうまくまとまっていますね。
  • 公文
    寄っている2カットが強くて、引きの写真があって、そのバランスがいい感じです。広角ズームで撮っているので、周囲にいる人たちの目線も結構、写っている。
  • 齋藤(康)
    泣いているような顔の生徒や羨ましそうにしている生徒など、4枚の写真にいろんな気持ちを読み取れるので、見ていて飽きないですね。
  • 公文
    若い躍動感が一枚一枚の写真にあって、とてもいい。でも、この写真を撮ったのはどんな人なんでしょう?
  • 齋藤(康)
    学校の関係者でしょうか。生徒たちを知らないと、こんな自然な感じで撮れないんじゃないかな。ふざけている男子生徒たちの写真もいいし、紙吹雪の写真はダイナミックです。
  • 公文
    広角レンズだと、要素が多くなるのに、うまくまとめています。
  • 齋藤(康)
    プリントもきれいだし、作者は写真が上手ですよ。
  • 公文
    自分の目線を大事にしている人は、オリジナリティがありますね。
  • 齋藤(康)
    自由部門は、全体としてレベルが高かったですね。皆さん上手で、プリントまで丁寧に仕上げている人も目につきました。
  • 公文
    そうですね。自由というだけあって、さまざまなトライがあり、テーマ的には普通だけれど、人と違う目線で撮っている人が入賞していますね。

シルバー賞

『二十歳の記念撮影』山口和幸(奈良県)
『伊勢エビ 捌く』山本信二(三重県)

ブロンズ賞

『羨望』辻村政幸(和歌山県)
『迷える宇宙人』川口重一(京都府)
『幸せ』後藤文男(神奈川県)

佳作

『夏のフライト』片山豊相(福岡県)
『牛馬優先道』長 吉秀(福岡県)
『砂丘の家族』新井 尚(神奈川県)
『はじける朝』免田裕子(広島県)
『高原の朝』長沢 巧(神奈川県)